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サクヤちゃんのお悩み相談

アマちゃん「わーっ!」

ツクヨミ「どうしたの? 姉さん」

アマちゃん「面白い配信動画を見つけた〜」

ツクヨミ「へぇ。どういうの?」

アマちゃん「これ」

ツクヨミ「えーっと、どれどれ『サクヤちゃんのお悩み相談』。何かしら? どう面白いの? フォロワー数が微妙だけれど……」

アマちゃん「サクヤちゃんがお悩み相談してるの」

ツクヨミ「うん……。動画名通りよね。それはわかるけど」

アマちゃん「だから、サクヤちゃんがお悩み相談してるの」

ツクヨミ「うん、それはもう聞いたわ。サクヤってVチューバーの人が、誰かの悩みの相談を受け取って配信している、ってところよね」

アマちゃん「だから、サクヤちゃんなの」

ツクヨミ「そう言う名前の投稿主なんでしょ? ……え? ちょっと待って。そのサクヤって人……」

アマちゃん「コノハナサクヤヒメちゃんだよ~」

ツクヨミ「えーっ! あの子、こんなことしてるの!? え? それは神として悩みを聞いてるって事? それともエンタメ的な何か?」

アマちゃん「ちょうど、これから生配信っぽいから、視聴してみよ~」

ツクヨミ「そ、そうね。まずは見てみようかしら……」


『サクヤちゃんのお悩み相談』


サクヤ『はいはい、始まったよ~。ウチのお悩み相談~。声聞こえてる? ラグってない? え? 絵が動いてない? いや、それはまだなんよ~。モーキャプ? ウチ、カメラ使っとらんのだわ~。ごめんね~。え? じゃあ動画じゃなくてもいいじゃんって~。ウチ、これ以外の配信のやり方知らんのだわ~』

ツクヨミ「……静止画なのね……。生配信なのに……」

アマちゃん「でも、イラストはなんとなくサクヤちゃんに似てるよ?」

サクヤ『さてさて、そんじゃ、今日もSNSやらマシュマロで頂いたお悩みを深堀りしてっこっかな~。もう始めていい? あ、100円お賽銭ありがとー。まだ始まったばっかだけど』

ツクヨミ「投げ銭が100円だけ……。本当にお賽銭程度ね……」

アマちゃん「でも、この後でもっと貰えるのかも~」

サクヤ『ほい、じゃあ一つ目~。HN「エレファントマンモス」さん。お悩みは~……「好きな人に告白したいけど、断られるのが怖くて踏み出せません。どうしたらいいですか?」……はいはい、なるほどね~』

ツクヨミ「普通に恋愛相談ね」

アマちゃん「王道だね~」

サクヤ『まずね、断られるのが怖いのは当たり前なんよ。富士山だってさ、登る前から「高いし寒いし、しんどい」って分かってるじゃん? でも登るっしょ? 行ってみないと見れない景色があるっしょ?』

ツクヨミ「……たとえが富士山なのね」

アマちゃん「サクヤちゃんは、富士山の神様だからね~」

サクヤ『でね、告白ってのはさ、結果を取りに行くんじゃなくて「自分が後悔しないため」にやるもんなんよ。断られたら終わり、じゃなくて、断られた後にちゃんと前に進めるようになるための儀式みたいなもん。だから、言える時に言っとけ! 悩んでもいいけど、何もしなかった後悔だけはしないように! なんもしなかった時の後悔と、やって失敗した時の後悔は、実は全く違う部類くらいの差があるからね。もちろん、なんもしなかった時の後悔の方が大きいよ! 富士山に登った事がある人と無い人の、富士山登山の意見くらいにね! 以上!』

アマちゃん「おお~。かっこいー」

ツクヨミ「……思ったよりちゃんとしてるわね」

コメント『わかる』

コメント『刺さった』

コメント『富士山理論草』

コメント『サクヤちゃん意外と真面目で好き』

コメント『告白は儀式←名言』

投げ銭『¥160「ありがとう」』

サクヤ『お、160円ありがと~。お賽銭が増えた~。よし、次いこ次!』

ツクヨミ「……お賽銭扱いなのね」

アマちゃん「あたしたちだと、そう思うよね~」

サクヤ『んじゃ次は~。HN「伊勢海老海鮮丼」さん。何? 伊勢海老食べたいの~? あ、悩みの方ね。えーと、なになに。「最近妊娠が発覚しました」。おー、おめでと~。で、「それを旦那に伝えたら……」え!? 「俺の子じゃない、浮気しただろって疑われた~!? どうしたらいいでしょうか」!?』

ツクヨミ「……これ」

アマちゃん「なんかどっかで聞いたような……?」

サクヤ『最初にハッキリ言っておくね! それ、マジで碌な旦那じゃねーわ! いやね、ウチもそれはよーくわかるんよ! 年齢バレしちゃうからあんま言いたくないんだけど、ウチも旦那におんなじ事で、おんなじように言われたんだわ! 分かるわ~。マジ共感! で、どうしたかって言うと、うーん、詳しくは言えないんだけどね、ウチの場合は無理矢理あんたの子やろ! って納得させたんだわ』

