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ヤンデレではいけませんか、ご主人様?  作者: 終焉の焔
第1章 猫のちストーカーのちヤンデレメイド
10/17

ストーカーのいる日常ー5

extra 修正しました。

きっと憑かれているのです。休めば大丈夫。

「では、こちらで少しお待ち下さい」


竜胆先輩はそう言って教室に案内した。


だが、教室と言っても旧校舎の一室に過ぎず、木造の校舎はなかなかの趣を持っている。

一歩歩くたびに床が軋む音が響くのはなかなかにスリリングだ。


俺は手頃な椅子に腰を掛ける。


窓から覗く青空は澄み渡り、長閑という一言に尽きる。

何しろ、ここらは人が居ないのだ。


旧校舎は通称特別校舎と言われており、何がどう特別であるかというと、それは校則を見ればわかる。


第8章ー補足ー

第三四条第一項 二つある校舎のうち北側に位置する校舎を本校舎、南側に位置する校舎を旧校舎と称する。

第二項 旧校舎への一般生徒の立ち入りは禁ずる。


と、一般生徒の立ち入りは禁止されているのだ。

仮にも校舎に生徒の立ち入りが禁止されるなどという事は異常であるだろう。

まあ、倒壊の危険があるといったらそれまでなのだが、今、見てみて柱が腐っているなどの危険はない。


だったら何故、生徒の立ち入りを禁止ているのか。

実しやかに囁かれる噂によれば生徒会の本部がこちらに置かれているとか。


だが、この噂の欠点は何故そんな面倒くさい事をしているのかという事だ。

別に生徒会室を本校舎につくればいいというのがその説に対する定説だ。


俺的にも、わざわざこちらに作る必要はないという考えだ。


ガラリと、扉が開かれると、竜胆先輩が入ってくる。

俺が立ち上がると先輩は凛々しく微笑んだ。


「準備ができましたので、こちらへ」

「何の準備だったんですか?」


俺は先輩の方に歩み寄る。

その時に見た先輩の微笑みはどこか不自然でーー


「恵を捕まえる為のだよ」

「えっ!?」


いつか見た眩しい笑顔で先輩は言った。


刹那、全身に文字通りの電流が走った。


一気に身体から力が抜ける。

立つ事もできずにその場に倒れ込む。


だが、急に身体が軽くなった。

俺は霞む視界で先輩に抱きとめられた事を理解するとそのまま意識を手放した。

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