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ラムラッケ!! Dream Christmas  作者: 紫丁香花
9/13

12月24日 火曜日 午後の部

午後になり西神楽と東神楽のペア、通称神楽sと恭子、夏実が交代した。孝之、渓も別のクラスメートと交代し、午後から好きなだけ遊ぶ予定だ。


しかし本格的に遊ぶ前に行くところがある。其れは予科2年5組のチャイナ喫茶、学園のアイドル効果が一体どれ程のものなのか、どのような状況になっているのか、そして対抗策を探るべく調査しに行くのだが……。


渓「はぁ……留萌さんのチャイナドレス留萌さんのチャイナドレス留萌さんのチャイナドレス留萌さんのチャイナドレス留萌さんのチャイナドレス留萌さんのチャイナドレス」


孝之「煩いわ!つか何だよこの行列は!」


行列は凡そ20メートルはありそうだ。これでも大部減った方なのだが。


孝之「これじゃあ並ぶだけでクリパ終わるぞ」


渓「良いじゃねーか、留萌さんのチャイナドレス見れるなら俺はクリパを犠牲にしても良い!」


孝之「俺他の見たいんだけど」


渓「そうか!じゃあ俺一人楽しんで来るぜ!」


この場は渓だけで充分だろうと思いその場から離脱しようかと思ったが調度タイミング悪く薄野が現れた。


薄野「おやおや、何処に行こうとするのかね」


孝之「だっ、だって待つのつまんないし、他廻りたいし」


薄野「勝つためだ!我々のクラスが予科、本校全てのクラスに勝つための作戦だ!我慢しろ」


孝之「嫌だ!俺は風のように自由にクリパを廻る!」


薄野「そうか其れは残念だなぁ、しっかりと潜入してくれるのならば恵庭三姉妹と羅臼恭子が食したケーキ代を無料(ただ)にしてやると言うのに」


その言葉に孝之が反応した。


孝之「タダ…」


薄野「あぁ、無料(ただ)だ!」


孝之の心が変わった。


孝之「仕方ないなぁ、待ってやるよ」


薄野「ふむ、宜しく頼んだぞ」


孝之の扱いが馴れている薄野、薄野はそう言ってその場から立ち去って行った。














待つこと40分、やっと5組に入れた。


巴「いらっしゃいませー!2名様ですか?」


渓「はいそーでーす!」


巴「お席の方ご案内しまーす」


チャイナドレス姿の巴を見ると何だか新鮮さがある、言うほどの接点はないし向こうは千歳孝之として認識していた訳ではないから、挨拶はしなかった。


誘導された席に座りメニューを見る。


孝之「へぇ、飲茶セットに天津飯、餃子……ウーロン茶にプーアル茶、結構本格的なんだな」


値段は学園の出し物なのだからリーズナブルである。

所が隣のページを見るや否や孝之は目を丸くする。


孝之「何これ……VIPメニュー?」


値段はスタンダード仕様の10倍、500イコルの天津飯が5,000イコルになっている。更にページを捲ると(スーパー)VIPメニューと書かれ、此方はスタンダードの100倍、天津飯50,000イコルだ。


孝之「あれか、高級食材でも使ってんのか!?」


渓「甘い、甘いぞ孝之」


孝之「何がだよ」


渓「VIPメニューは留萌さんが直接ご飯を持ってきてくれる。スーパーVIPメニューは留萌さんが作ってくれて更に持ってきてくれるんだ!最高だろ!」


孝之「手作りで5万って……、オプションも高いなぁ、食べさせてもらうので3万かよ」


渓「超VIPメニューの商品のみ、かつファクトリア学園生徒のみしか頼めないオプションだ!」


孝之「誰が頼むんだよ超天津飯と超餃子、超天津飯だけでドラゲォンボール見付かるんじゃねーか?超飲茶もサイバインマン楽勝に勝てそうだろ、狼牙風楓拳、かめやめ波使わなくても勝てそうだろ」


