旦那さまの独り事。
凛があのように以前の事をすべて忘れてしまっている。
いつまで俺は凛と夫婦を演じなければならないのだろう。多分、凛が以前の事を思い出すまでだろう。
だが、凛があのようになってから半月が過ぎた。屋敷の者達からは凛の事を「北の方様」俺の事を「旦那様」と呼ぶ。そして、萩、華。そして屋敷の者達も我らがまるで本当の夫婦のように思い込んでいる。そして、凛はある日、とんでもない事を言った!俺には予想も出来ない事をだ!
「旦那さま。こっちで宜しいのですか?私はこっち側ですか?」
「そうだ。そこで休め。」
「はい。では、お休みなさいませ。」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「アッ!旦那さま、明日、起きられる時は私も一緒に起こして下さいね。お願いします。」
「・・・・・分かった。・・・・」
何故、俺が凛を起こさなければならないのか!凛にこのような事を吹き込んだのは萩。
いったい、萩は何を企んでいるのだ?
それにしても凛は俺と婚儀をしていると思い込んでいるが、もし、もしも以前の事を思い出したら・・・きっと、凛のことだ。俺に「なんで~~!」とか言って食って掛かってこられそうだしな。
凛に「旦那様」と呼ばれることも未だに慣れない。
「凛。・・・・凛。・・」
ウソだろう!!もう、眠っているではないか!初めて男の部屋でよく眠れるものだ。
俺は気になって眠れん!眠れそうもない!・・・・
どうしようか?このまま起きていた方がいいのか?だが、俺は明日も仕事だあるし。寝むらなかったら仕事にひびく。それに明日、凛が目を覚ました時、俺が傍にいなかったら凛のことだ。「どうして、私の傍で休まれなかったのですか?」と追求される。俺は、いったいどうしら良いのか?
夜が明ける。結局、俺は眠ることが出来なかった。
俺は凛を起こした。
「凛。起きろ。朝だ。・・・・凛。」
「おはようございます。旦那さま?」
「おはよう。」
「旦那さま。昨日は私、よく眠れました。(ニッコリ)」
「・・・・・そうか。」
凛は何事も無く、良く眠れたそうだ。それに引き換え俺は寝ていない。
俺はいったい、どうなったのだ?
そして、萩。俺の顔を見ると、何故だか笑顔だ。
「鷹明さま。昨日はよくお休みになられましたでしょうか?」
よくお休みだと!俺は凛のお蔭で一睡も出来なんだわ!!
この状態で宮中に行くのは気が重い。休みたいが、休むほうが凛がよく口にしている「ストレス」なるものが溜まりそうだ!
ハァー・・・・何時まで続くのであろうか。この状態が!
「北の方様。おはようございます。昨夜は良く眠られましたでしょうか?」
「萩さん。おはよう。(ニコニコ)はい!とても良く眠りました!」
まぁ~~~!!鷹明様!ついに、ついに凛様と・・・・・・
萩は嬉しゅうございます。
今夜は祝い膳ですわ~~~~~!!




