アマテラスオオミカミ③
チュン……チュン……
道真「ふぁ……。朝ですな。少しは眠れてよかった……。はて?」
カラカラ……
道真「神気が静まっておられる……」
チュン……チュン……
道真「シナツヒコ様、おはようございます」
シナツヒコ「おう、おはようさん。少しは眠れたようだな」
道真「ええ、お陰様で。……しかし、シナツヒコ様は一睡もしておられないのでは……?」
シナツヒコ「まぁな。でも別に慣れてるしな。問題ねぇよ」
道真「私ばかりが寝てしまい、申し訳が……」
シナツヒコ「構わねぇって。お前と俺じゃ『元』が違うからな。別に寝れねぇならそれでも特に問題はないんだよ」
道真「左様で……。ところで……」
シナツヒコ「おう。収まったようだ」
道真「先日、私がこちらに参った際には、アマテラス様は既にあの状態でございましたが、そう言えば、いつ頃からあの状態だったので?」
シナツヒコ「ん? ちょうど昨日の朝からだな。一昨日の夜はいつものアマ姉だったよ」
道真「ふむ……。ちょうど一日程で収まるのですな」
シナツヒコ「そうだな。まぁでも、今回はちぃっとばかし早かったな」
道真「…………ふと思ったのですが……」
シナツヒコ「なんだ?」
道真「アマテラス様は、数多あるご自身の分祀を集められ、神気を注ぎつつ、情報を得ているとの事でしたが……」
シナツヒコ「そうだな。それがどうかしたか?」
道真「百数年分置きと言う事は、その百数年分の情報を数多ある分祀から得られている、と言う事でございますよね……」
シナツヒコ「ま、そうだな」
道真「……それを僅か一日で処理された、と言う事でございますよね……」
シナツヒコ「そうなるな」
道真「スペックヤバくありませんか……?」
シナツヒコ「量子コンピューターも真っ青な処理速度だよなぁ」
道真「私も学問の神などとされていますが……。アマテラス様には到底及びませんな……」
シナツヒコ「あと1万年くらい神やってれば、足元くらいにはなるだろ」
道真「気が遠くなりそうですな……」
シナツヒコ「ま、そう、気にすんな。それより今日は宴だ」
道真「……宴ですと?」
シナツヒコ「身内だけの小規模なもんだけどな。まぁお互いを労って、良いもん食おうぜ、って感じの物だ。お前も参加しろよ」
道真「私は何もしておりませぬが……」
シナツヒコ「いいから、いいから。時間になったら呼んでやるよ」
道真「……それならばせめてご準備などの手伝いを……」
シナツヒコ「いや、必要ないよ。そんな大層なもんじゃないからな」
道真「は、はぁ……」
しばらくして
道真「伊勢にて茶を楽しむのは格別ですなぁ」
シナツヒコ「おーい、宴の準備ができたぜ」
道真「なんと。準備にも参加せず申し訳ございませぬ」
シナツヒコ「構わねぇよ」
道真「せめてトヨウケ様にでも感謝を……」
シナツヒコ「いんや。今日はトヨウケもほぼなんもしてねーよ」
道真「……では一体、どなたがご準備を?」
シナツヒコ「ウーバーイーツだ」
道真「……ハイテクで御座いますな」
テクテク……
アマちゃん「あ、シナっちー、みっちゃーん」
シナツヒコ「おう。連てきたぜ」
トヨウケ「ご足労いただき、ありがとうございます」
道真「いやいや、私の方こそ、お呼び頂き、恐悦至極に御座います」
アマちゃん「お寿司来てるよー」
道真「これは豪勢な」
ツクヨミ「卵巻きはちゃんと来てる?」
トヨウケ「はい。うまきもございますよ」
アマちゃん「ウニー、イクラー、アマエビー」
シナツヒコ「青物は……うん、あるな」
トヨウケ「納豆巻きとカッパ巻きがあるので嬉しいです」
道真「……私は余り物で十分でございます」
シナツヒコ「じゃあ、大トロとサーモンとハマチは道真な」
道真「……は!?」
シナツヒコ「だって誰も食べねーもん」
道真「い、いや、しかし、まだこちらにお越しでないお方も……」
アマちゃん「誰?」
道真「スサノオ様や……」
トヨウケ「スサノオさんには、特大サイズのピザを送っておきましたよ」
道真「へ?」
シナツヒコ「スサノオ兄は、寿司は食べ飽きたってよ。今はピザにハマってんだよ」
道真「で、では、イザナギ様には……」
ツクヨミ「父さんは、お酒とおつまみがあれば良いから」
トヨウケ「ハブ酒と、柿ピー(わさび味)を送っておきましたよ」
道真「な、なるほど……。では、イザナミ様には……?」
シナツヒコ「かーちゃんには、ハンバーガーのビックリマックリハッピーセットの期間限定版を送ってあるよ」
道真「……それで良いので……?」
アマちゃん「なんか、期間限定の特典フィギュアを集めてるんだってー」
道真「そ、それはまた……。って黄泉にどうやって!?」
シナツヒコ「ウーバーイーツで」
道真「……えー……。今時のウーバーイーツって黄泉にも送ってくれるのですか……?」
黄泉
???「お届けものにゃーん」
イザナミ「あらあら、何かしら?」
火車「期間限定ビックリマックリハッピーセット(特典付き)にゃーん」
イザナミ「あらあら、嬉しいわねー。でも特典がダブらなければ良いのだけど」
火車「受け取りのハンコお願いしますにゃーん」
イザナミ「火車も好きねぇ。配達業務」
火車「趣味と実益を兼ねてますにゃーん」
伊勢
一同「では、いただきまーす!」
アマちゃん「甘エビおいし~」
ツクヨミ「この卵焼き、お砂糖効いてて良いわね」
トヨウケ「納豆巻きは間違いがありませんねぇ」
シナツヒコ「サバうめぇ~」
道真(誰も大トロ食べないから、頂くとしますか……。はて? 誰か忘れているよーな……)
トヨウケ「とっておきの大吟醸もありますよ」
シナツヒコ「おー、くれくれ」
アマちゃん「イクラおいし~」
ツクヨミ「そう言えば、ケーキも頼んでいたわよね」
トヨウケ「不死屋のケーキはお寿司がなくなる頃に来るよう時間指定してありますよ」
シナツヒコ「この酒うめぇ。道真も飲め飲め」
道真「で、では失礼して……」
その頃 富士山頂
オオヤマツミ「あのー、こんなところでカップ酒で一杯やらないでもらえますか……?」
ククリ「別にええやん! 閉山日過ぎとるし、人間こーへんし」
オオヤマツミ「こんなところで、スルメを炙り焼きしないで欲しいのですが……。指から火を出せるからって……」
ククリ「ゲソ美味いで! あんたも食べるか?」
オオヤマツミ「ゴミは持ち帰ってくださいね……」
ククリ「分かっとる、分かっとる! ガッハッハッハ!」