渓「何の話ししてんだよ」


孝之「ドラゲォンボールの話じゃなかったっけ?あっ違うな、取り合えず何頼む」


渓「VIPの天津飯!超が良いけど5万も手持ちにねぇし」


即答する渓。


孝之「じゃあ俺は飲茶でいいや、セットの飲み物はプーアルで」


そう言って店員を呼ぼうと思った時、向こうからやって来た。そして徐にこんなことを言ってきた。


巴「お客様、宜しければ彼方のイケメンチャレンジに挑戦してみませんか?」


孝之「イケメンチャレンジ?」


巴「はい、審査員三人全員からイケメン札が取れれば超VIPメニューが無料でご注文頂けます」


孝之・渓「「まっマジで!!」」


声が揃った二人、しかし思惑は一緒ではない。


渓「やるやるやるやるー!ぬおおお!留萌さんの手料理ぃ」


孝之「タダ飯なんて、オラわくわくすっぞ!」


馬鹿二人はそのイケメンチャレンジに挑戦する。

イケメンチャレンジは教室の端にある一人掛けの椅子に座り審査員となる5組の生徒が顔の判定をずるそうだ。因みに審査員は霧恵、薙、そして見知らぬ女子生徒の三人だった。ハピネスくんとしてなら霧恵と薙とは面識があるが千歳孝之個人としては面識は全くと言って良いほど無いだろう。


イケメンチャレンジには孝之達の前に四人程いる。


渓「マジかよ雨竜先輩もきてんのか」


孝之「雨竜?」


渓「サッカー部のキャプテンだぜ、うわ、伊達迄いるし、でも有珠山には勝てそうだな」


誰が誰だか分からないし興味はない。因みに今挑戦しているのが雨竜、そして次の次が伊達、その次が有珠山。

孝之はその有珠山の後だ。


渓「まぁ俺の番になるまで場を温めてくれよ」


既に決まったと思っている渓、何とも恐ろしい思惑だ。


伊達「予科2年7組、伊達(だて) 風牙(ふうが)だ、宜しくマイハニー」


自己紹介をするらしいが何とも痛々しい。

審査の結果薙がイケメン札を挙げなかった為、イケメンチャレンジは失敗となった。


伊達「馬鹿な、この僕が!?」


相当ショックだった模様。


有珠山「予科2年7組 有珠山(うすざん) 陽炎(かげろう)


何ともかっこいい名前だ。しかし容姿はゴリラに近い。

判定は0票。無惨な結果となった。


して次は孝之、こう言うのは自己紹介から攻めて行くものだと持論を展開する。


孝之「オスッ、オラ孝之わくわくすっぞ!」


薙「クラスとフルネームを答えて下さい」


渓「ははは、馬鹿でえー」


攻めは失敗した。


孝之「予科2年3組、千歳孝之でーす。好きなキャラはバジータでーす」


霧恵「バジータって何?」


困惑する霧恵に律儀に答えた。


孝之「惑星バジータの戦闘民族カイヤ人の王子、最初は悪者だったんだけど地球の穏やかな生活により最後の方では良い奴になったのさ」


渓「誰もドラゲォンボール知らないだろ、俺も余り知らねーぞ」


孝之「何だと!ならブリーザとかcellとかプーとか知らないのか!タタロットも分からないのか!そもそもこのクラスにはドラゲォンボール要素めっちゃ散らばってんのに誰も知らないのか!?」


