第七話 あいつのせいで俺の脳内の収拾がつかない件について
俺の目の前には上機嫌になって笑顔を振りまく一人の少女。
「『メッセージウィンドウ』じゃ長いので『メウィー』と呼んでください♪」
「言いづら!…まぁ、別にいいけどさぁ…」
なんか展開が無茶苦茶すぎる…
脳がついていけねぇ…
ビィー!!ビィー!!
何事だ!
危険信号です!…Lv5!?
情報量が許容量を大幅に上回っています!!
なんとしてでも処理を間に合わせろ!!
エラー発生!処理しきれません!!
くそう!ここまでか!!
…………
…………
……まだだ!僕は諦めない!!死ぬなら…最後までやりきってから死ぬ!!
……そうだな…忘れていたよ。俺も昔はそんな熱くなれる時があったことを。
私だってまだまだ若いんだから。負けないわよー。
俺もだ。
若造に負けてらんねぇよ。
そういうことですね。
みなさん…
よし、全員、準備はいいか。
はい!!
ここを耐え抜くことだけが我々に残された道だ。分かっているな?
はい!!!!
ふむ、いいだろう。……かかれ!!
うおおぉぉぉおおぉぉぉぉぉおおおぉ!!!!!!!!――――――
みたいなことが俺の脳内で繰り広げられてるんだろうなぁ…
ガンバレ、俺の脳細胞たち。
「……さま……うしゃさま…………ゆーーしゃさまーーーー!!!!」
「!?」
耳元で叫ばれた。
おかげで耳がキーーン
「何?!」
「ボーッとして何度呼んでも返事しないからですー。どうしたんですか?」
「いや、なにも…大丈夫だよ?」
「そうですか?ならいいんですけど…。じゃあ本題に入りますね☆」
「本題?」
「何もないのにわざわざここまで来ませんよ~。まぁデスクワークが辛くなってきたのもありますが…」
「え?メッセージウィンドウやるのってあれデスクワークなの!?」
「そこは別にどうでもいいです」
「俺的には重要なポイントなんだが…」
「今日私が来たのは他でもありません……えっと……なんででしたっけ?」
「は?」
ここでまさかの天然!?
「う~ん……ま、いっか☆」
「いやいや、よくないだろ!」
「忘れてしまったものは仕方ありません☆」
「切り替え早!」
「少々very goodです☆」
う~…ダメだ。マジで脳がついていけねぇ。
完全に会話のペース持ってかれてるし…
「で、やることないならどうするの?帰る?」
「え~せっかくだからいろいろとお話ししましょうよ!」
「……ん~別に暇だからいいけどさぁ…」
――なんだかんだで時は過ぎ――
「なぁ、今思ったんだが…」
「なんでしょう?」
「もう夜だな」
「ホントですね」
会話に熱中しすぎて時が経つのに気づかなかった。
部屋の明かりは自動で蛍光灯みたいなのが点いている。でも外には電線みたいなものは無かったし魔法か何かなのか?的疑問をこの蛍光灯は俺に抱かせてたりする。
「そろそろ帰りましょうか。お邪魔しました」
「ああ。なんか直接会ったのは初めてなのに結構話せたな」
「え?何言ってるんですか☆前にも一回…ハッ!」
「え?前会ったことあったっけ?どこで?」
「いや、あの、え~っと…えい!」
「!?」
メウィはおどおどしだしたかと思うと、突然ケータイみたいなものを取り出し、力強くボタンを押した。すると
!?また…強烈…な…ね…む……け……が……
俺は最後微かな意識の中でメウィ-が
「ふぅ~……てへぺろ☆」
と、舌を出すの見て、それに突っ込みを入れる暇もなく、眠りに落ちるのだった。
アドバイス・感想・質問・アイデア等ありましたら遠慮なくお願いします。