↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/70

連続殺人事件2

100000アクセスになりました。

お読みいただき、ありがとうございます

 門の近くにある詰め所に辿り着いた俺たちは、チンピラ達の身柄を兵士達へ引き渡す事になった。

 手伝ってくれた町の有志諸君に感謝して、彼らはその場で解散し帰っていった。

 だが、この町の役人や兵士の一部が犯罪者と癒着し、不正をしている気配が濃厚にするので、残念ながら門に居る兵士達を信用していない。そーでもなければ、市場で騒ぎが起きているのに警邏隊が何時まで経っても駆けつけて来ないのは、どう考えても不自然じゃね。

 警邏隊の人手不足もあるのかも知れないが、それ以上に怪しさが爆発してるんだよな。

 なのでチンピラから情報を引き出す為に、俺達が尋問を行うには無理矢理ねじ込む事か、知り合いを頼るかという選択になる。迷うなー。


 「なあ、俺に見覚えのあるヤツはいないか?

 竜司っていうんだが。」

 「誰だ、お前なんぞ知らん。

 犯罪者の引渡しが済んだのなら、サッサと帰れ!」


 詰め所の中で今回の経緯の簡単な事情聴取が行われたのだが、犯罪者引渡しや事情聴取を担当した兵士がとても頭が固くて、更に用が済んだのならサッサと帰れと俺の事を邪険にしてくれるので、どうしようかと悩んでしまう。

 穏便に済ませるなら俺を知っているヤツを呼んでくれれば話しは済むのだが、正直知っている兵士の名前が思い出せない。(笑)


 だって久しぶりな上に、隊長さんとか役職名でしか記憶していない事に今更気づいたんだもの。

 俺にはこの兵舎で顔だけ知っている人が誰なのか判断がつかない。


 まあ、暴れ放題なロックドラゴンとかストームドラゴンの所為で、ディンナントの町の守備隊や門番の人達がごっそり死んでいるのも大きな理由かも知れないが。

 彼らは装備が貧弱だったから、俺が初めてディナントの町に訪れた時から今現在まで生き残っている兵士は、実に少数なのだろう。

 見知らぬ顔が増えたというのもあるかもな。新規で雇用したり、他の町からの応援で来た人達の割合の方が、元からディナントの町に居た兵士の数を遥かに大きく上回ったのだろう。

 だから俺の事を知らんよと言われても仕方の無い事だった。


 だが、どうっすっかな。

 こいつをなぎ払ってしまう事は簡単なんだが、後が面倒だ。

 正直サクサク尋問して情報を手に入れたら、チンピラは後腐れなく始末したいんだよな。

 チンピラ諸君は間違いなく、人を殺したり、誘拐に手を染めてそうだもの。

 見た目的に。

 超・独断と偏見だが、フィーリングで始末しておく事を俺は決めていた。


 「うーん、このままでは話しにならないな。

 取り合えず表に行くか。」


 この頭でっかちな兵士を相手にしていても仕方ない。

 そして知り合いに会える可能性も不明だ。

 ならある意味力押しで行こう。

 犯人を引き渡した詰め所から一旦外に出る。

 詰め所の出入り口の前には警備の兵士が二人ほど居たが、やはり見覚えが無かった。

 詰め所か10メートルほど離れてから、俺は行動を起こす事にした。

 それから大きく息を吸い込んで、両手をメガホンの替わりにして、詰め所に向かって大声で叫んだ。


 「俺は竜司だーーーーーー!!!

 この町に帰ってきたぞーーーーー!!!!」


 まさかの大声で叫ぶだけ。

 しかし、この効果は絶大だったようで、詰め所の中が騒がしくなった。それから慌ただしく何人もの兵士が飛び出してきた。

 警備の兵士が何事だと驚いていたが、直ぐに正気に戻って怒鳴ってきた。


 「うるさいぞ!!

 捕まえられたいのか!!!」


 そんな事を言って剣を鞘から抜こうとしたヤツも居たが、俺を覚えていた兵士達も数名居た様で彼らは顔を真っ青にしてこう言った。


 「バカ野郎!!

 この人はディナントの町を襲ってきたロックドラゴンを、たった二人だけで討伐したディナントの町で最強の冒険者なんだぞ。

 俺達町の守備隊や冒険者達が徒党を組んで戦ったが、返り討ちにあって全滅してしまった程の強力なモンスターを、たった二人だけで倒せるんだぞ!!

 お前は死にたいのか!!」

 「何をバカな事を言っているんだ。

 そんなの法螺に決まっているだろうが、臆病者め!!」


 うーん、やはり信用されていないね。

 取り合えずこのうるさい兵士を黙らすか、目的の人は来たみたいだし。


 「どうせそのロックドラゴンも大した事はなかったんじゃないのか?