渓「GTなら俺知ってるぞ」


孝之「GTは見てないや」


っと勝手に話し込む孝之と渓、霧恵が咳払いをして我に戻る。


霧恵「まぁそのドラゲォンボールは少し見てみたいですが……、取り合えず判定の方を」


判定の結果…………イケメン票3票。


「「「「なっ何ぃいいい!!!」」」」


そこにいた男子生徒全員が驚愕した。


渓「おおおおおおお前ええ!何やっちゃってくれてんの!?」


孝之「ちょい待ち!俺も信じられねぇ、まさか天下一武士道大会に優勝するなんて…」


渓「てめぇはドラゲォンボールから離れろ!」


混乱する男子生徒達の中で怒りを露にする奴がいた。


伊達「納得いかないな!この僕があんなお茶らけた男に負けるなんて!」


女子生徒に睨み付けて言うその姿に怯える、霧恵が強気に物を言う。


霧恵「あくまでも私達が思うイケメンと言う訳であって、10人入れば7人は伊達くんに票を入れたと思います」


伊達「僕は今其れが必要なんだ!だいたいあんな男に留萌くんの手料理等相応しく無いね。僕のように強く美しい男でないと!」


孝之「やったー、タダ飯タダ飯~!」


確かにお茶らけてる、ルックス的には悪くない。しかしこの男は奏よりもご飯を選ぶのかと思うと少しムカつくがこれも全ては奏のため。


伊達「おい貴様!」


キレた伊達は孝之に食って掛かる。


孝之「ん?」


気の抜けた返事をして振り向く孝之。


伊達「辞退しろ、痛い目に遭いたくなければな」


殺る気満々の伊達に孝之は一言。


孝之「……どちら様?」


プチんっと何かがキレた。


伊達「きっ貴様ぁあ!」


伊達は右手のひらに風を集める。其れを孝之目掛けて放った。凄まじい突風が孝之を襲う。突風は孝之に直撃した。


孝之「……………」


伊達「………………何?」


本来なら吹き飛んだ筈なのに全くもって微動だにしない。


伊達「ふっ、僕としたことが、威力小さすぎたか」


再び風を集める。其れ丈で予科2年5組の室内は嵐が起こったように風が巻き起こる。


孝之はゆっくりと胸ポケットから一枚のコインを取り出す。コインを浮遊魔法を使って浮かし、更にコインに魔法力を込めた。右手の人差し指の上でクルクル回す。


孝之「どどん……」


伊達の攻撃を受ける前に決着をつける。


孝之「ばっ!!」


放たれたコインは勢いよく伊達の鳩尾に直撃し廊下まで吹き飛んだ。

教室内は騒然としていた。カテゴリー3の伊達風牙がカテゴリーを持たない魔法使いに負けた。

孝之は平然と伊達を突き飛ばしたコインを手のひらに戻しポケットにしまった。


孝之「何だ彼奴?教室がボロボロになっただろ、俺達のクラスだったら恭子がブチキレてたぞ」


この平然と何事も無いように佇む孝之に一同釘付けだ。


渓「はぁ…敵にまわしたら厄介だが……、此方には薄野が居るんだ」


改めてライバルとして認識する。


孝之「さーて、何食うかなぁ、何せタダだから~」


渓「んじゃあ次は俺の番だな!」


渓は茫然とする審査員の前に立ちアピールした。


渓「予科2年3組定山渓です!好きな女の子は女の子です!!」


結果は言わずとも分かるであろう。















調理室にて胡麻団子と餃子を作る奏。


一人前しか作らないので然程時間は掛からないが、少し心配だ。


奏「上手くいくかな……」


胸の鼓動がいつも以上に早くなる…………。








奏『お願い!』


巴『お願いって…まぁ私達は別に良いけど、その何だっけ千歳くんが来るかどうかわかんないでしょ』


奏『うん……』


薙『来たら良し、来なかったらしょうがないで割りきろうよ』


巴『にしても、そこまで好きなら告白すりゃ良いじゃん』


奏『うん……』


霧恵『脈はあるのか』


奏『ううん……無い』


薙『えー、奏なら誰とでも付き合えるでしょ』


奏『そんな事無いよ』


巴・薙・霧恵『『『あるの!』』』


奏『あうっ!?』


巴『兎に角あんたの魔法で誘惑しなさいよ!』


薙『あなたの事が好きです。付き合って下さいって言えば楽勝でしょ』


