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一回死んで蘇ったら過去に戻ってた。  作者: 電気便所
1章〜小学生編
1/4

生きる希望がない

    ーーもう疲れた……ーー

 午前1時、今日も残業昨日も残業。一体どう人生を間違えたらこんな底辺サラリーマンになるんだ!生きるのが辛い……生きてて楽しいことなんて何一つない。俺の思い描いてた人生とは何一つうまくいかずイライラする!

 

 そんなことを考えていた典型的なダメリーマン、伊月日菜太。歳は27歳、生まれてこのかた彼女なんてできたことはない。伊月の両親は幼い頃、親族ともにある殺人鬼に殺された。つまりは天涯孤独、残されたのは親の残した保険金。親族のものを含めると1億は超える。しかし伊月はそんな金で生活をしたくないということで働いている。



「……ああ、学生の頃に戻りて〜。あの忌まわしき中学時代のせいだ……クソ」



 伊月は中学の頃にイジメにあった。理由は学校にあるカースト1位の少年の好きな人に伊月がイチャイチャしていた頃から始まった。イチャイチャが気に障ったのか伊月になりすまし、SNSでの陰湿なイジメ。クラスからは孤立し、その子とも疎遠になった。そんなイジメが高校生になっても続き、現在に至る。友達もいない、家族もいない、信頼できる上司もいない、そんな生き地獄から解放されようと自殺をしていた。



(どうせ俺はいなくなるんだ。電車に轢かれて死んでやる。最後に社会的迷惑を……)



 ファアアアアアアア


 電車が来た、終電、最後の電車。



(楽になるんだ、これで、しょうもない人生だったなあ)



 ブシャアアア


 即死だった。各駅停車だったらどうしようかな、と考えていたがビンゴ。特急だった。

 


 普通消えゆく意識になるのだろうが伊月は逆で意識をとり戻していった。

 


「????あれ?俺って死んだんだよな……」



 バラバラになった体ではない別の何かを感じ取って自分の体をみる



「はっ!?なんだこれ!魂!!?」

「そうだよ〜魂だよ〜」



 伊月は声が聞こえてビクっとしたがすぐに冷静を取り戻し声のした方を見る。そこにはまさに頭が丸で下が台形の形をした奴が現れた。額には神と書かれている。



「か、神……?」

「そうさ〜俺は神〜!全知全能なんでも俺の力で世界を動かしてきた!君は自殺した伊月日菜太君だね?君に`死後ルール`を説明するよ!死後ルール、それは読んで字のごとく死後の世界で適応するルール!難しいからよく聞いといてね!その1、今までのキヲクは全て消える!君の生きた27年間のキヲクはさっぱり消える!その2、君の歩んで来た人生のどれかにキヲクを刷り込ませて君をリスポーンさせる!まあつまり君は27年間しか生きられない人生レールを無限にこなしてるってわけさ!これで143回君は自殺した!まあそのキヲクは一切ないから気づかないんだけど!」



 足早に、そして息継ぎなしで自称神は`死後ルール`の説明をした。この時点で伊月が理解したことは記憶がなくなること、そして143回おんなじことを繰り返しているということだけだった。



「ちょ、早いよ!もっとゆっくりに」

「詳しく説明すると、死んでキヲクを失って赤ちゃんからリスタートってことじゃないんだ!リスポーンする刻は小学生かもしんないし、はたまた自殺する前の君かもしれない!それはランダムだから、俺にもわからないんだ!ってことでリスポーンスタート!」



 待ったなしで説明が終わった挙句、すぐさまリスポーン。自分勝手な自称神に質問したいことはたくさんある。この世界はなんなのか、神は何者でどこから来たのか、なぜ`死後ルール`を作りそんなめんどくさいことをしているのか。そんな質問を投げかける暇もなく、意識が薄れていく。まるで、海に背を向け身を投じ、沈んでくかのような感覚。



「う!」



 チッチッチとアラームがなっているのがわかる。伊月は目を開け体を起こし辺りを見渡す。机の上には小学6年生の算数の参考書が置いてあった。そうか、小学6年生にリスポーンしたのかと思いベットに寝そべった。



『キヲクはなくなる』


 神は言っていた、記憶がなくなる……としかし嫌な思い出ばかり蘇ってくる。イジメにあったことや仕事のこと。全て記憶は残ったままだ。



「どうなってんだよ!記憶残ったままじゃねーか!!」



 記憶が消されぬままリスポーンした伊月日菜太の人生を変える大きな物語が始まるうとしていた。






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