 お前らの強さじゃあ、グレイウルフを相手にしているのがお似合・・・」


 ゴガッ


 面倒になってきたので台詞の途中で持っていたミスリル刀を鞘ごと振りかざして、顎にクリーンヒットさせる。

 ウザイ兵士は一瞬で沈黙し、気絶して倒れていった。


 「時間の無駄だ。

 俺の顔を知っているという事は、取り合えず話しを聞く気があるという事でいいんだな?」

 「ハイッ!!

 こちらの仲間が無礼なマネをして、申し訳有りません!!」

 「気にするな。

 用件は俺を知っている兵士の中で、ロックドラゴンが襲来する以前から生き残っている偉いヤツを紹介して欲しいということだ。出来れば職務に忠実で、賄賂や不正をしてなさそうな人物がいいな。

 それと、今さっき俺達が引き渡した犯罪者が居るんだが、そいつらの尋問を俺にやらせて欲しい。」

 「偉い人、ならばオスマン隊長なら竜司様もご存知かと思います。今は不在なので、後で呼び出します。

 尋問は私の判断では答えられません。

 ですので隊長をお待ちください。

 ですが、何故そのような尋問などなさるのですか?」 

 「お前らに断り無く裏道とかで拷問、いや、尋問をしても良かったんだが、人前でそんな事をするとまた悪評が立つからな。

 一応考慮して、ここまで運んできただけだ。

 後は、お前ら警邏や兵士の中に、連続殺人事件の容疑者に内通している人物がいる可能性がある。

 お前かも知れないが、その時はその時だ。

 罠があっても食い破ればいい。」


 そういって笑うと明らかに怯えた表情で俺を見る兵士達。

 まあ馴れ合いをするつもりは無いから、どうでもいいんだが。


 その後、チンピラ諸君が解放されるフラグをきっちりとへし折っておいた。

 想定通りというか、別室に捕らえられていたチンピラ達を、勝手に開放しようとした兵士が数名いたのだ。だから問答無用でそいつらの手足の骨を砕き、チンピラと同じ牢屋にぶち込んでおいた。

 その騒動を聞いて駆けつけて来た一部の兵士が俺に突っかかってこようとしたが、俺がディナントの町の英雄だと知る兵士に止められたりしていた。俺に突っかかると言う事は、同じ目に遭うという事を理解していなかったようだ。

 また勝手にチンピラ連中を開放させない様にする為と、犯罪者の内通者が居るかも知れないので、仕方なくチンピラ達の牢屋の前でお偉いさんを待つ事に。

 骨折等の怪我の痛みでチンピラ達は、「うーー」とか、「いぁーー」とか、うなされていて五月蝿いが、そんな場所で俺とウサ正宗は結構待たされるハメになった。

 


