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テンプレ

 なんだかまるで能力的に低すぎて、戦闘職じゃないんじゃね?

 あれ、ステータスカードよ、俺の自称剣士は何処へ。

 と思いつつ、ウサ正宗に聞いてみるとステータスカードの表示に職業というカテゴリーは基本的に無いそうな。ステータスカードの職業等については後で説明するといわれる。

 個人がもっとも得意とする得物を指してランサーとか弓術師とかを自称するのが普通との事。

 なにー、詐称しまくりじゃないか。

 と思っていたら、スキルの一覧に剣術や槍術等のスキルが表記され、それの数字が高いほど強くなるので詐称というものはあまりないらしい。


 ちなみに俺に戦闘スキルは無い!!

 自慢にならんなー。


 「モンスターの素材を買い取りはしていますか。」

 「剥ぎ取り素材は一番端のカウンターになります。」

 「ありがとうございます。」


 ウサ正宗が対応してくれるから隣で見てるだけ状態の俺。

 

 「モンスターの素材を買い取ってもらえますか。」

 「おう、モンスターの素材だな、机に出してくれ。」


 買い取りカウンターのちょい厳ついおっさんがそういった。

 町に入る前にあらかじめ用意しておいた背中のリュックから、オオツノ鹿のツノと毛皮を取り出す。

 まだ大量に残っている肉はリュックが汚れるのが嫌だったのでPDSの中のままだ。


 「オオツノ鹿か、角にダメージや傷もあまりないな。これはプラス査定だ。毛皮は剥ぎ取りが雑な為少し値段を引かせてもらおう。合計4500Gだ。」

 

 特に異論もないので換金してもらう。小銀貨4枚と鉄貨5枚を受け取りポケットにしまう。


 「ここら辺でお勧めの宿はありませんか?」

 「それならギルドを出て右手方向に進み、五分ほどのところにある<竜の息吹亭>がお勧めだ。」

 

 「この後はどうする?」

 「どのような依頼があるのか掲示板を確認しましょう。」

 「Fランクの依頼は採集や町の中での雑用が多いんだな。」


 依頼の掲示板を確認すると薬草採取やキノコ採集、町の中での運搬や清掃活動等様々な依頼があった。討伐クエストはあまり無い様だ。

 

 「どの依頼を受けるべきだ?」

 「まずは薬草採取ですね、薬草の有無がモンスターとの戦いでは生命線になる時もあるといえるのでどこでとれるのか、どうやって採取するのか等も含めて一度は受注した方がいいでしょう。」

 「オーケイ、んじゃ明日依頼を受けに来るか。」


 ギルドを出るときもやはりウサ正宗に視線が集まっている。そのせいかウサ耳がピコピコ前後に動く。俺にも微妙に敵意や嫉妬的な視線が混じる。

 冒険者だけで無く受付嬢も羨ましそうな視線を送ってきているし。

 まずはギルドカードが手に入ったので門番のところに行き返金してもらわねば。

 ギルドから出て直ぐのところで


 「おいっ、待ちやがれ!」


 剣や槍で武装した冒険者らしき四人組の男たちが声をかけて来た。


 「俺たちに何か用か?」

 「貴様が連れたラビッター族を俺らに寄越せ。」


 なんというテンプレ。

 ギルドに行くと絡まれるとはありがち過ぎない?


 「断るといったら。」

 「へへっ、そりゃ譲ってくださいというまで俺たちが可愛がってやるよ。」

 「なんつーお約束な。」


 武器を抜いて見せびらかして、にやにやと薄笑いを浮かべながら余裕の表情だ。


 「ウサ正宗、どーする?」

 「この場は私におまかせを。直ぐに片付けますので。」

 「はっはっはっはっはっ、ラビッター族の分際で俺らに勝てるとでも思ってるのか?」

 「では失礼して。」


 棒立ちに近い状態でにやにや笑っている槍をもった赤髪の男に、目に止まらぬ速さで一瞬で間合いを詰めると、右足にウサギ足キックが炸裂した。

 更に相手が崩れ落ちたと同時にあごにムーンサルトのような華麗な一回転蹴りをかまし追撃をかける。

 着地とともにすべるように移動すると、剣を持ったロン毛金髪男の胴体側面にドロップキックを叩き込む。相手は金属の鎧を着こんでいたが鎧ごと凹んでいる。

 ドロップキックから手を使いバク転の要領で綺麗に体勢を整えるウサ正宗。


 「がはっ!!」

 「ななっ!!!」


 二、三秒の出来事である。

 

 「なんだこいつ、とんでもなく早いぞ。」

 「ガンツとゲイリーがやられた?あいつらCランクだぞ。」


 ぐだぐだ相手が何か言っているが気にせず、ウサ正宗は残る二人にジグザグに接近して間合いを詰める。

 先に「早いぞ。」と叫んでいたスキンヘッド男が正気に戻り、剣を構えなおすが、既に男の懐にまで接近していたため、剣を振る事も出来ずに股間を蹴り上げられ、悶絶する。

 悶絶して隙だらけの所を追い討ちの膝蹴りを、相手の鼻と口の間にある人中という急所に叩き込む。

 鼻血を撒き散らしながらぶっ倒れるスキンヘッド。


 ひえー、容赦無いなー。

 そしてとんでもなく動きが早い。


 「くそ、なんだこいつは。ラビッター族は弱いんじゃなかったのか。」


 そういいながら闇雲にウサ正宗に突っ込んでこようとせずに、逃げだそうとしたが速攻で追いつかれてボコボコにされる。


 うーん、なんていうかこいつらが弱いのかウサ正宗が強すぎなのかどっちなんだ?

 でも、とりあえずスピードはとんでもなったな。

 オオツノ鹿なんて目じゃねーって感じ。


無双回。

ウサギつえええ状態。

初めにやられた二人はCランクとしては中の下程度の強さです。

残る名前も無き二人はDランクのため、勝ち目が無いと悟り最後の一人は逃走しようとしました。

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