歌会後。男3人、内緒話し。
歌会から数日後に俺は友親、康紀と出会う時があった。
咲子殿の事がある故、宮中では立ち話しは出来ない。
友親の提案で二日後に友親の別荘で三人が集まる事になった。
「鷹明、先日は世話になった。礼を言うぞ。」
「私からも礼を言う。」
「咲子殿と楓殿が凛に会いたいと申されたから、ああいう席を設けたまでだ。」
「どうだ?その後の咲子殿と楓殿は。」
鷹明、聞いてくれ!
あの歌会から、楓は益々「お姉さま」一色だ!凛殿が何やら我々の知らない言葉で歌を読まれた内容は男の俺には、よく分からん。それを楓に言ったら楓の奴「もうー!友親さま!どうして分からないのでございますか!お姉さまのお気持ちがすごく手に取るように分かりますものを!それに、お姉さまが言っておられた『女心』が全く理解出来ないのでございますね。信じられません!」と、言われたぞ。
俺は「可憐で控えめな」楓か?と疑う。
そして、凛殿が読んだ「我丸くなる」というのはどんな状態のことだ!
楓に聞いたところ「そのような事はお姉さまでないと分かりません」と言う。
寒いと丸くなるのか?まるで、猫のようだ。
友親。「丸くなる」という言葉が理解できたのではないのか?
おまえが読んだ「春の猫」と。俺はてっきり分かっているのだ思っておったぞ。
咲子殿が読んだ「佐保姫」というのは誰の事だ?
・・・・・まさか、凛。凛のことであるのか?康紀。
咲子が言っていたぞ。「凛様は本当に女神さまのようなお方。」と。
しかし、俺は「女神さま」というのが分からん!「菩薩」の事であろうか?
康紀、おまえの奥方であろうが!聞いたのか?「女神さま」というのを。
聞きたいのだが・・・・・まるで俺は「何も知らず。」と言っているようなものだ。
そのような事は言えん!
歌会の後、凛に聞かれた。皆に最後に読んでもらった歌だ。
凛は全く分からず。「これ、何ていう意味?」「こんな意味があるの。知らなかったわ。」だと。
しかし、凛殿は真っ直ぐな方だから、知らない事は知らない。と言えるのであろう。
康紀、「真っ直ぐ」と言うが・・・それは「我を通す」というものだぞ。
毎日、凛と暮してみろ、毎日が騒がしい。それに大変だ!ここの常識っていうものが理解できないらしい。
いつも、萩と話しているのだが。萩は凛が「月の姫」だと思い込んで何事も「凛様の仰る事は月の世界の常識でございましょう。」と言って聞かん。
楓だってそうだ!凛殿の言う事が一番正しいと思い込んでいる。
俺のいう事なんか・・・何でも「お姉さまにお聞きします。」と言う。
俺が主人だぞ!!なんか、馬鹿にされているようだ。
友親、おまえだけではない。咲子だって「凛様。凛様」だ!おまけに「凛様がご存知であれば良いのです。」だと!いったい私は何なんだ!
友親、康紀・・・・今、一番身近にいる俺はどうなる?毎日毎日、叱ってばかりだ!
おかげで俺の眉間には「縦シワ」が・・・・・そして、それを見た凛は「ターくん、眉間にシワが寄ってるよ。何、苦労してんの?」だ!俺は腹が立つやらで「おまえのせいだ!」と言ってやった。
ところで、鷹明、凛殿の事をどう思っているのだ?気にはなっているんだろう?
私も聞きたい!咲子にも聞かれてるしな。
「・・・・・・別に・・・・・」
「まことか~~~~~??」
「何故、二人してそんな事を言うのだ!」
「べつに~~~~(ニヤニヤ)
「康紀も「咲子、咲子」って幸せボケをしておるぞ。」
「そうだ!康則!おまえ咲子殿が怖いのか?」
「・・・・怖くはないが。しかし、咲子の目で睨まれると・・・・怖い。」
「・・・・そうだな!咲子殿の目で睨まれでもしてみろ、この俺でも何も言えなくなるだろうな。」
「友親。楓殿でよかったな。」
『それにしても、我ら三人、とんでもない姫を者にしたものだ!』
俺はまだ一人者だ!
「そうか~~そのうち・・・・・」
「友親、康紀。何が言いたい!」
「何も」(友親。康則)
「また、我ら三人でこのような場を設けようぞ。」
「ところで、凛殿が最後に読んだ歌で『のーだか、さーとかきーとか』言っていただろう。あれは日本語か?俺は初めて聞く言葉だ!何語なんだ?・・・もしや、凛殿は月の姫かもしれん!」
「馬鹿か!友親!」
男3人集まっても女と同じですね。
我らは違う。これは「歌会」の反省会なるものだ!(鷹明。友親。康則)




