表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/58

観月会の歌の練習にて。

私の記憶も戻りました。大変皆さまにはご心配とご迷惑をお掛けした事だと思います。


そして、私はうら憶えなのですが、咲ちゃんに「この庭で観月会がしたい」と言っていたそうなんです。この私が言いだしっぺだそうです。

そして、今度の満月の夜に行われる事が決定しました。

観月会ってどのような事をするのでしょうか?まさか!まさかの歌読みがあるのではないか?

また、鷹くんに怒られながらの特訓が始まりそうです。おまけに、友くんには再三、笑われそうな気もします。ホント!この世界って、かなりめんどくさい。


「凛。観月会は康紀の屋敷で行われる。前、康紀の屋敷の庭でおまえは言っていたそうだな。」


「・・・・・言ったような記憶がある?」


「おまえが言い出した事だから、歌をしっかり勉強をしとけ!」


やっぱり!!歌です。このような事なら、あの時、言わなければよかった。つい、つるっと口が滑ったばっかりに。私は自分のお口が憎い!

そう言う訳で勉強しています。

観月会=満月=灯=鴨 

私の頭の中でこの四つの言葉を組み込みます。出来るかどうかは不安いっぱい。


観月会ねぇ~~~~ お月見みたいなもの?

鷹くんには聞けませんよ。また、「おまえは馬鹿か!」と言われるのがおち。

私は屋敷の中を歩いて誰かに聞こうと思っていました。

まぁ、偶然にも武さんが仕事をされているではありませんか!私が迷惑を掛けたお詫びも兼ねて武さんに近づいたら・・・・・何ですか??武さんは私の顔を見るなりイソイソと何処かへ行っておしまいになられましたよ。感じわる!!それに、屋敷の皆さん、やはり、武さんと一緒で皆さんは、まるで私から逃げておしまいになられます。もう~~!どう言うことよ~~~!!

だから仕方が無いから独りで考える事にしました。


「月あらば ・・・・・」「月が出る・・・・」「月見の・・・・」「お月見・・・・」

考えられないです。まったく!

そこへ、鷹くんが私の勉強を見にきたようです。


「凛。どうだ。出来ているのか?」


「まったく、ムリ!何も浮ばん。・・・ねぇ!どうしてこの世界の人って何でも歌を読みたがるの?」


「この世界では歌は当たり前なのだ。歌が読めない者などおらんわ!」


私には理解できません。きっと鷹くんも私が理解出来ないのでしょうね。

でも、根気良く私の事を馬鹿だ~馬鹿だ~と言ってるくせに、見に来てくれるのはどうして?

私はその事に疑問を持っているんだけどね。聞いたらきっと「俺が恥を掻く」と言われそう。

それに、鷹くんってさ、男前だし、さり気ない優しさっていうの?私の事を気に掛けてくれているみたいだし。もしかして、私の事が好きなのかなぁ?

まさか、そんな訳がないわよね。でも、鷹くんって彼女もいないみたい?だし。宮中でもかなりモテルほうだと思うし。いつか、友くんか康くんに聞かなくっちゃ。

そんなことより練習!練習!


「秋の月 我 思い出す 京の鵜飼いを」

全然面白い歌ではないし。それに、鵜飼いって見に行った事もないし。


私には月と言えば餡子の月見団子とウサギの餅つき。

春の歌会より難しい。

まぁ、月見をして自分に正直に思う事しか浮ばんわ。

「月を見て 月見団子を食す我 うれしや」


「秋の夜長に 我思う 明日は何をしようぞや」


「アッ!ハハハハ・・・・・!凛!おまえは食べる事か自分の欲望ばかりだな!」


「・・・・・!だって、思い浮ばないんだもん!それにしても鷹くん!人の歌を聞いているなんてヒドイじゃありませんか!!」


「いいや。おまえが頑張っているなぁ。と感心していたのだ。まぁ、観月会は楽しみにしておる故。但し!俺に恥を掻かせるな!分かったな!!凛!」


「はい。はい。何とかしますよ!ご主人さま。」


本領を発揮したクソご主人様は笑って向こうに行きましたよ。

正直言って、私は自信がございません。

まぁ、観月会では、その場の雰囲気でなんとかなるでしょう。

今のところ、簡単に思っている私がチラホラ見え隠れしています。

まぁ、「当たって砕けろ」というものなのでしょうかね~~~~



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