原点への片道
「人間さんか。ってことは、私の仕事かな」
白い人型の化け物だった。二人の立っている場所はその機械の上だった
「えっ……誰?」
「私はこの機械を唯一創れる神。乗っていきな。ゼウスから聞いてるよ……」
「分かった」
「準備ができたら、その赤いボタンを押してね。下がるボタンは存在してない。取り付けて作ったこともあるけど、上手くそこまで行かなかったんだ。何度も色々試したけど、それでしか作れないように、もしくはそれ以外を何者かが拒んでる」
フィリアはそのボタンを押した。機械に光がつくと、その機械はゆっくりと進んでいく
「さようなら……世界」
「フィリア……色々あったな……ここまで」
「そうだね、ほんとに」
ルティーナは続けて訊く
「能力はどうだ?」
「使える気がする。ゼウスの力のおかげで」
「そうか……それは頼もしい」
進んでいく。そこから見下ろす景色は宇宙であり、地球や太陽もある。しかし進むにつれ昔の姿へと、青き島なき地球へと戻っていく
「綺麗だね!景色」
「そうだな……」
更に進むと、地球は少しずつ形が悪くなり、次第に分解をする。戻れば戻るほど星は減っていき、明かりのない宇宙へと変わっていく
「今ってさ、昔に昔にと向かってるんだよね」
「だな」
「昔の宇宙って、こんな寂しかったんだね」
更に進むと、長い間真っ暗な空間が続く。星は殆ど消え、最後の一つも消えた
「あ、最後の……」
「ここから原点へ入るはずだ。警戒しておけよ?」
「分かってるって」
更に暗い空間が続くと、宇宙に亀裂が入る
「え?」
「割れた?どうなってる」
宇宙が次々と崩壊していくと、二人の頭に巨大な負荷が掛かる
「なにこれ!」
「空間を超えてるんじゃないか?」
重すぎる。ゼウスの力がなければ死んでいた
「ルティーナ、あれ!」
「?」
空間を超えると、何も存在しない空間へと入っていく。そこを超えると、一つの宙へ浮かぶ小さな島が見え、機械はそこへ停止した
「止まった?!」
「ここが原点か?」
『半分正解よ』
脳に響く声。辺りを見ると、その島を囲うように巨大な半透明の化け物が現れた。ドラゴンのように長く細く、それでいてとてつもなく長く、上半身は髪の長い人のような形をしており、無数のキューブにより作られた身体だった
「あれは……なんだ?」
『全ての原点。それは何もない』
「ない?なら何を壊せば」
『原点は何もない『無』と『時』が重なり、動き出した。時の持つ時を進めるというエネルギーが拡大していき、形を変え世界は先へと進む』
「時が持つエネルギー……」
『しかし全てを終わらせるのなら、和夜を殺せばいい。和夜は時の作り出したエネルギーを具現化させた物』
「なら……貴方を殺せば、全てが終わるんだね?」
『その通り。しかし和夜は時のエネルギーの具現化であると同時に、時のエネルギーがオリジンを守るべく作った、言っしまえば防衛兵器だ。和夜の意思に問わず、攻撃をすれば牙を剥く』
「どうする?フィリア……いや、愚問だったな」
「倒すよ!オリジンを!」




