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珍しい菓子はどうやって

トヨウケ「アマちゃん。おやつの時間なのでお菓子お持ちしました」

アマちゃん「わーい、おやつ~!」

トヨウケ「今日はまた例の駄菓子屋さんが納めてくれたお菓子ですよ」

シナツヒコ「ふーん、相変わらず奉納してくれてんのな。で、今日は何なんだ?」

トヨウケ「ポルボロン、というスペインのアンダルシア地方のお菓子です」

……ダダダダダ!

ツクヨミ「ポルボロン!」

シナツヒコ「走ってきたな……。神のくせに……」

トヨウケ「まぁ、ツクヨミさんの好みのお菓子でしょうからねぇ」

ツクヨミ「昔、一度だけ食べたことがあるわ。どこか懐かしく、甘くて優しいミルキーな味わいでありながら、口の中でスッと溶けるような、落雁のような軽さがある、とても美味しいお菓子なのよ。また食べれる日がくるなんて……」

シナツヒコ「お、おう。良かったな……」

アマちゃん「早く食べようよ~」

トヨウケ「はいはい。今お茶を入れますから」

ツクヨミ「本場ならここは紅茶と合わせるのよ」

シナツヒコ「紅茶かー。俺はあんまり紅茶はなぁ」

トヨウケ「残念ながら、今は紅茶が無いので、はい、ほうじ茶です。これもポルボロンに合いますよ」

ツクヨミ「そう……。紅茶じゃないのは残念だけれど、確かに良い組み合わせね」

アマちゃん「おいしーね~、ぽるぽろん」

シナツヒコ「モグモグ……。おう、こりゃイケる。ほうじ茶に合うじゃねぇか」

ツクヨミ「そうでしょ、そうでしょ! 美味しいでしょ!」

シナツヒコ「甘いモンの時だけぐいぐい来るな……」

ツクヨミ「これ、日本で取り扱っているところが少ないから、本当に珍しいのよねぇ」

シナツヒコ「ふーん……。ってコレ、例の駄菓子屋が奉納したやつだよな……。世界中から珍しい菓子を仕入れているって話だったが、それだとあんまり日持ちしなくねぇか? と言うか、どういうルートで仕入れてんだ?」

トヨウケ「それが、実は、こういう作れそうな物は、駄菓子屋さん内で作っているようですよ」

ツクヨミ「あら。じゃあそこに行けば買えるのかしら」

トヨウケ「はい。まぁ、色々試しているようなので、無い日もあるとは思いますが」

アマちゃん「おいし~」

シナツヒコ「ってことは、前のトライフルってやつもか……」

トヨウケ「どうやらそのようですね。中で作っているようです」

シナツヒコ「もはや駄菓子屋じゃなくて珍しいケーキ屋じゃねぇか」

トヨウケ「アマちゃんの加護と言うか、何と言うか……」

シナツヒコ「そういやアマ姉、その駄菓子屋の『商売繁盛』をこっそり叶えてやったんだっけか」

トヨウケ「ええ。けれども、仮にも主祭神が『願い』を叶えちゃったので、ちょっと効果がありすぎまして……」

アマちゃん「仮じゃないよ~」

ツクヨミ「商売繁盛だけでは収まらなかった、と?」

トヨウケ「そうなんです。元々開いた店への客足は増える一方。さらに駄菓子屋を始めたおじいさまの奥さまも、前はあまりご健康ではなかったようなのですが、アマちゃんが『願い』を叶えた後に健康体になり、こういった珍しい世界のお菓子をご自身で精力的に作るようになったようです」

シナツヒコ「爺さんの方だけじゃなく、まさかの婆さんまで参加かよ……。ま、まぁ商売繁盛の範囲のような気もするな……」

トヨウケ「さらには、疎遠だったお子様方や、お孫さん達までそのお菓子を仕入れたり売ったり作ったりするのに参加するようになり、今やネット販売まで手掛けるまでになっています」

ツクヨミ「そこまでくると、もう一つの小さな駄菓子屋ではないわね」

トヨウケ「最近では、ローカル番組やユーチューバーなどにも取り上げられていて、SNSでもバズっているようですね」

シナツヒコ「……確かに効果が出すぎてるな……」

トヨウケ「駄菓子屋のおじいさまは、『これも神のご加護』と言う理由で、最近は奥様がお作りになられた、世界の珍しいお菓子を定期的に納めてくれています」

ツクヨミ「なんだか、ネタバレしちゃっているというか、何と言うか。何とも言えない感じね」

アマちゃん「おかげで、ツーちゃんの好きそうなの食べれてるからいいじゃん~」

ツクヨミ「それは、そうなんだけれど……。何と言うかそこまで行くと、今度はチェーン店化してグループ企業にまでのし上がりそうな気までしちゃうわね……」

シナツヒコ「商売繁盛には違いないんだが……」

トヨウケ「どうなっちゃうんでしょうかねぇ……」

アマちゃん「いいじゃん~、美味しいお菓子がまた食べれるよ~?」

シナツヒコ「まぁ、チェーン店とかグループ企業とかが実際に起きそうなら、そん時に考えるか……」


その頃 駄菓子屋


お爺さん「お婆さんや。今度は『スフガニヤ』と言うのを作ってみんか?」

お婆さん「面白そうですねぇ。『ロクム』や『キーライムパイ』なんてのも作ってみたいわねぇ」

お爺さん「こんな思い付きでも売れるのも、神様の思し召しじゃの~。なんまんだぶ、なんまんだぶ」

お婆さん「イタリアの『キンダー・サプライズ』と言うのを仕入れてましたねぇ。また神様にお供えしておかないとですねぇ」

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