表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/55

トール参上

伊勢 トール来日当日


シナツヒコ「ふう。準備はこんなもんだろ」

ツクヨミ「大きな会談場に、大きな宴会場と大量のお酒。そんなに大勢が来るの?」

シナツヒコ「いや? 今回はトールさんと、あとなんかインドのインドラさんも来るってよ。その二神だけだ」

ツクヨミ「じゃあ、ここまでの規模は必要ないんじゃないの?」

シナツヒコ「いや、広さが必要なんだよ。そういや、ツク姉はトールさんにもインドラさんにも会った事無いんだっけか」

ツクヨミ「そうね。何故かタイミングが合わなかったり、新月の日で不調の時だったりで、会ったことはないわね」

シナツヒコ「まぁ30年前にトールさんたちが来たときは、新月で寝込んでたっけな。その前は……いつだったか?」

ツクヨミ「私もそれ以前は覚えてないわ。少なくとも、30年前を除くと、ここ2~300年は来てないんじゃないかしら?」

シナツヒコ「うーん、もっと来てない気もするなぁ。その前来た時は延々と白飯と魚を出し続けてた記憶しか残ってねぇ……。いつの時代だったっけか?」

ツクヨミ「高天原時代まで遡るんだったら、私が会ってないのは当然かもしれないわ……。でも、シナ君は会うの自体はそう昔じゃないんでしょ?」

シナツヒコ「ああ。来日は30年ぶりだが、俺は10年に一度くらいは会ってる。確か前はギリシャで会ったはずだ」

ツクヨミ「ふーん。どんな神なの?」

シナツヒコ「気の良いおっちゃんだな。ただ、めちゃくちゃ大食漢だから、トヨウケは少し苦手みたいだが……」

ツクヨミ「あら? その割には、今日のトヨさんは別にそんな嫌そうな感じはなかったわよ?」

シナツヒコ「今回は、ウーバーで配達してもらえる食べ物で済みそうだからな……」

ツクヨミ「ふーん?」

シナツヒコ「まぁ、前の寿司も出前だったんだが……。あの時と比べれば、ネットのおかげで、かなり手軽に注文できるからな」

ツクヨミ「そんなんで良いのね……。それで、出迎えは誰が?」

シナツヒコ「それは――」

菅原道真「これはこれは、ツクヨミ様にシナツヒコ様。お待たせいたしました」

ツクヨミ「あら。あなたが出迎え係なの?」

シナツヒコ「そうだけど、ツク姉の言う意味合いとはちょっと違うな」

道真「あの方々は本宮の入り口付近までご自身たちで来られますので。お迎えは私めと……他はどなたが?」

シナツヒコ「俺が行くよ。タケミカヅチは結局は来なかったな……」

ツクヨミ「道真公が現地まで迎えに行くんじゃないのね」

道真「ええ。左様で」

シナツヒコ「トールさんは自前の移動方法があってな。途中でインドラさんを拾って日本に来るってよ」

ツクヨミ「そんな、乗合馬車みたいなので良いの?」

シナツヒコ「乗合馬車だからいいんだよ」

ツクヨミ「それってどういう――」

アマちゃん「あたしもあたしも~」

ツクヨミ「って、姉さん! 準備中にどこ行っていたのよ! さては準備が面倒で逃げていたわね!?」

アマちゃん「……さー? ちがうよー? かいだんのじゅんびしてたんだよー?」

シナツヒコ「目ぇ逸らすなよ……」

道真「これはこれは、アマテラス様におきましてはご機嫌麗しく」

アマちゃん「みっちゃん、今日はありがとーね~」

道真「いえいえ、そのようなお言葉は、私めには勿体なく。トール様もインドラ様もアマテラス様ご自身がお迎えされたなら、さぞお喜びになるでしょう」

アマちゃん「んじゃ、お迎えにいこー!」

ツクヨミ「ちょ、姉さん! 話はまだ終わってないわ! 待ちなさいったら!」

シナツヒコ「ツク姉も出迎えメンバーになるな、これ……」

道真「それはまた豪勢な……」

テクテク……テコテコテコ……


伊勢本宮入口


アマちゃん「あっ」

ツクヨミ「面倒なのが居るわ……」

シナツヒコ「面倒だけどしゃーねーって」

道真「こ、これはまた……」

スサノオ「YO! お前ら! おせーぜ! もう野郎共も来ちまうぜ!」

ツクヨミ「なんであんたが居るのよ」

スサノオ「トールを呼んだんだろ? ついでにインドラも来るんだろ? そりゃダチ公の俺が必要だろうGAYO!」

アマちゃん「ふーん?」

シナツヒコ「まぁ、実際そうだからしゃーねーって」

道真「な、なんと言う事か……! 三貴神がお揃いになられるとは……! これはまさに『ハレの日』!」

アマちゃん「今日のご飯なに?」

ツクヨミ「あんた、もうちょっと声量下げなさいよ」

スサノオ「ククリのおばちゃんほどじゃねーってばYO」

シナツヒコ「今日のメシはウーバーで頼んであるぜ」

道真「三貴神が揃われるとは……。め、眩暈が……」


ガラガラガラガラ!


