表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/58

巻き込まれました 3

昨日はいろいろ考え過ぎて寝付けませんでした。

私の「恐怖心」は少しは和らいでいるような気もします。

そして「成るようになる」という気持ちで望もうとも思います。


「おはようございます」と楓さんが挨拶されました。

楓さんは、申し訳なさそうに「大丈夫でございますか?」と何度も聞いてくれます。

本当に、楓さんはなんて優しいのでしょうか!嬉しいです。

何と言いましょうか、楓さんを花で例えますと、見ているだけで癒されそうな「なでしこ」のような感じのように思います。この事態に何てことを考えているのでしょうか!私は!


私達四人は最後の打ち合わせをしています。

楓さんに憑いているのは「生霊」と判明。さすが陰陽師です。

ホント!鷹明さまはすごいです。

鷹明さまは「生霊がいつ出るかわからぬ故、片時も友親から離れるな。いいな!凛。」

友くんの傍を離れるなって仰っても・・・トイレの場合はどうしたらいいの?

そんな事を真剣に考えていたら「凛、心配するな。大丈夫だ。」とか「凛殿、オレの傍を絶対、離れるな!」とか仰って私を安心させようとされています。楓さんは「凛様、わたくしのために・・・・申し訳ございません」とシクシク泣かれる始末。

私はトイレ云々など、とても言えません。内緒です。

あれから何時間、経ったのでしょうか?

友くんは相変わらず私の傍にくっ付いています。それにしても、友くん、私にくっ付きすぎ!

あとで楓さんがシクシク泣いたらどうするのですか?

やっぱり!私の予感的中!楓さんがずっと私を見ていますよ。もう、知りません。

「ごめんね!私も好きでくっ付いているわけじゃないのよ~~仕事だから~~」と目で彼女に合図をしたんだけど通じない!この一件が終わったら私が持ってるリップをあげるね!



私は昨晩、熟睡が出来なかったためウトウトと居眠りをしています。

何だか空模様も暗いような。突然、友くんが「凛!!」と大きな声を出しました。

私は目を開けようと必死になっていますが開きません。

その時です。急に苦しくなってきて。表現しますと、細い指の女の人に首を絞められているような感覚です。そして、何故か体が宙に浮くような気もします。

遠くの方でお経を上げている声も少なからず聞こえます。

でも、私は何故だか分かりませんが不思議とこの方の気持ちが理解出来ます。

私も知らず知らず涙が出て来て、彼女の悲しさに心を取られそうです。

でも、私は21世紀の住人です。こんな感傷には浸っていられません。

だって、私達の時代では「彼を取った、取られた」ってこのような事は日常茶飯事(但し生霊は別)

それにもっとドロドロしていますよ。私だって元彼と彼女の密会現場に遭遇したんだから!

何故かイライラしてきて思わず私はこの生霊に言葉を投げてしまった。

「ちょっと!聞いてる?自分の気持ちをハッキリ言わなくっちゃ意思が通じないわよ。それにこんなバカなことをしても報われないよ。どれだけ皆に迷惑かけてるのか分かってる?」

すると生霊さんは「・・・・そなたは人を愛したことはないのか?・・・」

「あります!ありますとも!私だって失恋してその痛手から立ち直ってない。多分。でも、私には合わない人だった。と思うことにしている。『縁』というものもあるし。だから、私だけ愛してくれる人に出会えるまで待つことにしたの。」


「・・・・・・・・・」


「ねえ、ねえ、・・・生霊さん・・・」

話しかけても声はなし。と思った瞬間に体が軽くなって気分も楽になってきました。


「凛・・・・」「凛殿・・・・・」「凛様・・・・・」

気付けば心配してくれている三人の顔。

「大丈夫か、凛」とターくんは余ほど心配だったのでしょうか、声をかけてくれました。私は夢から覚めたような感じ。現実離れしてるけど。

でも、皆には内緒なんだけど、あの時の市で出会った綺麗なお姉さん?と一瞬思ったんだけど。

何故、楓さんに?

あとから、この三人は勿論のこと、屋敷中の皆さんがヤンヤヤンヤと話かけられました。

私は満面の笑みを浮かべて腰に手を当てVサイン。


こんな経験はもうコリゴリ。最初で最後にしたいわ!


私と楓さんは怖い思いをしたんだから「ご褒美」を頂かなくっちゃ!


私は何を買ってもらおうかな~~~♪ 楓さんは何が欲しいんだろう?興味あるわ~~~

やっと解決です。それにしても主人公は勇敢。ご主人様は仕方ありません。

陰陽師の仕事をされただけです。


ひど~~い!私、どうなるかと思ったわ~~~(凛です)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