ストーカーのいる日常ー4
1日あけてしまいました…
それに今回は文字数が少ない。
ほんとにほんとに申し訳ない…
「一緒にお昼にしましょう!」
昼休みが始まるいなや、教室に飛び込んできた奈央。
俺のクラスはA組で、奈央はD組だ。Dは教室は一年のフロアの最奥地で、A組は一番手前。
どうやったらこれ程早く来れるのだろうか?
「おう、屋上行くか」
奈央と一緒に昼食をとる場合、屋上で食べる事にしている。
何故なら、奈央がメイドである事がばれない為だ。
うちの学校は一応、旧家、名家その他坊々達が通う名門校(ただ、勉強さえできたらだれでも入れるので、実際にはそういう奴らは少数派だ)である為、四年前までは偶にメイドや執事などの使用人を連れてくる事がたたあったそうなのだが、それでは成長する芽も抜き去ってしまうといった学園長の方針転換によってそれらが全面的に禁止されたのだ。
その為、昼食ぐらいはメイドの仕事をさせて欲しいという事で、普段全く使われる事のない屋上で食べようというのだ。
この前、思い切り教室で素のメイドの喋り口調になっていたような気がするが、誰も気に止めていない様子なので良しとしよう。
「ねここも一緒にどうだ?」
「恵は我輩に殺されろと言ってるにゃ?」
机に突っ伏したままいうねここ。
朝からいろいろあったからな……俺は苦笑した。
「そうだな」
「おーい!白蘭!」
立ち上がり、教室を出ようとした所に、後方のドア付近にいたクラスメイトから声がかかる。
「すまんが奈央、先に行っといてくれ」
すると、奈央は不満そうに口を尖らせながらも不承不承という様子で頷いた。
「……はい…ううん、分かった」
『なんで涼香様がこちらに?』
『会長様、今日もお美しい』
『ああ、涼香様見れるなんて今日はなんて良き日か』
『なんで彼奴なんかに』
なんかあちこちから漏れ聞こえる呟きには狂気なる物が混じっているのだが……
きっと気のせいだ、うん、そう信じたい。
「うん?何かな?」
「お客さんだぜ」
「客?」
クラスメートは何かを面白がるようにしてそのお客人を指し示す。
「奈央ちゃんはいいのか?彼女なんだろ〜」
クラスメートは更に面白がるように言うが、残念ながら奈央は彼女ではない。
「違うよ、ただの幼なじみだ」
俺はそう受け流しつつ、客人に目を向けた。
天女の如き艶やかな黒髪に、くりくりとした可愛らしい目。透き通るような白い肌。そして注視すべきは制服をこれまでかと押し上げたまるで西瓜を思わせる双丘。まるで現代風かぐや姫のような大和撫子の美と男のロマンを持っている少女。俺は目を奪われた。
こんな美少女とエンカウントしたのだ。男としてそれは当然の反応だろう。
というか、そう信じたい。
「あ……えーと、俺に何か用?」
「やっと………」
「ん?なんか言った?」
「いえ、何も!」
ぼうっと惚けたように言う少女に俺はそう聞き返すが、少女はあわあわと手を振りながら否定した。
少女は一度息を整えると、今一度立ち居振る舞いを整えて柔らかに微笑んだ。
「私はこの学校の生徒会会長を務めております、竜胆涼香と申します。貴方をスカウトに参りました」