凛との出会い(萩サイド)
わたくしと凛様の出会いは・・・本当にびっくり致しました。あの、あの鷹明様と令が慌てて屋敷に帰って来られました。それだけではなく鷹明様が女の方を抱えているではありませぬか!
鷹明様のご指示通り寝具の用意を致しまして女の方を休ませました。
わたくしは長年、生きておりますが、このような女の方を見たことはございませぬ。
何と言いましょうか、髪は肩ほどで・・・髪の色と申しましょうか黒ではございませんでした。
思わず「鬼」という言葉が頭を巡りました。でも、鷹明様が大事そうに抱えていらっしゃるので「鬼ではない!」と確信致しました。凛様は変わった着物を着てらっしゃって・・・
そして、鷹明様はわたくしに「この事は誰にも言うでない。」ときつく申されました。
翌朝、わたくしは凛様のお部屋に参りましてお声をかけさせて頂きました。
「どうぞ・・」と。まぁ~~なんとお可愛らしいお声でございましょうか!
昨日、凛様を少なからず「鬼」などと思った事が恥ずかしゅうございます。
あれから一ヶ月が過ぎましたが本当に凛様は昔からずっとこの屋敷に居られるような錯覚をしてしまいます。
それにあの、あの鷹明様が(ホホホ・・)凛様だけに「喜怒哀楽」を表現されます。
もしかして・・・・いいえ、わたくしの口からはとても言えませぬ。
あの方、凛様は本当に月から来られたのではないでしょうか。
わたくしどもには考えも依らぬ事を考えていらっしゃるようで。
そうそう、あの「あんどん」なるものを作られた時はびっくりしてしまいました。
凛様は「ローソク、ローソク」とおっゃってわたくしのところへ来られました。
はて?何に使われるのか?と思い箱から出したところ「捨てる物でいいのよ」と。
わたくしは捨てるために置いてあったローソクを差し出したとこと「これ!これが欲しかったの~~」と満面の笑みで受け取られました。
そして「これがリサイクルなのよね~~」と聞いたこともないお言葉を仰いながらいつものように廊下を走っていかれました。
時々、わたくしどもにはわからないお言葉を仰いますが凛様の笑顔を拝見させて頂くことが今のわたくしの幸せに存じます。
本当に、凛様は月から来られた「かぐや姫様」ではないかと確信しております。
この事は内緒でございますよ。
さあ、今日はどのような事を仰られるのかドキドキしております。
萩が初めて凛と出会った時の事です。萩さんはかなりの衝撃だったでしょうね!