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お土産

外宮

チュン……チュン……

シナツヒコ「おう、トヨウケ」

トヨウケ「おはようございます。こんな朝早くに珍しいですね。どうしたんですか?」

シナツヒコ「土産だ」

トヨウケ「土産…………? なぜこれを……。あっ! ああ、そう言う事でしたか! すっかり忘れていました」

シナツヒコ「そういうこった。んじゃな」

トヨウケ「ありがとうございます」


猿田彦神社

シナツヒコ「おう、おっちゃんにウズメ」

サルタヒコ「おお、シナツ――」

ウズメ「シナツヒコさん、こちらに来られるのは珍しいですね。どうされましたか?」

シナツヒコ「ああ、土産持ってきた。これ」

サルタヒコ「これは――」

ウズメ「これはまた珍しい物ですね。ああ、そう言う事ですか。わざわざありがとうございます」

シナツヒコ「んじゃ」

サルタヒコ「シナツ――」

ウズメ「ありがとうございます。あなた、これ閉まっておいてください」

サルタヒコ「せめて全部しゃべらせ――」

ウズメ「はやくしてくださいな。今日も沢山の参拝者が来れらますよ」


月読宮

シナツヒコ「おう、ツク姉」

ツクヨミ「あら、こっちに来るの珍しいわね。父さんなら今いないけれど……」

シナツヒコ「またどっかで飲んで寝てしまってんだろ。いいさ。これ土産だ」

ツクヨミ「お土産……? あら、これって、『マカダミアナッツ』じゃない。何故……。ああ、そう言えばあなた……」

シナツヒコ「おう。ホノルル行きの新しい便が出来たからよ、その下見だ」

ツクヨミ「いいわねぇ。『航空安全の神』として崇められるのって。海外とか行けちゃうんだから……」

シナツヒコ「行ってもすぐ戻ってくるわけだけどな……」

ツクヨミ「昨日の夜飛んでたのね。それで、現地についてすぐ戻ってきた訳ね。観光できればいいのにねぇ」

シナツヒコ「まーな。しゃあねぇさ。あんまりゆっくりしてる暇もないしな。空港内なら問題ねぇから、土産買うのはできるんだけどな」

ツクヨミ「でも海外の月夜もさぞかし綺麗でしょうねぇ」

シナツヒコ「まー、厳密には月夜を見れたのは空の上だけどな。着く頃に5時間日の光が進んじまうって経験はなかなか面白いな」

ツクヨミ「たしか、日本とハワイの時差は19時間だったわよね。色々と甘い物もありそうだし行ってみたいわねぇ」

シナツヒコ「そうだけどよ。俺ぁ、新しい便でもできん限り乗らねぇからなぁ……。あと、現地観光とかできねぇしよ」

ツクヨミ「まぁ、日本の風の神がよそ様の土地で勝手にウロウロするわけにはいかないわよねぇ」

シナツヒコ「そうなんだよなぁ。現地の神さんにお呼ばれされてれば、多少観光もできるんだけどよ」

ツクヨミ「それにその間、こっちの風の神が居なくなるわけだしねぇ」

シナツヒコ「居なくなるって程でもないけどな。俺以外でも風神は居るわけだしよ。まぁでも、要である伊勢の風神が居なくなるのはあるわな。その点、ツク姉は新月の日とかはまるまる一日フリーだろ?」