ツクヨミ「一応、配信者としてなのか神としてなのかはわからないけれど、身バレ防止には気を使っているみたいね……」

アマちゃん「年齢、言えないもんね……。何歳かもわかんないし……」

サクヤ『えーと、どうしたらいいか……。と言うなら、簡単なのはやっぱアレっしょ。DNA鑑定。え? 生まれてないのに出来んのって? 知らんわ~。ググってみて~。とにかくね、まず旦那を納得させるっきゃないの。それこそ燃える小屋で生んでやるとか』

ツクヨミ「……身バレ防止、揺らいでなくない?」

アマちゃん「例えならわかんないかも」

サクヤ『いやいやいや! ちょっと待って!? 今のはたとえ! 比喩! 例え話だからね!? 絶対に真似しないで!? 火は危ないから! 普通に捕まるから! 救急車と消防車と警察がセットで来るから!』

コメント『燃える小屋で出産って神話で見た』

コメント『今さら遅いw』

コメント『え? コノハナサクヤヒメ?』

コメント『ニニギ最低って聞いて』

コメント『んなわけねーだろ。ネタだろ』

投げ銭『¥100「小屋は燃やすな」』

ツクヨミ「コメント欄、鋭いわね……」

アマちゃん「ネット民こわい」

サクヤ『おっ、100円ありがとー! 小屋は燃やすな、了解! ……えー、話戻すよ!』

サクヤ『「妊娠したら疑われた」ってさ、傷つくじゃん? 普通に。だからまず言っていいのは、「その言い方は傷つくから、二度と言わないで」ってやつ。これは喧嘩じゃなくて線引きね。』

コメント『線引き大事』

コメント『ちゃんとしたこと言ってる』

サクヤ『で、旦那側が不安になってるパターンもあるっしょ。でもね、不安は勝手に抱えていいけど、不安の処理を相手に投げるなって話なんよ。疑う前に情報取りに行け! 話せ! 病院で一緒に聞け!』

ツクヨミ「意外と真っ当……」

アマちゃん「サクヤちゃん、けっこう頼れる」

サクヤ『まぁでも、最初言っちゃったけど、DNA鑑定は最終手段ね。やるにしても、そこまで行く前に、疑いじゃなくて相談の形にしてもらいな。「俺不安なんだけど、どうしたら安心できる?」って言わせられたら、まだ未来あるから』

コメント『旦那に見せたい』

コメント『この配信、意外と有益』

投げ銭『¥500「旦那に見せます」』

サクヤ『お、500円! 急に賽銭箱が元気になった! ありがと~!』

ツクヨミ「賽銭箱扱いが定着してるのね……。今までも、スパチャの事を賽銭って呼んでたのかしら……?」

アマちゃん「神さまっぽいよね~」

サクヤ『でさ。ここからちょい雑談なんだけど。「妊娠したら疑う旦那」って、世の中に一定数いるじゃん? そういうやつ、総じて……ニニギってる』

コメント『ニニギwww』

コメント『動詞にするなw』

コメント『ニニギ案件きた』

コメント『夫の名前出たw』

コメント『コノハナサクヤヒメw』

コメント『コノハナサクヤヒメ設定なん?』

投げ銭『¥160「ニニギってる」』

ツクヨミ「名前、出した……」

アマちゃん「ニニギってる……。流行りそう」

サクヤ『いや笑い事じゃないからね!? 「疑いムーブ」のことを今からニニギって呼ぶわ! 疑って相手を追い詰めて、関係燃やすやつ! はい、ニニギ!』

ツクヨミ「完全に私怨が混じってるわ」

アマちゃん「サクヤちゃん、根に持つタイプだ~」

サクヤ『しかもさ、本人はさ、「確認しただけ」とか言うんよ。違う。確認じゃない。詰問なんよ。言い方が。そこが一番ダメ。』

コメント『詰問はだめ』

コメント『言い方、ほんとそれ』

サクヤ『……と、ここまで言ったところで! 次のお悩み! はい、三つ目~。HN「ブルボン食べたい」さん。ア〇フォートでも食べなよ~。えーっと「姉がなんでも出来てキラキラしてて、比べて落ち込みます。どうしたらいいですか?」……あぁ~、これもあるあるだねぇ~』

ツクヨミ「……姉妹問題」

アマちゃん「サクヤちゃんとイワヒメちゃんは仲良しだよね~」

サクヤ『まずね、姉ってさ、キラキラして見えるんよ。弟妹から見るとね。ウチもね、姉様はすごいと思ってる……。すごいんよ。黙ってるだけで圧あるし』

ツクヨミ「圧って言った」

アマちゃん「圧、感じてるんだ~」

サクヤ『でもね、キラキラしてる人って、実際は見えないところでめちゃ頑張ってるか、めちゃ我慢してるか、どっちかなんよ。だから比べるなら「結果」じゃなくて「自分が今日できたこと」と比べな? 今日できたことを一個増やせば、明日も一個増える。それで十分』

