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シナトベの日帰りぶらり旅

シナトベ「おお~。ここは眺めが良いねぇ」

キョロキョロ

シナトベ「おっと、あれに見えるは有名な『福砂屋』本舗かねぇ。たしかツク姉ちゃんの大好物だったはずだ。一個買っていこうかねぇ」

男性「あのー、すみません」

シナトベ「……なんだい?」

男性「すみませんが、写真お願いしても良いですか?」

シナトベ「ああ。構わないよ。おっと。カップルさんかね?」

男性「はい。長崎の風景を背景に、彼女と僕を撮ってもらいたんですが」

シナトベ「ああ。それなら、少し上からの角度で撮ろうか」

男性「お願いします。じゃあ、このスマホで」

シナトベ「ほいよ。そんじゃ、撮るよ。はい、笑って笑って」

カシャ……カシャ、カシャ

シナトベ「これでいいかい?」

男性「ばっちりです。ありがとうございます」

女性「ありがとうございます~」

シナトベ「お二人さんは観光かい?」

男性「観光、というよりは、デート中、ですかね……」

シナトベ「んじゃあ、もしかして地元の人かい?」

女性「はい。私は。彼もこの稲佐山には、車で日帰りで来れる距離ですが」

シナトベ「んじゃあ、ちょっと聞きたいんだけどさ。ここらで良い温泉知らないかい? できれば最近できたやつで」

女性「それなら、小浜に良い温泉施設が出来たみたいですが」

男性「ちょっと遠くないかな?」

女性「そっか。あっくんの地元だから、つい」

シナトベ「いや、構わないよ。小浜のどの辺だい?」

女性「えっと、確か一番人が多い、足湯がある所の近くです」

男性「伊勢屋ってところなんですけど、最近リニューアルされてまして」

シナトベ「そっか。参考になったよ。しかし、伊勢屋かい。くっくっく。笑えるね」

女性「え?」

シナトベ「いや、こっちの話さね。ありがとさん」

男性「それでは」

女性「ありがとうございましたー」

シナトベ「ああ。そんじゃ……」

テクテク……

シナトベ「しまった、しまった。ついうっかり、人間に見られる状態のままだったよ。ロープウェイに乗りたかったから、人間に見える状態にしてたんだった」

スー……

シナトベ「帰りはロープウェイに乗らないし、見えない状態でいっか。カステラは日持ちしないから帰りに買うとして、さっき聞いた温泉に行ってみようかね」

ビュゥー!

男性「うわっ、強い風だなぁ」

女性「山の上だしね~」

シナトベ「ほんじゃ、お二人さん。あたしゃ、恋愛成就の神じゃないけど、お達者でな。さてと、小浜まで風で飛ぶかね」

ビュゥー!

シナトベ「確か、ここからだと、ほとんど真東に飛べば、小浜に着くんだったか。あそこにゃ久しぶりに行くねぇ」


十数分後


シナトベ「この辺りだったはず……。おっ。あれは温泉卵だねぇ。……ん? なんだい、なんだい。しばらく見ないうちに、足湯が随分盛大な事になってるじゃないかい」

ヒュゥー……スタッ……テクテク……

シナトベ「確か、この辺のはずだね。おっ。あれかね? 確かに新しくなってる。さて、人間に見えるようにして……と」

ヴー……

店員「いらっしゃいませ」

シナトベ「日帰りで風呂に入れるかい?」

店員「はい。大丈夫です。そちらの券売機でチケットをご購入ください」

シナトベ「はいよ」


1時間後


店員「ありがとうございましたー」

シナトベ「ふー。いい湯だったよ。おっと。あと3時間くらいで日の入りかね。ここは海に沈んでいくから眺めが良いやね」

テクテク……

シナトベ「……いや、ダメか。長崎本島がちと邪魔だねぇ。確かもっと南に行けば、完全に海に沈んでいく所が見れたね。そっちに行こうかね」

ビュゥー!


十数分後


シナトベ「この辺だね。西平椿公園が良さそうだ」

ヒュゥー……スタッ……テクテク……

シナトベ「うん。良い眺めだねぇ。こりゃ酒を持ってくるんだったよ。久しぶりに焼酎が良いねぇ。確か、もう少し南に行けば、萬世酒造があったねぇ。そこに行こうか」

ビュゥー!


十数分後


店員「ありがとうございましたー」

シナトベ「なんとか間に合ったよ。ここは午後4時に閉まっちまうからねぇ。さて、つまみが欲しいとこだけど、せっかくだ。『飫肥天』でも買いに行こうかね」

ビュゥー!


数十分後


店員「ありがとうございましたー」

シナトベ「『飫肥天』も買えたね。……おっと。気が付いたら宮崎の日南市に来ちまってたよ。ここじゃあ、海に沈む夕日が拝めないねぇ。仕方ない。別の眺めの良い所に行くかね」

ビュゥー!


数十分後


シナトベ「うん。ここで飲む酒は格別だねぇ。やっぱ屋久島は良いねぇ」


その後 伊勢


シナトベ「って訳で、土産のカステラを買い忘れちまってたよ」

ツクヨミ「そんな!」


※飫肥天:「おび天」は、宮崎県日南市飫肥おび地区の江戸時代から伝わる郷土料理で、新鮮な魚のすり身に豆腐、味噌、黒砂糖を混ぜて揚げた独特の揚げかまぼこ。ふんわりとした食感と、黒砂糖由来のほんのりとした甘みがある、おやつやおかずに最適なソウルフード。

尚、宮崎県日南市は東海岸なので、夕日が海に沈むところは拝めません。

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