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死ななき駒は打ち砕く!  作者: 中西かえで
本編
41/43

原点への片道

「人間さんか。ってことは、私の仕事かな」


白い人型の化け物だった。二人の立っている場所はその機械の上だった


「えっ……誰?」


「私はこの機械を唯一創れる神。乗っていきな。ゼウスから聞いてるよ……」


「分かった」


「準備ができたら、その赤いボタンを押してね。下がるボタンは存在してない。取り付けて作ったこともあるけど、上手くそこまで行かなかったんだ。何度も色々試したけど、それでしか作れないように、もしくはそれ以外を何者かが拒んでる」


フィリアはそのボタンを押した。機械に光がつくと、その機械はゆっくりと進んでいく


「さようなら……世界」


「フィリア……色々あったな……ここまで」


「そうだね、ほんとに」


ルティーナは続けて訊く


「能力はどうだ?」


「使える気がする。ゼウスの力のおかげで」


「そうか……それは頼もしい」


進んでいく。そこから見下ろす景色は宇宙であり、地球や太陽もある。しかし進むにつれ昔の姿へと、青き島なき地球へと戻っていく


「綺麗だね!景色」


「そうだな……」


更に進むと、地球は少しずつ形が悪くなり、次第に分解をする。戻れば戻るほど星は減っていき、明かりのない宇宙へと変わっていく


「今ってさ、昔に昔にと向かってるんだよね」


「だな」


「昔の宇宙って、こんな寂しかったんだね」


更に進むと、長い間真っ暗な空間が続く。星は殆ど消え、最後の一つも消えた


「あ、最後の……」


「ここから原点へ入るはずだ。警戒しておけよ?」


「分かってるって」


更に暗い空間が続くと、宇宙に亀裂が入る


「え?」


「割れた?どうなってる」


宇宙が次々と崩壊していくと、二人の頭に巨大な負荷が掛かる


「なにこれ!」


「空間を超えてるんじゃないか?」


重すぎる。ゼウスの力がなければ死んでいた


「ルティーナ、あれ!」


「?」


空間を超えると、何も存在しない空間へと入っていく。そこを超えると、一つの宙へ浮かぶ小さな島が見え、機械はそこへ停止した


「止まった?!」


「ここが原点か?」


『半分正解よ』


脳に響く声。辺りを見ると、その島を囲うように巨大な半透明の化け物が現れた。ドラゴンのように長く細く、それでいてとてつもなく長く、上半身は髪の長い人のような形をしており、無数のキューブにより作られた身体だった


「あれは……なんだ?」


『全ての原点。それは何もない』


「ない?なら何を壊せば」


『原点は何もない『(オリジン)』と『(とき)』が重なり、動き出した。時の持つ時を進めるというエネルギーが拡大していき、形を変え世界は先へと進む』


「時が持つエネルギー……」


『しかし全てを終わらせるのなら、和夜を殺せばいい。和夜は時の作り出したエネルギーを具現化させた物』


「なら……貴方を殺せば、全てが終わるんだね?」


『その通り。しかし和夜は時のエネルギーの具現化であると同時に、時のエネルギーがオリジンを守るべく作った、言っしまえば防衛兵器だ。和夜の意思に問わず、攻撃をすれば牙を剥く』


「どうする?フィリア……いや、愚問だったな」


「倒すよ!オリジンを!」

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