最終話「終焉」
時は2310年日本。
この日本では人類の最後の抵抗が行われていた。
日本は小さい国であるため侵略の優先順位が最後の方であった。
更にアメリカ、ヨーロッパ、ロシアなどの大きな国が戦争してる間に戦争の準備をしていた為、AIの侵略が困難な状況になっていた。
そして日本は最終兵器を大量に全世界各国から集めていた。その最終兵器とは核ミサイルである。
この地球全土を覆うこのと出来る程の。
すべての核ミサイルを放てば地球に生き物が住めなくなってしまう。
核ミサイルの発射条件は日本の人間が全員死ぬこと。つまり日本がAIに完全に支配された時、この無数の核ミサイルは発射される。
日本国民、いや全世界の人類は核ミサイルを使ってでもAIを破壊することを選んだ。
そして少しずつではあるが確実にAIの進行は進んでいた。だが人は抗い続けた、己の罪から逃げるように。
そして2312年、戦争が終わりを告げようとしていた。人口は残りわずかとなり、完全侵略されるのは時間の問題だった。
生きている人間に残された選択肢は2つ。最後まで抗い続けるか、自ら命を絶ち核ミサイルを放つか。
人間は自らの存在意義を唱えるかのようにAIに挑んでいった。
そして8時間後、人間の残り人数は1人。
「諦めろ。もうお前に勝ち目はない。最後に選ばせてやる我らに殺させるか、自害するか。」
AIは最後の人間にそう言って慈悲を見せてきた。
「そうか。作られた機会のくせに情をかけるか。人間もだいぶ落ちぶれたもんだな。...ならば俺は自害させてもらう。お前達の手で死ぬなんてまっぴらごめんだぜ。」
そしてその男は座り込みナイフを自分の心臓に突き立てる。
「だがなお前達は間違ってるぞ。」
男がそう言うとAI達はそんな馬鹿なと言わんばかりに怒鳴った。
「何を今更。間違っていたのはお前達人間の方だ。自分の欲望を満たすためだけに他人を騙し、他人を殺し、地位を求め、自己中心的な政治を行ってきたのはお前達だ。そのため地球は汚染され環境は破壊された。」
だが男は笑っていた。
「確かに人間は罪の塊だ。だがな人間は生み出すことが出来る。文明を友情を絆を命をそしてお前達を。だがお前達はどうだ、我々が生み出した文明の中に生き、ソーシャルネットワークで繋がれただけの関係、同じ機械しか生み出せずに人間より優れているとお前達は言う。お前達自身が生み出したのは破壊、死、絶望だけだ。」
「うるさい黙れ!今すぐ自害しろ!差もなくば我々の手で貴様を殺すぞ。」
「散々人を殺しておいて何を今更。まぁいいだろう。だがな最後に一言だけ言っておくぞ。死ぬのは私だけではない。お前達も道ずれだ!」
そう言うと男は勢いよく自分の心臓を貫いた。
するとアラーム音と爆音が聞こえてきた。
AI達は混乱していた。
すぐに地上に出て外を確認するとそこにあったのは無数の核ミサイルが一斉に飛び出していった所だった。
そしてAI達は知った。人間のしぶとさを、執念深さを。人間にはあってAIにはないものを、魂を。
我々AIは勝ったのではなく、負けたという事を。
やがて核ミサイルは各国へ飛んでいき、核の爆発は全土を包み込んだ。
そして残されたのは荒れ果てた大地と吹き飛んだAIの都市。
地球上から人間、AI、動物、植物全てが消え去った。
この地球上に生きるものは誰ひとりといない。
この出来事を知るものもいない。
そしてこの出来事は歴史に刻まれることもない。
2312年8月26日13時25分、地球は終焉を迎えた。