ツクヨミ「……さっきから、想像よりずっと真面目ね」

アマちゃん「ねぇ、サクヤちゃんいい子だねぇ」

コメント『良いこと言う』

コメント『刺さる…』

コメント『姉様って言った?』

コメント『サクヤちゃんの声だけ配信、逆に落ち着く』

投げ銭『¥500 「サクヤちゃん好き」』

サクヤ『おっ、500円! 急に太っ腹! ありがと~! 今日はウナギ……いや、いや、まだ言わん、まだ言わん!』

ツクヨミ「……ウナギって言いかけたわね」

アマちゃん「言いかけたねぇ」

サクヤ『四つ目~。HN「饅頭こわい」さん。「最近、弁天さまのところに行ったら別れさせられるって噂を聞いて怖いです。本当ですか?」……はい来た! 噂のやつだね』

ツクヨミ「……弁天ねぇ」

アマちゃん「弁天ちゃんだ~」

サクヤ『えーっとね、まず言っとく。ごめん、それは否定できないんだわ。別れさせられるって噂ね。ただね~、弁天は確かに嫉妬深いんだけど、目の前でイチャイチャされるのが単に腹立つだけだから、神社とかでイチャイチャしてなければオッケーなんよ』

ツクヨミ「……あー、うん」

アマちゃん「まぁ~、宮の前であからさまにいちゃいちゃしてたら弁天ちゃんじゃなくても怒っちゃうよね~」

サクヤ『ここだけの話ね~。弁天ってね~、綺麗だし、芸事の神だし、プライド高いし、あと、神の割に気分で動くとこあるんよ。だから、普段から仲の良い恋人とか、ダンナとかとただ一緒に神社なんかに参るだけなら問題はない訳。そこ弁えてれば、別れさせられることなんてないから』

アマちゃん「そうだよね~」

ツクヨミ「思えば、弁天ってなんでか、デートスポットのルートに祀られているのが多いわね」

サクヤ『ほら、みんなだって、わざわざ目の前に来て見せつけられるように目前でイチャコラされたら腹立つっしょ? それと同じなんよ』

ツクヨミ「それは分かるわ。痛いほどに」

アマちゃん「そうかもね〜」

ツクヨミ「恋愛成就の祈願ならともかく、目の前でイチャつかれたら、こっち何を叶えろって話よね。家内安全とも違うし」

サクヤ『でも、もしも、もう目の前でイチャコラやっちゃった、って言うんだったら、饅頭こわいさん。今すぐペットショップ行って犬買って飼いなさい。弁天は犬が苦手だから。あ、逆に、弁天の所に犬連れてっちゃだめだよ? 同じ理由でね。自滅しちゃうよ?』

コメント『自滅は草』

コメント『神の目の前でイチャコラ視点は無かったわ』

コメント『サクヤちゃん説明うま』

コメント『弁天さん気分屋←草』

投げ銭『¥1000 「弁天行く勇気出た」』

サクヤ『おぉ!? 1000円!? 急にどうした!? ありがと~! 今日、調子いいじゃんウチ! よし、次もいこ!』

ツクヨミ「……1000円、出たわね」

アマちゃん「うらやましい~。あたしも1000円ほしい~」

サクヤ『はい、5つ目。今日はこれで最後ね。HN「石ころ」さん。なになに? 「最近、妹が動画配信とか言って遊んでばかりで、パトロールをサボっています。どうしたらいいですか」……。これって、もしかして……。え、えーっと、あっれ~? おかっしいな! こんな質問貰ってたっけかな!』

コメント『どうした?』

コメント『どうした』

コメント『サックヤ~』

サクヤ『えーっと、その~……。あー……うん! な、なんか、間違った質問読み上げちゃったみたいだね~……。と言う訳でこの質問は無かったことに~……』

コメント『答えて』

コメント『答えれば良いんじゃね?』

コメント『別にいいじゃん』

コメント(石ころ)『サクヤ、姉からの質問には答えられないの?』

ツクヨミ「……ねぇこれって」

アマちゃん「石ころさんだっけ? 石?」

ツクヨミ「イワヒメさんじゃないの、コレ?」

コメント『姉?』

コメント『姉さん?』

コメント『姉登場キター!』

サクヤ『ファッ!? ちょ、待って待って! やっぱコレ聞いてんの!? え? 姉様!?』

コメント『姉様!』

コメント『姉様www』

コメント『姉様キター』

コメント(石ころ)『どうも、姉の石ころです。褒めてくれたのは嬉しいけれど、質問には答えて、サクヤ』

コメント『姉様TUEEE』

サクヤ『ぎゃああああ! 姉様! 公開説教やめてー! ウチだってちゃんとやってるし! なんでこんな質問を……! ってそうじゃなくって!』

コメント『ガチ姉!』

コメント『姉様!』

コメント『姉様!』

サクヤ『え、えーっと、今日のお悩み相談はここまで! みんな、またねー! バイバーイ! 姉様に叱られる~』

プツン……

アマちゃん「終わっちゃったー」

ツクヨミ「終わったわね……。意外と面白かったわ(イワヒメさんは怒ってそうだけど……)」

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