短編小説・オーラの色
不思議な短編小説です
一日一短編
宜しくお願いします!
私の友人にオーラの色が見える人がいる。
私はオーラなど興味がなかったので今まで聞いてみた事がなかった。
だが何かのテレビ番組を見て少し興味が沸いてきた。
オーラの色でいろんな事がわかるらしいのだ。
全く信じてはいないものの朝の占いを欠かさずに確認している私にとってはそそられるものがあった。
それと同時に私のような人間がどのような色に分類されるのが気になった。
不思議だとか変わっているとよく言われる。
何のイメージもない。
そんな例え方をされる。
悪く言えば特質もない平々凡々な棒人間。
そんな自分がどんな型にはまるのだろうか、誰よりも自分自身が気になった。
「そういえば聞いた事なかったけどさ」
友人に話してみた。
「私のオーラってどんな色なの?」
友人は口を開いた。
「もの凄く例え難い。普通はオーラの色ってパッと見て分かりやすいんだけどね。あえて言うなら…」
私はあまり聞き覚えのない色を言われ何だか釈然としなかった。
ただ、その色の名前からあまり良いイメージが出来ずにガッカリしてしまったのだった。
「あえて言うなら…玉虫色。」
私は自分でも意識せずに言葉が漏れた。
「はぃ?」
玉虫色とは光の干渉によって起こる金緑から金紫の色調変化をする染色や織色をさす。
玉虫の翅は一見したところ緑色に見えるが光を当てる角度によって色彩が変化する。
玉虫色は赤や青のように特定の色彩をさすものではなくて、刻々と変化していく色調をすべて含んだ色。
特定の色彩名を当てられないことから、どちらつかずの状態をさす言葉としても使われる。
という事らしい。
聞いてみて自分らしいと思った。
友人は笑いながら「珍しいオーラだよ、目まぐるしく変化し続けている。」と言った。
「基本的に引きこもりの私に対して変化し続けていると笑えるな。」
私は友人の言葉に対して、そう返した。
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