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楓の独り事。

私は本当に本当に、心お優しいお姉さまにお出会いできたことに幸せを感じております。


そう、あの時は本当に恐ろしく怖かった。

毎夜、毎夜、誰かに首を絞められている夢を見ていたのでございます。

友親様にはいつも起こして頂いておりました。

そして、わたくしは日に日に痩せていくしだいでございます。

ある日、友親様は「一度、鷹明に見てもらう。」と仰られました。わたくしの様子が「異常だ」と仰られて。

そして、鷹明様とご一緒に住んでおられる「凛様」にも出会ってみないか?とも仰いました。

友親様がそのように女の方の事をわたくしにお話しをされたのは初めてでございましたから、少し気になり「わたくしもお会いしたく存じます。」と申し上げたのでございます。

3日後、鷹明様のお屋敷にお邪魔させて頂き初めて凛様を拝見致しました。

なんと申しましょうか、大輪のお花のように輝いておられます。

もう、わたくしは目を離すことができなかったのでございました。お恥ずかしい事でございますが。でも、とてもお可愛らしい方なのです。


早速、鷹明様に見て頂いたところ、恐ろしい事に「誰かの生霊が憑いている」とお話しをされました。わたくしは、ただ恐ろしくて生きた心地が致しません。

そして、その時、わたくしの身代わりに凛様がなって下さるとお聞き致しました。

なんて事でしょう。今しがたお出会いしたばかりの、こんな可愛いお姫様がわたくしの身代わりなどとは。わたくしはもう、申し訳なく、なんていう事をわたくしは、お頼み申すのかと自分を責めたしだいでございます。

わたくしのために、凛様はきっと怖い思いをされていることでしょう。間違いございません!

きっと、きっと恐怖はわたくし以上だったと思っております。

「恐怖」をお顔にも出されず、お強い方だと尊敬致しました。

そして、凛様はご自分のほうが怖く感じていらっしゃるのに泣いてしまいそうなわたくしを見て手を握られて「大丈夫!」と仰って下さり、わたくしのために一緒にお泣き下さいました。

「なんて凛様はお優しい方でございましょうか。まるで菩薩様のような方」と思わずにはいられません。そして、友親様とご一緒の時もわたくしに「大丈夫。心配しないで下さいませ」と目で仰るではないですか!本当に、もう、凛様のとりこになってしまったのでございます。

わたくしには友親様がいらっしゃるのに何ていう事でございましょう。


あの日依頼、わたくしは凛様のことを「お姉さま」とお呼びさせて頂いております。

もし、お姉さまがお困りの時はこのわたくしがお助けしたく存じます。


今日もお姉さまと一緒にいる夢を見たいと思っております。

  (恥ずかしゅうございます。)

楓さんのあの時の心境です。

でも、何か勘違いっていうのか。


楓さんってほんとうに、こうギュッとしてあげたくなる感じなのよ。(凛です)

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