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お勉強会です。

数日前から何やらバタバタと屋敷が騒がしいです。

もちろん、萩さんも忙しそうに動いています。

「ねえ萩さん、私も何か手伝おうか?」

「いいえ。大丈夫でございます。凛様はごゆっくりお過ごし下さいませ。」萩さんにそうは言われても私は何もする事がありません。

いったい、今日は何があるのでしょう?


私は先ほど知りました。

明日、ご主人様のお友達である友親さんと楓さん 康紀さんと奥様がこのお屋敷で「歌の会」なるものをされるのです。言うなれば「歌会パーティー」

ターくんの友達の彼女さん&奥様と出会える事は嬉しいのですが・・・手離しでは喜べません。

だって・・・・そうなのです。「歌」なのです。自慢じゃないけど凄く苦手。というより嫌いです。

彼女達は生まれてこのかた、歌なるものとは自然なお付き合いをされています。それに、お貴族様の「たしなみ」と言うものですから。平民で育った私には「何ですか?」状態ですよ。

多分、今日あたり意地悪な鷹明に特訓されそうな予感がします。

前(いつかは忘れたけど)歌については「いろは」から教えて貰いました。一応ですが。

でも、「季語」がどうだか単語にかかる言葉がどうだかはすっかり忘れてしまっています。

私は今「歌」について思いを巡らして(思い出して)います。その時、お呼びがかかりました。

やっぱり!あの鬼のようなご主人様です。私は思わず武者震い。きっと、明日の事だと思います。


「凛。おまえも萩から聞いていると思うが、明日はおまえにも出席してもらう。」


「・・・・あのー、お聞きしますが、私も出ないといけないのでしょうか?」


「勿論だ。おまえがいないと俺が困る。」


「何故、私がいないと困る事があるの?」


「友親と康紀の奥方達がおまえに出会いたがっている。だから、出会いの場を設けた。

凛。俺が『恥』を掻かぬよう精進する事。いいな!」


エッ!何ですか!それって!言うなれば「凛のお披露目会」のようなものではないか!

「絶対、イヤです。ご主人様。陰謀です。」

でも、私の希望は聞き入れられず。そして何故だかご主人様はニヤっと口の角を曲げているように見えるのですが気のせいでしょうか。

憂鬱です。だって前も友くんには笑われっぱないだし、ましてや楓さん、康紀さんと奥様も一緒だし。

絶対、「恥」を掻くに決まってる。

だけど楽しみな事もあるから、まぁ、良いや!

そういえば、康紀さんの奥様って凄いお屋敷のお姫様だと聞いている。

康くんと駆け落ち結婚をするぐらいだもん。凄い美人さんよね。

でも、あの友くんがね~~~ 人は見かけによりませんよ。

でも・・・・奥様方は生まれた時から「お貴族様」それに、生まれた時からお姫様教育を受けていらっしゃる。私のような「にわか」お姫様教育とでは雲伝うんでんの差ですよ。

私が思うにはご主人様が「恥」を掻くのがイヤなんです。きっと。あのご主人様の事ですから。

ご主人様の事では、私が何もしらない訳がありません。

この1年間で私が掴んだご主人様のアレコレ。ある程度は知ってるつもり。

だから「桐 鷹明」の顔がたたない!なんて許されないんですよ。「冷静沈着」で通っているお方ですから。

きっと、きっと、これから「恐怖!歌の授業」が始まるのでしょうね!

怖いです。めんどくさいです。歌なんてどうでも良いです。


「凛。ここに座れ」


「はい。」


「では、明日の「題」を先に言っておく。勉強せよ。」


「お題ですか。それも明日の・・・・」

私は何でも良いです。私とご主人様が恥を掻かなかったら!

でも、これって「カンニング」に値するのもでしょうか?

お題は「春」

「凛。春と言えば?」


「春と言えば、桜。お花見。宴会。新人。鼻炎。・・・・・アッ!ダンゴ」


「おまえの春とは・・・・・」

(こいつ・・・「春」と言えば弥生。春の夜。花時。花冷。霞だろ!「ダンゴ」とは俺を馬鹿にしてるのか?それになんだ!新人、鼻炎なるものは?訳がわからん!

疲れるヤツ!「歌」も二回目だぞ。いい加減、憶えたらどうなんだ!本当に明日までには大丈夫なのか?だが、ここで叱ったら凛のことだ。令と何処かへ行くだろう。ここは、俺が大人しくなるしかない!)


「凛。覚えておけ。一般に使われている「季語」だ。春の場合は弥生。春の夜。花時。花過。鶯。雀の子。」


「先生!質問!花時と花過って何ですか?」


「・・・・知らないのか。・・・・では、説明する。よ~~く覚えておけ。

花時とは、桜を中心に色々な花が咲き出す時期の事を言う。

花過とは、桜の花が終わってしまった時の事を言う。」


私はその後も「季語」について教えて&説明してもらったんだけど。一度には憶えられない!

私の傍に座っていた萩さんは時々、コッソリ教えてくれるんだけど。怖いご主人様に睨まれています。

ゴメンね!萩さん。


「凛。では、作ってみろ。」


「春うらら 食すは カラフル弁当を」


「・・・・・凛、カラフルとは何だ?」


「カラフルとは色とりどり・・・・・・・です。」


(カラフル。前に言っておったスーツケース、ストレス・・・・何の意味か分からん!未来人の言葉は。真に疲れた。もう、いい。明日は明日になれば何とかなる。もうヤメじゃ!)


「萩!俺はもうここで止める。後は凛に教えておけ。」


と仰ってご主人様は「いずこ」かへ行かれました。


「さあ!凛様。始めましょう!」


ここで一句「何やら怖い!萩さんが 私は子羊」

「歌会」この当時の貴族のたしなみ。ですが難しいですね。


「この私。ストレス溜まり 食欲が増す」 (凛です)

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