スサノオ「おっ。きたZE」

道真「こ、来られましたな」

ツクヨミ「凄い音!」

アマちゃん「…………へ? 馬車? ヤギ?」


ガラガラガラガラ!


???『これはこれは! この国で最も偉大な神々が揃っておられる!』

???『よぉ。道真ちゃん、来たぜぇ。おっ。スサノオちゃんも居るじゃんよぉ』


ヒュー……ズドーン!


トール「盛大なるお出迎え、いたみいる。トール、ここに参上仕りました」

アマちゃん「…………へ?」

ツクヨミ(でっか! ガチムチ!)

道真「ようこそ日本へ来られましたな」

スサノオ「よう! 久しぶりだZE! 相変わらずデカいNA!」

シナツヒコ「わざわざすんませんねー」

アマちゃん「……赤い髪……」

インドラ「オラはインドラだぁ。お初の方も居られるなぁ。まぁ、仲良くしてくれぇ」

ツクヨミ(ほっそ!)

道真「ご来日、お待ちしておりましたぞ」

スサノオ「相変わらずほっせぇZE! ちゃんとメシ食ってるKA!?」

シナツヒコ「久しぶりっすねー」

アマちゃん「……あれ? 矢じゃないの?」

道真「え、えー。こちらにおわしますは、日ノ国の主祭神『アマテラスオオミカミ』様に御座りまする」

トール「おお! 久方ぶりにございますな。今回はお招き頂き、うれしゅう御座いますぞ!」

アマちゃん「ほへー……」

トール「……おや、どうかされましたかな?」

インドラ「オラはぁ、初めてお会いしますなぁ。インドラぁ言います。インドで雷の神やっとりますわぁ」

アマちゃん「ほへー……」

道真「つ、次にこちらにおわしますは、夜ノ神『ツクヨミノミコト』様に御座りまする」

トール「おお! 前々からお会いしたいと思っておりましたぞ! 噂に違わぬ美しさですな!」

インドラ「まじで美人さんだぁ。噂以上だぁ」

ツクヨミ「ど、どうも……(濃いわ……。色々と濃いわ……)」

道真「次は――」

スサノオ「ダチなんだから紹介不要だ! 久しぶりだZE!」

トール「おぬしは相変わらずよの~」

インドラ「オメは変わんねぇなぁ」

スサノオ「お前らもだZE!」

シナツヒコ「俺の紹介も飛ばしていいから。知り合いだし」

道真「さ、左様で。で、では、中に入って……で、よろしいんですよね……?」

シナツヒコ「ああ。とりあえず、会談場に連れってくれ」

道真「で、では。ささ、こちらに御座います」

スサノオ「んじゃ、俺が付き添うZE」


ドスドス……

トール「ここに来るのも久方ぶりだの~」

インドラ「オラぁ、この国くんのも初めてだぁ。どっか面白いとこ教えてくれぇ」

道真「まぁそれは後に――」

ドスドス……


アマちゃん「ぽけー………」

ツクヨミ「……確かに、あいつ(スサノオ)と気が合う感じね……」

シナツヒコ「だろ? 意外とスサノオ兄を通すと、話が通りやすいんだよ」

アマちゃん「………赤い髪と赤いお髭だった……」

シナツヒコ「……アマ姉。あれが本物の『トール』、アマ姉が言ってた『ソー』だよ(完全に前会った時のことを忘れてやがるな……)」

アマちゃん「ムッキムキだったけど……金髪じゃなかった……」

ツクヨミ「……どう言う事?」

シナツヒコ「多分、アマ姉の中じゃ、北欧神話の雷神の容姿が『クリス・〇ムズワース』で固まってる」

ツクヨミ「ああ……。M〇Uを観たのね……」

シナツヒコ「意外だな。ツク姉も観てたのか」

ツクヨミ「ま、まあね。けれど、クリス・〇ムズワースだと思ってたなら、実際はガチムチのおじさんだから、印象違うでしょうね……。クリス・〇ムズワースは格好良いし……。私もちょっと驚いたわ……」

シナツヒコ「まぁ、分かってたことだ(クリス・〇ムズワースを格好良いと思ってたのか……)」

アマちゃん「ハンマーで飛んでこなかった……」

ツクヨミ「そうね。馬車で来たわね……。え? 馬車で良いの? ヤギなのに」

アマちゃん「おっきかった……」

ツクヨミ「そうね。私たちの三倍はある体格だったわね」

アマちゃん「……………」

シナツヒコ「アマ姉。印象が違ってても当然だろ。『神あるある』じゃねぇか」

ツクヨミ「そ、そうね。確かによくある事ではあるわ……(残念だわ……)」

アマちゃん「……か……」

シナツヒコ「か?」

アマちゃん「か、か、カッコいい~~~~~!」

ツクヨミ「えーーーーー! うそーーーー!?」

シナツヒコ「そっちかい!(アマ姉は前にも会ってた筈だが……)」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