新形態
その頃、エングランの正面に一匹の黒猫が現れた。可愛らしく、毛づくろいをしていた
「猫を被るのは終わりにしておけ。ただの猫が俺のオーラに耐えられるわけないだろ?」
「正解」
猫はあの日ヒカリノの見た化け物と同じ、全ての皮膚が剥がれたような人間。しかし赤くはなく、黒かった
「それが正体か」
凄まじいオーラが終焉を覆う
「そう、神の姿。和夜たちは世界の最初に誕生した、言ってしまえば創作者。全てを創作し、した果てに飽き、次は神へ挑めるようにと天使を作り、殺されるの待ち状態」
女の神は話を続ける
「神にも分からないことがある」
「分からないことか」
「和夜ら神は誰に作られたのか。和夜らは何故生まれたのか。和夜らより上の何かがいたら、それは何か」
「ほう、確かに考える余地のある内容だな。なら、お前らを倒して俺たちが確かめてやろう」
女は消えると、既にエングランの腹に拳を入れていた。エングランも反応し拳を入れようもするが、既におらず、速度の桁が違った
ヒカリノはこのレベルから逃げたのか?ほんと、あいつも化け物だったからな
「さてと、始末するか」
エングランは両手に破壊を纏った。そして瞬間移動をすると、神に向かい拳を放つ。しかし両腕が外れた
「これも神の力か」
神が背中へ回り込んだ瞬間、エングランは神の腹へと蹴りを入れた。腹に穴が開いたと同時に、神の攻撃によりエングランの被り物が外れた。被り物の下には何もなく、切れた首だけが残る。被り物の方から声が聞こえた
「お前ら神は、俺たち人間でも勝てるよう、強すぎる能力を自らで禁止能力とし封じている。だから対処不可能な能力はないんじゃないかと思ってな」
エングランはその顔を手に取り、頭に着けた。そして、地に落ちた両腕を肩と合わせると、簡単にくっついた
「これは取り外す能力。対処法は外されたら、すぐに空中でくっつけることってところか?」
女は拍手をする
「名乗ろう。和夜の名はクロノス。この能力は初見での対処が難しいもの。対処法は、バリアを除けば存在しない」
「特殊な能力はバリアに弱い分、バリアのない相手には凄まじい効果を発揮する。俺が名乗る必要はないと思うが、クロノス、お前の存在を破壊する」
「してみよ」
サカツキとミハネは家や物の陰に隠れながら先へと進んでいた。ミハネは自分の胸に手を当て、サカツキの背を見ていた
お姉ちゃんと歩いてるっ……ほんとに私なんかが!
「お姉ちゃん!何か来たら私に任せて!」
「なら、今来てるやつをやれ」
「分かった!」
何か来てるって……何が?──下!!
ミハネは罠を張り、後ろヘと下がる。地の土から出てきたのは、人間の手
「なんだ、人間か」
「死体だけどな」
「え?死体?」
サカツキはその手を掴み、地上へ引きずり上げた。人間の死体であり、目玉は抜かれていた
「なにこれ、気持ち悪い」
「神の図画工作か……私たち人間に対する挑戦状とも受け取れる。生命への冒涜に怒るからな、人間ってのは」
「お姉ちゃんは違うんでしょ?」
「私はしてきた数の方が多いからな。これを創造した神の相手は私が相応しいのかもな。似た者同士」
「よーし!行こう!そいつ殺りに!」
「忘れるな。私たちは目立たず行く」
「はい!」
アンリはその神と二人、広い草原にいた
「さてと、神なんかに、この俺の足止めが務まるのか」
「和夜への愚弄……悪いけど、君を殺してすぐに戻るよ」
「神に二言なんてダサいことはないよな?つまり俺を殺すまでは、ここに居る。お互いに足の引き合いをしようか」
「ならないよ、そんな勝負には」
既にアンリの首にその手が触れていた。その瞬間、アンリは避けるように消えた。氷の速度を利用し、氷を手につかみ避けていた
「足の引き合いだ」
「俺の足止めが務まるかと云った人間が、こうも逃げ腰だと滑稽だよね」
「神一人を終始この場に留めさせておけば、それはこのチーム戦において滑稽と言えるのか。もっと視野を広く持て」
「確かに話がほんとになるのなら滑稽に見せかけた最強の味方。しかし相手が悪い。足止めは不可能さ」
神は消えると、アンリの目の前。アンリが後ろへ素早く後ろへ氷を掴み移動すると、既に目の前へいた。そして、周りを見ると何百人もの神がいた
「分身相手は得意分野だ」
周囲に細い氷を幾つも張り巡らせ、フィールドを作る。分身は全員、その氷を殴り壊した
実体のある分身か
「最高の土産だ」
その辺りの地は全て凍っていた。その氷が地から生えると、自我があるかのよう神の分身を次々と消していく
「遊びは終わりにしようか。和夜も少し腹が立ったよ」
「遊び?雑魚の使う言い訳か」
「和夜に本気を出させた。その逃げ足への敬意として、名を一つ。アヌビス」
「ほう、人間に名乗ったのは何度目だ?」
「初だ」
アンリは余裕そうに氷剣を前へ出す
「名乗った直後に申し訳ないが、すぐに死ぬことになる。神の本気を見せることになる」
「見せてみろ」
その犬の皮が剥げていくと、中からは皮膚のないような紫の人間。オーラが増すが、更にその姿を変え、背から長い棒が立ち、そこから左右対称に腕が生える。棒には紫の肉がついていき、次第に巨大でかかしのような見た目をした化け物が仕上がった。更に下に残された本体は足へと変化し、上の方、その顔の位置に巨大な口と目が置かれた。八メートルほどある化け物であり、それは世の生物でなかった
「「外見こそが全てだ。調和も平等も無くし与えた外見、そこに生まれる差こそが、和夜の絶対の摂理」」
終焉にいる者たちへ、この明らかなオーラは示された
これは化け物だ。俺の知る限り、最も




