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初戦闘とオオツノ鹿

 早速敵を探す事になった。


 「どうやらここから三キロ程行った辺りに手ごろな相手がいますね。」

 「じゃあそこに向かおう。」


 普段着のジージャンに着替えて靴に履き替え、使わない荷物をPDSにまとめて収納。

 俺的に要らない子扱いだった盾は背中に背負い、剣は横向きで鞘ごと腰に固定し歩き出す。

 

 一般人が歩く速度は時速4キロなんだそうな。普段歩き慣れたアスファルトではなく、地面が草地であるからまったく同じとは言えないが。

 だいたい一時間かけてテクテク歩いていたが


 「ここで止まってください。」

 「どうした?」

 「前方にいるのが目標になります。」


 目を凝らしてみるとかなり先にオオツノ鹿がいた。

 五頭程の小規模の群れだ。


 「注意事項や作戦はあるのか?」

 「チュートリアルの一環なのでお手伝いは出来ませんが簡単なアドバイスを。

 オオツノ鹿は臆病で直ぐに逃げ出してしまうので気づかれない様に接近して奇襲をしかけましょう。オオツノの反撃には気をつけて下さい。」

 「オーケー。やってみるよ。」


 まだかなり距離があるが慎重に体を低く屈めながら歩き出す。

 ある程度距離が縮まったところで片手剣「タスクブレード」のみ音をたてぬ様に抜刀する。

 そろそろ気ずかれずに近づくのも限界かなと思っていたら向こうも首をキョロキョロさせて警戒しだした。

 狙いは一番近いやつに決め、そこからは全力で走りだす。

 相手もこちらに気づき、逃げようとするが既に剣の間合いに入っていた。


 「でりゃゃゃーー!!」


 気合とともに剣を振り下ろすが相手に当たった瞬間にオオツノ鹿の胴体にめり込む


 「キョン!!」


 不思議な泣き声とともに息絶えた。

 相手が逃げ腰だった為に楽に狩れたが、最後にツノを振り回された為に腕に怪我をした。

 血の臭いが濃くなかなかグロい。


 他のオオツノ鹿は逃げ出してしまい、既にかなり遠くだ。


 「討伐おめでとうございます。おや、怪我をされていますね。この程度なら回復薬はもったいないですが、試しに使ってみましょう。」


 PDSを操作してアイテム一覧から回復薬を選択、取り出す。

 飲むと直ぐに傷が塞がった。

 マジでファンタジー。


 「オオツノ鹿は体力もそこそこあるはずですが、一撃でしたね。ただ。」


 オオツノ鹿には先ほど斬り付けた剣が文字通りめり込んだままだ。


 「まずは血抜きをして場所を移動しましょう。このままでは他のモンスターも血の臭いに誘われて集まってきてしまいます。」


 ウサ正宗はそういうと剣を胴体から抜き出し、近くの木に紐でオオツノ鹿をぶら下げて血抜きをする。

 血抜きが済んだオオツノ鹿はPDSに仕舞う。

 そしてこの場を離れた。


 「今回の戦いでの反省と食事の準備をします。」

 「オオツノ鹿は結構簡単に狩れたな。」

 「ですが、反省すべき点もあります。

 剣がオオツノ鹿の胴体にめり込んで抜けなくなってしまったでしょう?あれは剣の刃筋が通っていない為、縦に切り下ろしたのに斜めに斬れた。しかも骨を絶つ事が出来なかったので途中で止まり、抜けなくなったのです。

 特に軽い刃物は刃筋が通っていないと重さで叩き切る武器とは違い、ダメージになり辛いのですが、使った武器が高性能のために中途半端に斬れてしまったようです。

 本来であれば武器を失い大きな隙になりかねないので注意が必要です。」

 「確かにあの場で二頭目がこちらに襲い掛かってきたら不味かったかもな。」


 PDSから先ほどのオオツノ鹿を取り出した。

 俺はウサ正宗の指導の下、悪戦苦闘しながら部位ごとに切り分け、肉焼きセットで火にかけて炙っている。

 適度に焼けた肉をウサ正宗とともに頬張る。

 ウサギって草食だが肉も食えるんか?

 そんな疑問が脳を掠めたが気にしない。

 初めて食べたオオツノ鹿は、勝利と苦労の為か塩だけの味付けではあったがなかなか旨かった。

 

主人公は初心者なので刃物を振り回すことは出来ても刃筋を通す事は不可能です。

速度さえあればある程度の物を切断することは出来ても、自分の足や体を斬りかねないので生き物を切るというのは難しい事なのです。という説明回になりました

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