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ヤンデレではいけませんか、ご主人様?  作者: 終焉の焔
第1章 猫のちストーカーのちヤンデレメイド
5/17

ストーカーのいる日常ー1

眩い光が差し込んで俺の覚醒を促した。

だが、目を開けてみても奈央の姿は見えず。


奈央よりも早く起きるのは久し振りだ。


俺は立ち上がり、服を着替える。


ん?ーーまただ。


最近、視線を感じる。

普通なら自意識過剰で済むと思うんだが明らかに視線を感じるというかーー


俺が気付いているくらいなら奈央も気付いている事だろう。

俺は奈央に尋ねる為奈央の部屋に行った。


俺は扉の前に立つとノックした。


「奈央?はいるぞ」

「え!?ちょっと待って下さい!!!」


奈央はそう止めるが時既に遅し、俺はもう扉を開け放っていた。


「っっ!?」


目に飛び込んできた光景に俺は絶句した。


「んんんん!!!今着替えてるんですから!あっち向いてください!」


制服のブラウスはボタンを下から二つほどしか止められておらず、胸元が大きくはだけてピンクの可愛らしい下着が覗いている。下の方はブラウスに隠れて見えず所謂、裸ワイシャツ状態である。


顔から火が出るほどに顔を真っ赤にしていう奈央。


それがまた何ともいい。

見てはいけないと頭では分かっているが身体が動かない。


夢で見れなかった続きがこんな所で拝めるとは、なんか泣けてきた。


「あっち向いてって言ってるじゃないですか!!!」


余りの恥ずかしさにか、奈央は涙まで浮かべている。

やばい、それそれ本気で怒られる。


それに急いで背中を向ける。


だが、視界には映らなくとも耳は聞こえるわけで…


先程から衣擦れの音が生々しく、俺の心臓をドクンドクンと脈打たせていた。


「終わりました。もういいですよ」

「ああ………ごめんなさい!!!」


俺はそう言ってまず全力で頭を下げる。


もちろん土下座だ。

男たるもの、こういうのは潔く謝ったほうが良いに決まっている。

そうでなければ、後でどんな叱責が飛んでくるか。


「いえ、謝らないでください!私は……ご主人様に見られるのは……その……」


『ピンポーン!』


インターホンが鳴り響き、奈央の声が掻き消される。


「うん、誰だろ?」


ーー奈央はその時、凄く悔しそうに唇を噛んでいたように見えた。


が、直ぐに俺と奈央は玄関へと向かった。


扉を開けるといたのはねここだった。

顔を仄かに染めてモジモジとしている。まさに、その姿は猫のよう。


「あら、泥棒猫さんが何か?」


俺がなにも言えないでいると奈央が言った。


「泥棒猫じゃないにゃ!我輩、そんな悪い子じゃないにゃ!」


シャーと、威嚇する猫のように奈央を睨むねここ。

このまま喧嘩されても前みたいになっても困るし、俺はすぐさま仲裁に入る。


「まあまあ、そんなにいがみ合わないでも」

「いえ、ご主人様。これは私たちの問題です。ただ()るか()られるかの壮絶で凄惨で、苛烈なる修羅場なのです」

「いや、そんな数多の戦場を戦い抜いた歴戦の猛者みたいな事言われても…」

「そうにゃ!この娘の言うとおりにゃ!恵は黙っとくにゃ!」


と、俺の努力は功を奏さず、ねここが臨戦態勢を取る。それに奈央も応え、どこから出したのかナイフをまるでトランプのカードのように手で広げた。


はあ、朝から物騒な。


「終わったら、ご飯作ってね…」


俺がそう言ってドアを閉めて、リビングに向かうとドアの向こうはもうさながら戦場の如く怒号が響いていた。

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