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顔会わせです。

夜が明けました。今日は歌会です。

結局、私は徹夜は出来ませんでした。

なぜなら、徹夜は美容の敵。頭の回転不足でしょう。

今日のお客様の女性は若いお方が2人。決して張り合うつもりはありません。一応。

今はもう「どうにかなるさ!」


お客様は昼前にお見えです。

朝から、お屋敷の皆さんはバタバタされています。

そして、萩さんが「凛様、早く御仕度を致しましょう。」って事で初めて着飾って頂きました。

私の見間違いなのでしょうか?萩さん、何故か、楽しそう&嬉しそうな感じ。

そして、お化粧までして頂きました。今、思うのですが「昨日、熟睡しておいて良かった」です。

やはり萩さんは、今日のお姫様が綺麗なのをご存知なので私を着飾って綺麗に見せたいのでしょう。多分。

「まぁ!綺麗でございます。凛様。」と言われましても・・・きっと、孫にも衣装。

そして、お屋敷の方々も「お綺麗です。凛様。」と。私はこの方々達に「美人さんを見たことないのか!」と声を出して言ってしまいそうです。それにきっと、皆さん、お目が悪いのか!とも思います。


皆さんは部屋にお揃いです。

緊張しています。

「凛。こちらへ参られよ。」

(呼ばれましたよ。)


「はい。」


「これは、これは凛殿。一段とお綺麗になられましたね。」

(クソー!一発殴ってやりたい!女たらしが!)


「凛さま。ご機嫌麗しゅうございます。この度はお招き、有り難うございます。」

(相変わらず、カワイイ!この友親には勿体無いわ!)


「お久しぶりです。凛殿。いつぞやは有り難うございました。こちらが私の妻。咲子と申します。」

(康くん。今日は少し、緊張してるわ。あの駆け落ち結婚・・・・この康くんがねぇ~~~」


「初めてお目にかかります。わたくし咲子と申します。宜しくお願い申し上げます。凛様」

(まぁ!なんと綺麗な奥さん。スーパーモデル顔負けですね~~」


「ホホホホ・・・・」


「・・・・・咲子さま。私の事を笑われたのですか?」


「いいえ。凛様があまりにもお可愛らしいのです。それにわたくし、とても嬉しく思っております。

いつぞや、康紀様に良い助言を頂きました事をお礼申しあげます」

(はぁ~。そうでしたわ!康くんに言ったよね。ストレスを。それにしても・・すごいオーラー出まくりです。それに、本当のお姫様ですよ。)


「お姉さま。先だっては有り難うございました。お蔭様でもう、恐ろしい事は無くなりましたわ。」



「よかったね~~!楓ちゃん。ほんと、もうどうなるかと思ったわよ。」


「凛。・・・り・ん」

(ご主人様がお怒りです。良いではないですか!はっきり言って「身内の集まり」みたいなもんだし。それに、女の子の会話も久しぶりなんだから。)


「ところで凛殿。俺は今日のこの日を楽しみにしていましたよ。凛殿が以前、読んだ歌が「素晴らしい」かったので。また、あのような歌を読まれる事を。」

(なに!この人。私は今日は緊張しまくっているのに。失敗したらこの男のせいだ!」


「まぁ!お姉さまのお歌。楓も楽しみにしていたのです。友親さまから聞いています。」

(もう~~。楓ちゃんまで~~)


「凛様。わたくしも楽しみでございます。ねぇ、康紀さま。」


「凛殿。実は私は歌を読むのが苦手で下手なものですから。凛殿、笑わないで頂きたい。」

(うそ~!康くん。歌が下手だって~咲子様に歌(手紙)を送っていたんでしょう?信じられん!)


「皆様。歌会の準備が出来てございます。どうぞ、こちらの部屋にお移り下さいませ。」


萩さんの声を聞いた途端、私の顔は少し引き攣っているような気がします。お顔の筋肉がピクピクしているようです。


ここまで来たら・・・・やるしかありません。


「いざ!出陣!」このような気分を言うのだと思います。多分。


でも、いったい私は何に意気込んでいるのでしょうか?


自分で「お気楽に。お気楽に」を連語しています。

皆さんの顔ぶれがそろいました。


どうしよう~~~~!歌なんて読めないし。(凛です。)

凛、普通でいいのだ!(鷹明)


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