ツクヨミ「そうだけれど、海外に行くなら色々と根回しがねぇ……。結構面倒なのよねぇ」

シナツヒコ「まぁ、絶対に行けねぇって訳じゃねぇだろ?」

ツクヨミ「そうだけれど、ほんっとうに面倒なのよ、海外行く時って……。マッドケーキ買いに行きたいのだけれど……」

シナツヒコ「それこそ月の神、夜の神のツク姉が気軽にここを離れるわけにはいかねぇかぁ」

ツクヨミ「そうねぇ……。根回ししておけば数日なら大丈夫なんだけれど……。こういう時だけ、あのバカが羨ましいわ……」

シナツヒコ「あー、スサノオ兄か……。スサノオ兄は、まぁ海さえあれば良い訳だからなぁ。今もポセイドンさんに誘われて、ギリシャ行ってんだろ?」

ツクヨミ「向こうでご迷惑かけてないかしら、あのバカ」

シナツヒコ「そこは向こうのお偉いさんか誰かに任せとこうぜ……。てかナチュラルにバカって言うのやめとこうぜ……」

ツクヨミ「……考えておくわ」

シナツヒコ「ツク姉、今から寝るんだろ? 俺、戻るわ」

ツクヨミ「ええ、ありがと。お休みなさい」


本宮

アマちゃん「ジー……」

シナツヒコ「……………」

アマちゃん「ジーーーー」

シナツヒコ「…………な、なんだよ?」

アマちゃん「……お土産?」

シナツヒコ「…………なんの事だ?」

アマちゃん「お土産は? はわいのお土産」

シナツヒコ「……あー、うん。トヨウケに渡しといたよ……」

アマちゃん「えー!? あたしには〜?」

シナツヒコ(て言うか、言ってねぇのになんで分かんだよ……。俺が出る頃には、ぐーすか寝てやがったクセに)

アマちゃん「お土産! お土産! まかだみあなっつー!」

シナツヒコ「なんでそれを……って、それは、あれだ。食べ物なんだから、トヨウケに渡すのがスジってもんだろ」

アマちゃん「それじゃあ、トヨちゃんに渡したのとおんなじだよ〜! お土産! お土産! はわいあんすとろべりー!」

シナツヒコ(さっきのは適当に言ったのが当たっただけか……。ハワイアンストロベリーは確か通販で買えたな……。ってそうじゃないか)

アマちゃん「お土産お土産! お土産ー!」

シナツヒコ「はぁ、分かったよ……」

アマちゃん「ほんとに!?」

シナツヒコ「但し、食いもんじゃねぇ」

アマちゃん「えー! そんな〜!」

シナツヒコ「アマ姉に勝手に食いもん渡したら、俺がトヨウケに怒られる。けど、ちゃんと土産として買ったモンだ(これはアマ姉用に買ったモンじゃねぇけど)」

アマちゃん「なになに〜?」

シナツヒコ「これだ」

アマちゃん「……がいこつの……キーホルダー?」

シナツヒコ「正真正銘、ハワイで買ったモンだ」

アマちゃん「……なんでハワイで、がいこつ?」

シナツヒコ「……知らん」

アマちゃん「これ、おかーちゃん用のお土産じゃないの?」

シナツヒコ「安心しろ。かーちゃん用のは同じモンを買ってある」

アマちゃん「ふ~ん。おかーちゃんか、スー君が喜びそう……」

シナツヒコ(そうだとも。そりゃ、スサノオ兄用の土産だからな)

アマちゃん「ま、いいや。ありがと~。次はハワイアンストロベリーが良いな〜」

シナツヒコ「食いもんは買ってきてもトヨウケに渡すぞ」

アマちゃん「えー! そんな〜!」

シナツヒコ(実際、トヨウケにはアマ姉の分を含めてマカダミアナッツを二箱渡してあるしな……。さて、スサノオ兄用の土産が無くなっちまったが……。ま、いいか。今、日本に居ねぇし)


その頃 ギリシャ

スサノオ「YO! 俺は海神! こいつも海神!」

ポセイドン「俺たち揃って海神ユニッツ! 今日はスペシャルコラボだぜ! 全てを繋ぐ日本の神!」

ククリ「ワテやで〜!」

スサノオ「HEY! 今日は一夜限りのコラボだぜ! ライムもフロウも関係ねぇ!」

ポセイドン「なら行ってみようか! 俺とお前! それに加わる日本の神! 海神ユニッツ、ウィズ、ククリヒメ!」

ククリ「ほな! たこ焼き! たい焼き! モダン焼き! 今ならおまけで飴ちゃん付けたる! 安いで! 美味いで! 大きいでー! 大阪来なはれ! 売ったるさかいに!」

スサノオ&ポセイドン&ククリ「イエーイ!!!」

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