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後始末と宿

読んでいただきありがとうございます

 遠巻きに戦闘のやりとりを見ていた周囲の町の人々は呆然としていた。

 俺も唖然としていた。


 このままここに居ても仕方ないので倒れて動けずに居る雑魚四人が所持していた武器を取り上げる。

 四人とも意識がないのでどうしようかと考える。パッと見、致命傷は無さそうだが、鎧が凹んだのは確実にアバラ骨が折れてるだろ。

 一旦ギルドに戻りこのアホどもをどーするか尋ねる事に。

 

 「どうも、先ほど冒険者に襲われたんで返り討ちにしたんだが、どうすればいい?」

 「えっ、本当ですか?相方のウサ正宗ちゃんは無事だったんですか?」

 「ああ、無事だ。むしろかすり傷さえないよ。」

 「よかったー、ギルドは冒険者同士の争いには介入しないと決まっていますので、気になるようでしたら、町の警備隊にお願いしてください。」

  

 一応外に放置しておくのどうかと思ったので、ギルドの中に運んでおく。

 非力な俺には金属鎧のごつい冒険者を運ぶのはなかなかの運動だ。

 見かねた町の人や冒険者が手伝ってくれた。

 どーもどーも。

 

 門に行きギルドのステータスカードを提示してお金を返却してもらい、冒険者に襲われたと説明。

 数名の詰め所にいた兵士と一緒にギルドに戻り、四人は詰め所に連行される。

 ラビッター族を狙ったのは周囲に居た結構な人数が目撃していたので簡単な事情聴取を受けて終了。詰め所の水晶で調べると他にも余罪があり犯罪奴隷になるとの事。

 報奨金として金貨4枚と装備品が手に入った。

 奴隷あんのか、こえーー。

 

 このイベントに時間を取られだいぶ暗くなって来たので、その後は宿へ向かう。

 何事も無くギルドのおっさんお勧めの<竜の息吹亭>に到着する。


 「いらっしゃいま、せ?お食事ですか」

 「ああ、食事もだが、泊まりでお願いしたい。とりあえず一泊二名で。」


 一階は酒場の様だ。

 宿のウェイトレスは俺を見てから隣のウサ正宗を視認して、一瞬固まった。


 「では、二人一部屋でよろしいですか?小銀貨六枚になります。夜と朝のお食事は宿泊の方は料金に含まれていますので。」

 「それでお願いするよ。食事は室内で取れるか?」

 「はい、では料理は出来上がりましたら部屋におもちします。こちらが部屋の鍵になってます。

 部屋は二階の206号室になりますね。」

 「後、当宿にはお風呂があります。入浴の際には男性と女性に分かれていますので気をつけてください。ご利用の際は使用中の札を下げて長湯は遠慮してくださいね。」

 

 喋っている間もウサ正宗に視線がロックオンしたままだ。

 お金を支払い、鍵を渡すときにウサ正宗の頭をなでなでしていく。

 何もいわずウサ耳がペタンと萎れていた。


 二階に移動して206号室を探すと一番奥の様だ。

 鍵を開けると六畳程度の広さにベットが二つあり、机が設置されている。

 広くはないが二人ならば十分の広さだ。

 鞄や四人組から手に入れた武具を置き一息つく。

 四人分全員のは一度にもって来れなかったので武器のみでも結構な重さである。

 後でPDSに突っ込もう。

 くつろいでいると扉をノックされる。


 「お食事をお持ちしましたー。食器は後で一階に持ってきてください。」


 先ほどのウェイトレスが食事を持ってきたので食事を受け取る。

 パンとポトフっぽい野菜のスープと何かの肉のステーキがデンっと乗っている。

 ウサ正宗の方にはそれに加えてスティックサラダになったニンジンが付いている。


 「サービスですよ。私、この宿屋の娘でミリーっていいます。この子はなんていうんですか?」

 「こいつはウサ正宗って名前だ。ちなみに俺は竜司だ。」

 「初めまして、ラビッター族のウサ正宗といいます。」


 ピョコンと耳を立てながらお辞儀をするウサギ。


 「かわいいーーー!!お持ち帰りしていいですか?」

 「宿屋の娘だろ?どこに誘拐する気だ?」


 ウサ正宗に抱きつくミリーにツッコミをいれると、ごほんっとワザとらしくセキをしてごまかす。

 それに誘拐したらマジ犯人の方が心配になるがな。

 その後ウサ正宗に抱き付きながら手をにぎにぎしたり頭なでたりして去っていった。


 「とりあえず食事にするか。」

 「そうですね。」


 ミリーの事は無かった事にして食事を取る。

 肉は何の肉か謎だが柔らかくおいしかった。スープもまあまあ。パンは固かったのでスープに浸して食べた。

 食事が終わり食器を返し風呂に向かう。

 風呂には特に使用中の表示もなかったのでそのまま入る。

 適当に体を洗い、湯船につかる。


 風呂上りに水を飲んでぷはーとする。

 冷えた牛乳じゃないのがいただけないが仕方ない。

 部屋に戻るとウサ正宗がやってきて。


 「不特定多数の他人が聞いている場では説明出来なかった職業の説明等をしたいのですが、よろしいでしょうか。」

 「おお、後で説明するっていわれたやつね。ステータスカードの職業だっけ?基本的に表示されなくて自称なんだって?」 

 「まずは私のステータスカードとご主人様のステータスカードを比べてみましょう。」

 「じゃあステータスオープン。」


 

 名前:鏡竜司

 職業:武具マイスター

 レベル:2

 体力:54

 魔力:20

 SP:30

 筋力:8

 俊敏力:7

 精神:32

 知力:95

 器用さ:13

 スキル:特殊アイテムボックス、特殊アイテム作成、ラビッター族召喚、鑑定

 称号:異世界の来訪者



 名前:ウサ正宗

 職業:オトモ

 レベル:71

 体力:374

 魔力:132

 SP:405

 筋力:96

 俊敏力:329

 精神:125

 知力:133

 器用さ:187

 スキル:俊足8、双剣術8、体術7、隠密6、危険感知6、気配察知5、料理3

 称号:最速のラビッター、地竜の討伐者


 ウサ正宗強っっ。

 ステータスカードをみて強さの違いに愕然とする。ステータスの数字的には何一つとして俺の能力は及ばないんだが。職業オトモってまるで主従逆転だ。俺が付いていっている状態か。

 ショックを受けつつ、説明が始まる。

 

 職業とは高いレベルの冒険者や騎士等が極稀に獲得する事が出来るものだとか。

 その職業を得ると強力な固有スキル等が手に入るらしい。

 俺の場合は例外としても、特殊アイテムボックス、特殊アイテム作成、ラビッター族召喚、鑑定などがある。ウサ正宗も鑑定以外見たことが無いそうな。

 ウサ正宗の職業オトモは種族固有のもので俊足と危険感知が付くとのこと。


 称号については何故つくのかその人の行動によって称号も変わるらしい。

 最速のラビッターは一族でもっとも早いので何時の間にかついていたとのことで、もうひとつの地竜の討伐者はどうしても戦わなくてはいけなくて倒したら付いたとのこと。

 お前の方が主人公みたいじゃん。

 ウサ正宗がウサ耳だけ残して恐竜に丸かじりされているのをイメージしていたのはかなり間違いで、実際は恐竜を狩っている側だったんですね、はい。

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