忘れていました。
私がここの世界に来て六ヶ月が過ぎようとしています。
今まで私はこの時代の事を必死になって覚えようと努力して参りました。
ある日、ひょんな事から思い出したのよ。そう、私のカバン。
忙しくってすっかり忘れていたわ。あの時買ったビール諸々はどうなっているのか不安です。
そして私の私物も。確か、腐る物は無かったはず。下着類諸々はこの時代の物使用。
長い間、ほったらかしていたから何所に仕舞ったのかも忘れています。きっと萩さんなら知ってるっと思い早速、聞きに行きました。さすが、萩さん!知っておられます。萩さんってスーパーマン?何でも出きるし記憶力も凄いです。「尊敬します」と言ったら萩さん「恐れ多いでございます。凛様」だって。
さて、気になるビール諸々というと、さすが現代のもの。大丈夫!!ラッキーですぅ~~
いそいそとビールを冷やしてもらおうと台所なる場所へ行ったけど・・・「冷蔵庫」なんてないのよね~~冬なら部屋の隅っこでも置いとけば勝手に冷えるけど。今は夏!この世界は「氷」なんてめちゃめちゃ高価なものだし。幾ら大貴族様っていっても手に入らないわよね~~
でも、この時代ってさ、水は「井戸水」だったよね。これなら大丈夫!(水道の水より冷たいから)
庭に出て、また武さんに「小さいプール」を作って貰いました。前回と同じく首を傾げています。
今回は私も参戦。2人で穴を掘って大きい水瓶を入れました。これなら水が地面に吸い込まれません。
やっぱり私って頭が良いんだ~~~。
早速、ビール2缶とワインを冷やします。何故、2缶?それは鷹くんと一緒に夜空を見ながら飲むのよ。今の時期ってさ~星がいっぱいだし。街頭、ネオンがないから綺麗に見えるのよ~~
最高よね~~。きっと。
そうそう、武さんが凄く不思議そうな顔をしてたわ。
武「凛様、それは何でございますか?」
私「これはね、ビールって言うのよ。まぁ、言うなればお酒よ。とても美味しいの。」
武「凛様は何でも不思議な物をお持ちでいらっしゃる。」
私「そうかなぁ~~」
武「萩様が仰られたように、凛様はやっぱり月のお姫様でございます」
私「何?月のお姫様って・・」と聞こうと思ったけど武さんはもう退場なさいました。
本当にここの住人さん達って私のことをどう思ってんだろうね~~
機会があれば聞かなくっちゃ!
おっー!ビールが冷えてるよ~~~鷹くんと飲も~~と!
やっと凛のカバンの出番です。決して忘れていた訳ではございません。
うそ~~!忘れていたんでしょう。本当は!(凛です)




