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少女ただ一人

自分が書きたい小説を書きました。

不定期連載で、5~6話出来上がってから一気に上げます。

面白いといってくれる人がいたら嬉しいですね。


この世界にはすでに、およそ生物と呼べる存在は限りあるほど少なくなっていた。


 地は荒れ果てて、かつて文明と呼ばれた建築物は崩れ落ちて舞い散る砂に半分以上が埋もれていた。


空は青色ではなく灰色、夜になれば完全なる漆黒が満ち溢れて世界は無と化す。

 

 歩いても歩いても、見えるのは砂嵐と砂山、地平線の先にも何も有りはしかなった。


 だが、そんな空虚な世界にも一人の少女はいた。

 

 ボロボロの薄布のローブを羽織り、俯く視線は光を宿してなど居ない。

 

 ズルリズルリと足を引き摺るように少しずつ歩いていたが、限界が来たのだろう。

 

 「――――――あっ」


 足が縺れて、糸が切れた人形の様に力なく倒れた。

 

 起き上がろう手を動かすが、小刻みに震えるばかりで少しも力が入らず、そのまま動かなくなってしまった。

 

 うつ伏せに倒れていた少女はせめて呼吸をし易いようにと顔を横に向ける。


 「…………はぁ」


 自分もここで終わるのだろう。そう彼女は考えていた。

 

 仲間と呼べるものはいなかった。母と呼べる者も、父と呼べる者も、妹や姉や弟や兄。家族も知らない。

 

 彼女は天蓋孤独の身の上だった。

 

 それも、この世界では当たり前の現象。

 

 この世界には、敵しか居ない。


 誰かにそう教わったわけでもない、ただ自分がそう判断して、その通りに行動して、その通りの原則ルールだった。

 

来る日も来る日も歩き続けて、誰かを見つけては、あるいは見つかっては殺しあう。生まれてから続けていた習慣。生きる目標。


 だが一人で生きるには、自分はそこまで強くは無いことを知ったのは、つい最近だった。


 一人では生きられない。なのに孤独になってしまうような目標を生きる目的にしていたのだ。


 余りに遅すぎた。殺しすぎた。壊しすぎた。遠ざかりすぎてしまった。

 

 もし生まれ変われるならば、せめてもう少し、分かり合えるように努力してみたい。

 

 心の奥底、絶対に逆らえない命令を受けて目を閉じる直前、少女はそう誓った。

 





 彼女の記憶はここで途切れた。

 

 誰かに抱かれながら運ばれた感覚はあったが、それが誰かはわからなかった。


 

  

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