表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/57

ある日のアマテラス

アマちゃん「…………」

シナツヒコ「なんだ? 珍しく正座して参拝客見て。珍しい人間でも居たか?」

アマちゃん「今日、人が多い……」

シナツヒコ「連休だしなぁ。正月と、こういう大型連休じゃ、まぁ混むのは仕方ねぇって」

アマちゃん「うん……」

シナツヒコ(なんか知らんけど、珍しく主祭神モードじゃねぇか)

アマちゃん「…………」

シナツヒコ「んじゃ、俺も自分の宮に来る参拝者をちゃんと見ておくかねぇ」

アマちゃん「……うん」

シナツヒコ(うーん、こっちも見ないでなんか真剣だな……。これは何かあるか……、或いは……)


数時間後


トヨウケ「アマちゃんお昼ごはんですよ」

アマちゃん「……うん」

トヨウケ「あら、なんだか真剣ですね。誰か居ましたか?」

アマちゃん「……まだ……」

トヨウケ「……まだ?」

アマちゃん「……あー! 疲れちゃった! ごはん~」

トヨウケ「はい、山菜ごはんとお味噌汁と焼き魚とお茶です」

アマちゃん「今日人が多い~」

トヨウケ「連休のど真ん中で、しかもいい天気、日曜日で大安となれば、人も多いでしょう」

アマちゃん「そうなんだけど……」

シナツヒコ「あー、腹減った。俺もメシ」

トヨウケ「準備できてますよ」

シナツヒコ「サンキュー。……なぁ、トヨウケ」

トヨウケ「なんですか?」

シナツヒコ「(コソコソ)なんか今日のアマ姉、変じゃね?」

トヨウケ「(コソコソ)確かに。参拝客で誰か探しているような……」

シナツヒコ「(コソコソ)誰かって?」

トヨウケ「(コソコソ)さぁ? 聞いてみたらいかがです?」

シナツヒコ「(コソコソ)うーん……。なんか前にも似たような事があったような……」

アマちゃん「どしたの?」

シナツヒコ「あー、うん。その、今日のアマ姉は真面目だなぁ、と」

トヨウケ「誰かを探しているようにも見えますが」

アマちゃん「えーっと。それは~……」

シナツヒコ「(ん? この反応は……)なーんか、前にも見たことがある光景なんだよなぁ。あとから理由を知って、すげぇガックリ来たような」

トヨウケ「そうなんですか?」

シナツヒコ「いつだったかな~」

アマちゃん「ま、まぁ、たまにはそう言う時もあるんだよね~……」

シナツヒコ「……ああ、思い出した」

アマちゃん「わざわざ思い出さなくてもいいんじゃないかな~……?」

シナツヒコ「あの時も、こんな感じで、参拝客を真剣に見てたよな。一人一人の頭の中まで覗いてさ」

アマちゃん「そ、そんな事あったっけ~?」

トヨウケ「いつの事ですか?」

シナツヒコ「450年くらい前だったか」

アマちゃん「な、何のことかな~?」

シナツヒコ「あの時は、確か、カステラが初めて日本に来た時だったなぁ」

アマちゃん「……うっ」

シナツヒコ「日本でもいつでも食べられるようにしたいなぁ、とか言ってたっけ」

トヨウケ「ほほう」

シナツヒコ「やたら真剣でさ。これは近いうちに災害か、戦か、よくない事が起きるんじゃないかと疑ったんだが……」

アマちゃん「さ、山菜ごはんおいしーな~」

シナツヒコ「よもやの、ただ甘い菓子を定着してくれそうな人間を探してたんだよな」

トヨウケ「……ああ、なるほど。それなら何度か見た光景ですね。カヌレとか、タピオカとか」

シナツヒコ「で、こっそり日本にも店ができるように、バレないくらいに力を与えたり……」

トヨウケ「なるほど。分かりました」

アマちゃん「お、おさかな、おいしーなー」

シナツヒコ「なんか思い当たるもんがあるか」

トヨウケ「つい最近、ドバイチョコレートが人気らしい、と言うのと、それを食べたい、という言葉を聞いたので、おそらくは……」

アマちゃん「ギクギクッ……。おみそしるおいしーなー……」

シナツヒコ「そういや、ドバイからなんだったか。フィックス・デザート・ショコラティエ社って会社のお偉いさんが来日してんだったか」

トヨウケ「なるほど。その人に本場ドバイチョコレートを日本でも作るように仕向けようとしていると」

シナツヒコ「いや、おそらく、その人間に会えたり商談出来たりする人間を探してたんだと思う」

トヨウケ「なるほど。『商売繁盛』にかこつけて、あわよくば本場のドバイチョコレートを奉納させようと」

アマちゃん「さ、さて、参拝客を見てあげないと~」

トヨウケ「お待ちなさい」

アマちゃん「な、なんでしょ~?」

トヨウケ「ご自身の欲望を満たすために人間の『願い』を叶えるのはご法度なのは、よく知ってられますよね……?」

アマちゃん「も、もちろん~」

トヨウケ「では、今回の探し人をお教えいただきましょうか?」

アマちゃん「そ、それは~……その~……」

トヨウケ「いいですか!? アマちゃん! 前だって珍しいお菓子を売り出したからって、ご近所の駄菓子屋さんの『願い』を勝手に叶えて! アマちゃんはただでさえ莫大な神力を持っているのに、加減もうまく出来ないんですから! あの駄菓子屋さんが今どうなっていると――」

シナツヒコ「ごっそさん~。(あー、やっぱそんなとこだよな……)」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