 それから一時間程経ってから、ようやくオスマン隊長なる人物がやってきた。

 カイゼル髭の様な、逆への字の髭を生やした中年のおじ様といった感じの人だった。顔には無数の傷跡があり、歴戦の勇士にも見える。

 あれ、この人にやっぱり見覚えが無い。


 「この度は我々の不始末、誠に申し訳ない。

 以後は俺の管理下で、再発防止に取り組むので、勘弁してくれないか?」

 「ああ、一連の後始末はまかせるさ。

 別に無差別に暴れるつもりはこちらも無い。

 ただ、相変わらず権力者の腐敗振りに呆れているだけだ。

 俺の要望は既に伝えたとおりだが、チンピラ達を逃がそうとした兵士達にも尋問を受けてもらおうか。

 連続殺人事件の容疑者に繋がる情報を持っているようなんでね。」


 そういうと驚いた様で、詳しく聞いてきた。

 今まで市場で得られた情報もセットで、兵士や役人の誰かが連続殺人事件の容疑者と内通して関与しているかもしれないと話しておいた。

 まあ、一部の情報に関しては俺の直感やカマをかけただけなんだが、あのチンピラ達はなにかしらの情報を持っていると思う。


 「・・・分かった。

 それなら俺の権限で許可しよう。

 直ぐに尋問を始めるのか?」

 「ああ、今日の予定を大幅に狂わされたんでね。

 サクサク片付けさせてもらう。」


 それから俺は子供には見せられない様な拷問、もとい尋問の結果、ヤツラのアジトの情報や兄貴なる人物の情報を手に入れた。

 どうやらその兄貴なる人物が目的の連続殺人の犯人の様だ。

 兄貴なる人物の圧倒的な武力を背景に、散々好き勝手やっていたのがこの連中だったようだ。

 そしてチンピラ諸君の罪状も判明した。

 やはり恐喝だけでなく、誘拐から殺人まで手広くやっていた様だ。

 俺が懇切丁寧に手の指を一本一本関節の曲がらない方向に力を入れ続けて、ボキッと音が鳴るまで曲げてあげただけで、それはもうベロベロ情報を吐いてくれた。

 腕が切断されて手が無ければ、足の指で代用して爪を剥がして、クギを指に刺してあげた。

 後には指が様々な方向に折れ曲がり、涙と色々な物を垂れ流しにしがら許しをこうチンピラ君達が残るのみになった。

 ちなみに早めに情報を吐いた人は一度開放されるが、嘘の情報を流す可能性がある為に、別室にて入念な拷問を受ける事になる。

 どちらにしても両手が二度と使えないじゃないと思われるくらいに変形させた。


 その様子を見せ付けられた監視の為に尋問に立ち会っていた兵士達はドン引きしていた。そしてチンピラを逃がそうとした兵士達は自分達もああなると思わされた為に、早い段階で情報をゲロッてくれた。まあ、既に十分に手足を折ってあげていたから、彼らの刑は多少は温めになったが。

 ちなみにチンピラを逃がそうとした兵士達は、とある犯罪組織の一員であったようだ。このディナントの町の警邏や守備隊の大多数が一斉に死んでしまったから、その穴埋めとして雇われた者だったらしい。人手不足解消の為、兵士の審査基準が甘くなった隙を突かれたようだ。


 一連の拷問の様子、その一部始終を見せられた隊長さんは、表情を変えないように必死にポーカーフェイスを保っていたが、恐怖に歪んだ口元だけは隠せないようだった。


 そして、俺達が居ないところでポツリとこういったそうだ。


 「あれが皆殺し(ジェノサイダー)と呼ばれる冒険者の本性か。

 あれだけは敵に回したくないな・・・」


 それを聞いていた平兵士は、全力で頭を縦に振っていたそうな。




 詰め所から外に出ると辺りは暗くなっていた。

 既に時刻は夕方を過ぎて、夜中になっていた様だ。

 情報を得るのに時間が随分とかかったな。

 それからその尋問で得られた情報を元にして、アジトに強襲をかける事にした。

 見られると面倒なので、一度親方の工房に帰還して、瞬時装着で安定のシルバーナイト装備を身につけての出陣である。


 社会勉強の一環として、隠れ里の六人も連れて行くか迷ったが、今回は見送った。

 人間の悪い所ばかりを見せても仕方ないという理由もあったが、今回は特に危険度が高そうなので、またの機会になったのだ。手頃な犯罪者が居れば同行させる予定だ。


 オスマン隊長とその配下の三十名もの隊員が、俺達の遥か後方で分散して道を封鎖して待機している。

 尋問で得られた情報は彼らも知っていたから、俺らだけに任しておけないと言われた。

 なので、後方待機なら許可してやった。彼らには、万が一逃走した犯人が居たら確保するのが仕事である。

 事実上俺らだけでこのアジトを殲滅する予定だ。

 正直一緒にアジトに突入しても、唯の平兵士では足手まといにしかならない。

 だから、戦力は俺とウサ正宗だけである。


 今回突入する犯罪者のアジトは、二階建ての廃墟だ。

 ただ、規模がデカイ。

 学校の体育館二個分くらいは余裕である広さだ。

 元が貴族の屋敷だったという話しだから納得である。今ではあちらこちらが崩れていて、雨漏りが酷そうな廃墟になっている。

 そんな大きな廃墟が未だに残っているのは、ストームドラゴンの襲撃の影響がまだあるからだという。

 元の所有者は一族全員がモンスターの襲撃で命を落としている為、所有者不在の建物だとか。

 そういう場合の建物の所有権は領主の下に返還されるのだが、ゴタゴタで未だに手付かずの区間がまだこのディナントの町には沢山あるんだとか。


 「じゃあ、ウサ正宗。

 準備はいいか?」

 「はい、ご主人様。

 こちらは大丈夫です。」

 「それじゃ、ミッションスタートと行こうか。」


 そしてアジトの中にウサ正宗は静かに潜入していった。

 小柄なラビッター族だから出来る、建物の隙間からの潜入である。

 人質の確認と逃走ルートに爆弾の設置などがウサ正宗の役割である。

 最悪、人質の命よりも自分の命を優先するように言ってある。

 見知らぬ他人の命よりも、大切な一人の人の命の方が遥かに重いと俺は思っている。

 だからなるべく助けられるなら助けるが、優先順位として自分達の命が優先である。


 金属鎧はガチャガチャ音が立つので、俺は時間を置いてから堂々と正面突破で行く予定だ。

 合図は特に無い。

 連絡用のアイテムは無いから、緊急事態の時だけ、特殊な音爆弾を使う様に指示してある。


 そして突入の時間が来るのを、静かにその場で待っていた。





 次回か次々回あたりに、そろそろステータスを出したい。

 ストームドラゴン二頭の経験値でレベルが上がったが待機状態。レベル上げをしたい。


 そして、何故かディナントの町ではほのぼのした様子がまるで無い。

 そういう町なんです。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。