祭一時
二人は国へと入る。空は曇っていた。天使社会であったこの国は、天使が消失したからか、祭りが開かれていた
「すごい祭りだね!」
「そうだよね。フィリア、遊ぼ!」
「お金ないけどね」
「あっ……」
二人は雰囲気だけでもと歩いていた。屋台も多く、人々は笑顔だった
「みんな楽しそうだね!」
「うん、そうだね」
その瞬間、フィリアは肩がぶつかった,
「ごめん」
「気にするな、子猫ちゃん」
まさか……
「「アンリ!!」なんでここに?」
「それはこっちのセリフだ」
「私たちは……色々あって、とりあえず戻ろってことになった」
「そうか。色々ってのも聞きたいが、とりあえず屋台を巡るか」
「アンリ!奢って!お金ない!」
「好きに遊べ。結構持ってきたからな」
「やった!」
それから、色々と話した。最初の屋台が見えると、そこはバナナチョコ屋だった
「バナナチョコ食べたい!」
「待てフィリア、最初から食す気か?」
「え?ダメ?」
首を傾げた
ふつうは遊んでから最後に食し、花火でも見て帰るもの。しかし、こうも可愛らしい。そして俺の考えに過ぎない
「よし、許可する」
「お、お嬢ちゃんバナナチョコ食べてくかい?」
「食べる!」
「あいよ」
フィリアは食べながら、三人は歩き出す
「フィリア、あれを見ろ」
「どれ?」
「金魚掬いだ」
「金魚救い?って、救わなきゃ!」
「ルール知ってるか?」
「知らない」
アンリは話しかける
「頼む」
金を渡すと網が三本渡された
「チャンスは三回。破れたらアウト」
フィリアは小声で言う
「アンリ、能力とか使ったらダメだからね?」
「俺がそれをするやつに見えるか?」
「見える」
ルティーナもひっそり頷いた
「ルティーナ、お前までもが……しかし見ているといい。結果は」
アンリは金魚を物凄い速度で掬った。水に浸らぬよう浅く、それでいて素早く。気がつくと、殆どの金魚を取っていた
「悪いな」
「いや、ええ……これ赤字だよ、おじさんが可哀想だよ」
「いいんでぇ。ルールの範囲で取った、文句はねえ」
「いや、全て返す。俺らは旅人でな、金魚の面倒は見れない」
「そ、そうかい」
気がつくと花火が上がっていた
「フィリア、お前と同じくらい……」
「アンリ……」
「音がでかい」
「は?」
「確かに……あと、フィリアと同じくらい明るくて綺麗……」
「待て、それは俺のセリフだろ?」
「もうアンリなんて知らない!ルティーナと結婚する!」
「俺にはマヨネーズがいる」
「いないじゃん!相手にされてないくせに」
「俺も泣くぞ?」
「アンリが泣いてる所見たことないし!」
その瞬間、大きな花火が上がる。三人の意識はそっちに取られた
「フィリアと掛けて花火と解く。爆発」
「アンリ後で色々話あるから」
「……はい」