霧恵『まっ男なら奏の誘惑にイチコロだろ』










奏「はぁ…、千歳くん……孝之くん……好きです…、うわああん!言えないよぉー!」


顔を手で隠し恥じらう奏。彼女の想いが届くよう一心不乱に料理を作るのだった。










渓「くそ…何で誰も挙げねえんだよ……」


テーブルにうっぷして泣く渓。しかし超VIPメニューを頼んだのだから留萌のチャイナドレス姿は見られるが複雑な思いだった。


奏「おっお待たせしました……!」


蒼色のチャイナドレスを着こなしたその姿はまさしく美しいの一言だった。

色気が半端無い。そこにいた男子生徒全員が釘付けだ、彼女連れの男子生徒でさえも釘付けになっていた。

そして孝之もまた釘つけになっていた。

料理に。


渓「うまそう……」


孝之「そうだなぁ」


料理をテーブルに置いていく。胸元が開いているため胸の谷間がよく見える。渓は蛇口から出る水の如く鼻血を出していた。奏のお尻を見て鼻血を出す男子生徒も多数続出する。


因みに渓の言ううまそうと言うのは料理がと言う意味合いではない。


孝之「では早速……」


いざ実食。餃子を一口口に頬張る。噛み締めるために肉汁が染み出す。

孝之の脳裏に浮かび上がるのは餃子がドドンバでブリーザを倒すイメージが出てきた。

そしてショックを受けた。


孝之「まっ負けた……」


奏「はい?」


孝之「旨い!旨すぎ!完璧に負けたぁ!」


奏「……はい?」


言ってる意味がよくわからない。


孝之「今まで食べた餃子中で1、2を争うな……これは春ねぇレベルだ……、この味越えられそうにない…」


何故か涙を流す孝之に奏はオロオロ戸惑う。


巴「まぁ、泣くほど旨いってことだよ」


巴がフォローする。


渓「なっなぁ俺にも一口くれよ!」


渓が犬のように舌を出してはぁはぁ言ってくる。


巴「お客様、他のお客様に食べさせたら料金出ますよ」


孝之「悪いな渓、これは渡せない」


渓「何だよ一口位いいだろ!お父さん餃子さんを下さい」


孝之「お前の様な男に餃子はやれん!帰れ!」


土下座迄する渓のコントに孝之は普通にのっかる。

尚もコントは続く。


渓「お父さん!僕は餃子さんを愛しています!もう、餃子さんとの間に子どもも居るんです。」


孝之「なっ何だと!本当か餃子……」


渓「お父さんごめんなさい、私渓さんとの赤ちゃんが出来たんです…」


娘の餃子役までこなす渓。


渓「お父さん、餃子さんを必ず幸せにします…。(餃子)お父さん…」


沈黙する孝之。そしてゆっくりと息を吐いて言った。


孝之「娘を宜しく頼んだぞ」


渓「はい!ありがとうございます!てなわけで頂きまーす!」


孝之「おいこら」


箸で餃子を摘まもうとした渓の手を叩く。


渓「何だよ孝之。餃子くれるって言ったじゃん」


孝之「いや、やらねーよ。にしてもこれ旨いなぁ、極めようかなぁ餃子」


巴「いや、彼女にするって選択肢は無いの?」


奏「ほえっ!?」


いきなり巴がとんでも無いことを言ってくる。奏は目をオロオロさせ混乱する。


奏「ととととととと巴!?いいいいいいいきなり何をっ!?」


巴「あんた混乱しすぎだし」


渓「てか孝之はもう彼女居るだろ」


奏「エエエッ!?」

巴「マジで!!」


驚愕する二人は孝之を凝視するが孝之はその視線を合わせようとしない。

彼は今は料理を堪能していたので視線に気が付かない。しかし話しはちゃんと聞いている。


孝之「俺に彼女なんて居ないだろ」


渓「居るだろ!春音さんとか春音さんとか春音さんとか!」


孝之「いや彼女じゃないし」


春音「そうだよ彼女じゃないよ!奥さんだよ!」


孝之「うん、姉だから」


春音「お姉ちゃんであり奥さんなんだから」


孝之「いや、姉だから」


春音「嫁!」


孝之「言い方変えても駄目だから」


春音「昔は春ねぇは俺の嫁!って言ってたのに~」


孝之「一言も言ってないよ」


渓「………」

巴「………」

奏「………」


孝之「…………って何で春ねぇが此処に居るの!?」


