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ソルナード、6

何だか心苦しい。

明日の反乱軍決起集会に乱入するための段取りを立てる。そこで反乱軍を乗っ取るためのイーリス様の演説が披露される。場所と時間がわかっていればそれ自体は難しくない。それなのになんでこんなに心苦しいのか……。

トラーノ様とルード様とファレンス様がすぐそこで喧嘩しているからか。いや、そうじゃない。むしろ今まで喧嘩をしなさ過ぎた。だから、ガルネシア王国はまとまっているようでまとまっていなかったし、豊かなようで豊かじゃなかった。むしろいいことだ……。


……いや、私も考えるふりをするのはやめよう。原因はわかっている。私も本音をぶちまけなくてはこの国とともに前に進んでいけない。


今日の会議が終わった後、すぐにイーリス様を呼び止めた。

「どうかされました、ソルナードさん。」

……武将たる者常に頭の中は冷静でなければならない。

父の数少ない教えだ。とにかく王に伝えなくてはならないことがある。

「大事な話があるのですがよろしいでしょうか……。」

「ええ。もしかして……、場所を変えましょうか?」

「すみません。お忙しい中だというのに……。」

「そんなことないですよ。皆さんが優秀すぎるせいで私のやることなんてないですし。それよりもソルナードさんの方が大変なのでは?」

「いえ、それほどでも……。」

「そうですか。さすがガルネシア王国の総司令様ですわね。あら、ごめんなさい。関係ない話を……。テラスでいいですか?」

「ええ。」

そのあとは何も言わずにテラスに出た。

何もかも見透かされているようだ。それでいて何気なくフォローしてくれる。


「お話とは――」

沈黙を舞ってくれているイーリス様の瞳に背中を押されるように言葉が出る。

彼女にこんな話をするのは本当に胸が痛い。だけどここは越えなくてはならない。ここで逃げてはいけない。可能性だとしても……。

「――もしかしたら私があなたの父上を殺してしまったということです。」

「……」

イーリス様はキョトンとされている。

「すみません。こんなことをあなた様にお伝えするのはおかしいかもしれませんが、どうしてもうやむやにしてはいけないと思いまして……。」

「……。懺悔ということですわね……。ちょっと待ってください、気持ちの整理が……。」

「申し訳ございません。」

突然、こんな話をされるんだ。気持ちの整理なんてできているわけがない。

「でもどうして父を?それにどうして言おうと思いましたの?」

「結果論になりますが王が傷心と聞きおよんだので嗜好品として葉巻を謙譲していたのです。」

「確かに吸われてましたね。」

「ですがその葉巻には危険な植物が使われていたのです。その植物で作った葉巻を吸うと一時的に気分がよくなるのすが、……あとからわかったことですが大麻は依存性が高く副作用も強いのです。また、幻覚症状や精神が撹乱する作用もあるようで……。部下から跳び降りたときの様子を詳しく分析していくと……それが原因なのではないかという結論が出ました。こうしてイーリス様にお話しすることで、そうですね。何らかの罰が欲しいのかもしれません。」

「……それはまだどこかにありますか?」

「いえ、王宮内および施設にあるものはすべて処分しました。」

「わかりました。でもまだそれが決定的な原因とは限らないのでしょう?」

「9割程度は……と考えています。」

「それではのこりの1割にかけて、今は不問とします。この戦いでのあなたの活躍にかかっていますよ。罰はこの戦に勝つことで不問とします。頼みましたよ、総司令!」

やはりイーリス様は何でもお見通しのようだ。今欲しい言葉をくれる。そう、私はガルネシア王国を、イーリス様をお守りする盾だ。絶対に勝つ。

「はっ!」

今までの気合いに気迫が乗っかった。

今まで他にやる人が、できる人がいなかったから総司令をやっていたが、今になって武人として国を守ることがどういうことなのかようやくわかった気がする。



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