あの駄菓子屋は今は何を
トヨウケ「アマちゃん。おやつの時間です」
アマちゃん「わ~い」
トヨウケ「今日もまた、あの駄菓子屋からの奉納品ですよ」
アマちゃん「そうなんだ~」
シナツヒコ「そういや、あの駄菓子屋、今はどうなってんだ?」
トヨウケ「アマちゃんが『願い』を叶えちゃったせいで、今も売り上げ好調で、チェーン店舗化はしていないものの、ネット販売ではバカ売れしてるみたいですよ……」
アマちゃん「そーなんだー……」
シナツヒコ「目ぇ逸らすなよ……。にしても、相変わらず『天照大神』直々の加護はすげえな……」
トヨウケ「とは言え、普通はそこまでの効果はありません。元々、あの駄菓子屋さんにはその素養があったようですね」
アマちゃん「な、なら、いいよね~……」
トヨウケ「よくはありませんからね。ただ一応、今回は『許容範囲内』と言っておきます。企業拡大までは行っていませんし」
シナツヒコ「まぁ、トヨウケがそう言うなら良いんじゃねぇか?」
トヨウケ「あくまで『今回は』ですからね。次はありませんよ?」
アマちゃん「は、はーい……」
シナツヒコ「目ぇ逸らすなってば……。で、今日の菓子はなんだ?」
トヨウケ「これです」
アマちゃん「……カレーパン?」
シナツヒコ「特大の揚げ餃子か?」
トヨウケ「イタリアのサルデーニャ島を代表する、伝統的なドルチェ、『セアダス』です」
シナツヒコ「食った事ねぇやつだな」
アマちゃん「ハチミツの甘そうな匂いがする~」
トヨウケ「ええ。味は良いですよ」
シナツヒコ「ツク姉が飛んでこないって事は、あんまり甘くないのか?」
トヨウケ「そうでもないのですが」
アマちゃん「んじゃ、いっただき~」
シナツヒコ「パク……モグモグ」
アマちゃん「んー! チーズだ~」
シナツヒコ「なるほど。甘じょっぱい感じの菓子なんだな。ガッツリとチーズが入ってんのな」
アマちゃん「おいし~」
トヨウケ「ツクさんは、あまりチーズはお好きではないので」
シナツヒコ「そうだったな。しかもこのチーズ、普通よりもちょっと独特の風味じゃねぇか?」
トヨウケ「ええ。通常のチーズではなく、『ペコリーノチーズ』と言う、羊のミルクから作られているチーズが使われています」
アマちゃん「ハフハフ……モグモグ……」
シナツヒコ「なるほど。ツク姉が来ないわけだ。しかし、意外にガッツリと食事系だなぁ」
トヨウケ「本来はもっと大きいみたいですね。こちらはアレンジされていて、本場よりもやや小さいようです」
シナツヒコ「これも、あの駄菓子屋の婆さんが作ったやつなのか?」
トヨウケ「ええ。少し調べてみた所、現役の頃からパティシエをやられていたので、素養は高かったみたいですね」
シナツヒコ「そこにも元々の素養があったのか……。で、その婆さんが、病で伏せがちだったのが、アマ姉の『やらかし』の結果、元気になったと……」
トヨウケ「あくまで、副次的な効果ではあるのですがね」
シナツヒコ「しかし、ここまでくると、その偶然すらもアマ姉の加護のようにすら思えてくるな……」
トヨウケ「確かに。ここまでいろいろなお菓子を作れるというのは、現役の頃から非常に優秀なパティシエだったのでしょうね」
アマちゃん「ヘホ、ホウナハ、ヘフホホハヒホフフッヘフヘフハホ」
トヨウケ「ちゃんと飲み込んでからお喋りください」
アマちゃん「モグモグモグモグ……ゴックン。でも、そうなら、別のお菓子も作ってくれるかも。ツーちゃんが好きそうなお菓子」
シナツヒコ「モグモグ……ゴクン。まぁ、色々と作ってるみたいだし、また『マッドケーキ』みたいなのも作ってくるかもなぁ」
アマちゃん「じゃあ、あたしがまたその駄菓子屋さんに行っておねがい――」
トヨウケ「アマちゃん……。前回のはあくまで特例として許容しますが、次は無い、と言いましたよね」
アマちゃん「うっ……」
トヨウケ「次にあの駄菓子屋でアマちゃんがやらかしたら、それこそチェーン店が出来たり、上場したり、世界進出までしてしまうかもしれないんですよ!? わかりましたか!?」
アマちゃん「は、はーい……モグモグモグモグ……」
シナツヒコ(次にアマ姉がやらかしたら、トヨウケの雷(物理)が落ちるな……。タケミカヅチと道真に注意してもらっておくか……)