平然と会話に入ってきた姉に驚く孝之。


春音「孝くんの居るところにお姉ちゃんは居るんだよ」


えっへんと可愛く威張って言う春音。

それストーカーじゃないと言う声が聞こえてくるが春音には全く届かない。


春音「秋穂達と別れて孝くんとクリスマスパーティー廻りたいと思ってたら、孝くんったら女の子の居るお店に行くなんて~浮気だうーわーきー!」


孝之「あのね春ねぇ、誤解を生むような発言は止めようね、女の子が沢山居るお店だからね」


春音「奏ちゃんのチャイナドレス見て鼻の下伸ばしてたし」


孝之「伸ばしてないから…」


春音「お姉ちゃんの方が脱いだら凄いんだよ!」


孝之「分かったからちょっと静かにして!」


春音「うう、孝くん昔はお姉ちゃんにべったりだったのに」


孝之「うん、そうだね」


春音「今の孝くんは色んな女の子にべったりだよ!」


孝之「誤解が酷すぎじゃありませんかね!?」


春音「恭子ちゃんに夏実ちゃんに冬華ちゃんに秋穂に今度は奏ちゃんに迄手を出すの!?お姉ちゃんそんなの許しません!!」


孝之「あーもー、話を聞いてよー」


暴走する春音を止める術はあるのだがこのクラスでやるわけにはいかないな。


孝之「悪かった!俺が悪かったよ春ねぇ、何でもするから許して!」


春音「じゃあキスしてS〇X子どもつくろ。そしたら許してあげます」


孝之「キスすらから許して下さい」


春音「やーだー、子ども産むまで許しません~」


孝之『どうすりゃ良いんだよ!!』


心の中で叫ぶ孝之。

誰か助けて。

渓を見ると唇を噛み血の涙を流していた。


孝之『あっ駄目だこいつは使えない』


奏を見ると生きた屍のように意識がない。

そんな意識ない奏に巴が必死になって呼び起こす。


巴「奏ぇえ!戻ってこぉおい!」


奏「……………………孝之くんと…………千歳先輩……そんな……………関係…………」


渓「やったのか!セッ〇スしたのか!?」


孝之「してないから」


春音「してないと思ってるのは孝くんだけかもよぉ」


孝之「これ以上混乱させないでくれえ!」


先ずは春音を何とかするべきだ。


孝之「分かったから!子作りでも何でもするから!」


やけっぱちになって言い放った言葉に奏が叫んだ!


奏「だっ駄目です!」


巴「奏?」


奏「そっそんな学生なのに赤ちゃんなんて絶対駄目です!」


必死になって叫ぶ奏に春音は大人の女性のように格好つけて言った。


春音「愛に学生も歳も関係ないよ。この人の子が欲しいと思ったら止まんないんだよ!」


奏「はっ!」


何かに驚いた様な顔をする奏。


春音「私は孝くんの赤ちゃんが欲しい!」


奏は半歩下がる。しかし奏もこのままでは引き下がれない。


春音「つまり孝くんはお姉ちゃんのものなの!誰にも渡さないの!」


奏「そっそんなの狡いです!わっ私も孝之くんとの赤ちゃんが欲しいです!!」


春音「むっ!」

巴「おっ!」

薙「あらー」

霧恵「うわぁ…」

孝之「へっ?」


渓「なっ………」


「「「「「「何だってぇええええ!!」」」」」」


騒然とするクラス。


「嘘だろ……嘘だと言ってくれぇえ!」

「噂は本当だったのか」

「ぬおおおおお!留萌様!あんまりです!うわああ!」


騒然となるクラスを見て奏は素に戻った。


奏「はっはれ……」


巴「あんた凄いよ……」


霧恵「まぁ、その、そこまで言うとは思わなかったと言うか……」


薙「今日はお赤飯だね!」


奏「いや!これは違うの!あっ別に産みたくない訳じゃないけど!その、あの…………ごっこめんなさぁい!」


顔を真っ赤にして逃げ去る奏、それを追いかける巴達。


春音「絶対渡さないもん」


孝之の腕をぎゅっと抱き締める春音。

孝之は茫然とただそれを眺めるだけだった。


そしてこの時に気が付くべきだった。おぞましい程の嫉妬が5組から発生していたことを、其れがブラックサンタを召喚させる条件だった事を……。










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