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死ななき駒は打ち砕く!  作者: 中西かえで
本編
33/43

終焉間

エングランは大量の荷物を抱えていた。全員で円になり、エングランは説明をする


「この荷物には食料が入ってる。別行動もあるだろうから、食料は一人一袋持て。色々入ってる楽しい袋だ」


エングランは一袋を全員に配る


「アンリ、これ少なくない?」


「いや、多すぎるな」


「え、アンリの多いの?」


「たぶんお前と俺で感覚が違うだけだ。何せ俺は食事に興味がないからな」


エングランは説明を続ける


「その袋にタイマーが入ってる。それがゼロになったら、全員撤退の合図だ。合図から一日以内に、前も説明した、ここの最上階「会議室」にいなかった者は、死んだと見做す。タイマーは一週間で切れる」


会議室へと全員が来た。埃が酷く、全く使われてないことが分かる。色々ボロボロであり、エングランと初月の戦闘跡が残っていた


「この天井を抜けると、吸い寄せられるよう終焉へと行く。作戦をもう一度話す。フィリア、お前が説明しろ」


「え?なんで私?」


「聞いてなさそうだからな」


「思われても仕方ないな」


「ちょ、バカアンリ!……分かったよ。とりあえず、終焉とか神の地がどうなってるか分からないから自由に動く。けど、サカツキを不意打ちの隠切札(ヒッサツ)として使うから、とにかくサカツキを隠すのが大事」


「完璧だ。サカツキの不意打ちが決まれば、神を一人、確実に倒せるはずだ。フィリア、お前は真正面から行け。そして黒炎で破壊してくれ!」


「任せて!」


その終焉へと全員が入る。空には黄色く光が差しており、その巨大な国が遠くに見える


「それじゃ、全員健闘を祈る。サカツキの護衛として……」


ミハネは物欲しそうにエングランを見つめていた


「ミハネを一人つける。残りは自由だが、なるべく敵の数を減らしてくれ。そして神の地に入るときは、袋に入れてある機械でサインを送ってくれ。これは地に振動を起こすことで、合図を伝えられる」


全員で行動するのも手だが、相手の戦力も固まることになる。それは分が悪い


「なら、解散だ」


「ミハネ、行くぞ」


「お姉ちゃん!はい!」


これほど嬉しそうなミハネは初めてだった。二人は瞬間移動をし、先へ進んでいく。ネラー、ティア、オッドの三人は同時に瞬間移動をしていき、三人で行動するのだと分かる。それはあの六人組も同じであり、瞬間移動をし六人で消えていく


「よし、私たちも行こ!」


「とりあえず、俺たちは正面から行く。フィリアを軸として、敵のヘイトを集める」


「なら、私は少し離れて動こう。そうすれば、三人を襲うやつに私が後ろから挟む形を取れる」


「わ、私は……」


「アマサカも私に着いてきて!よし、早く行くよ。時は待ってくれない!」


四人は先へと進み、国の入り口へと到着をした。フィリアは片手に巨大な黒炎を作り出し、それを思い切り放った。全ての家を貫き、その神の住む建物の門をも貫いた。そして神の巨大な館へ触れる瞬間、黒炎は巨大な爆発を起こした


「ふぃ、フィリア?あ、あれはどうなっているのですか?」


「何かにぶつかった。私の黒炎は全てを貫く。おそらく、神か何かが身体を張って止めに」


遠すぎる国を一つ跨いだ門の先、そこに黒く細身の犬顔に赤目の生物が立っていた。高そうな素材の服を着ており、その細目で睨むと見えていないはずのフィリアたちは殺気を強く感じた


「あれはヤバいね」


「フィリア、構えろ。たぶん、來るぞ」


気がつくと、アンリの腹がその犬の手で貫かれていた。その距離を、反応の効かない速度で移動したことに、その場の誰もが震えた


「アン……リ?」


神か……?好都合だ。ここは俺らのフィールドだ


その場は氷のドームに囲まれていた。そして氷が長く伸びると、その神を突き刺し……破壊されたのは、鍛え強度の上がったアンリの氷の方だった。氷は散り、その奥からフィリアが黒炎を手に纏い飛びかかる


「終わりだ」


既にアンリが神の足元を氷で固めており、その突き刺す神の手を自分の片手で、神のもう片方の手をアンリの空いてる手で掴んだ


「和夜は全知全能だぞ?この程度で」


アンリを軽く持ち上げた


嘘だろ……ってことは、まずい


アンリは幾つも壁を立てる。アンリの考え通り、そのフィリアの方へアンリを投げようとしており、それを遅らせるべく作った幾つもの壁、それを次々と割っていく


「空間移動!」


アマサカの能力、アンリが消えた。そして、フィリアの黒炎が神の顔へと直撃した。黒く燃え立ち、その顔からは黒い血が流れた。神はフィリアの腕を掴むと、投げ飛ばした


「くっ……」


フィリアは建物一つを貫いた。それほど軽く投げられており、フィリアはすぐに戻る


「大丈夫か?」


「もちろん!」


神は少し嬉しそうにしていた


「黒炎を育て上げたか。和夜らが人への使用を禁じた力。フィリアに能力を授けた理由(ワケ)は、和夜を殺させる為」


「殺させる?何言ってるの?」


「和夜ら神は何度も何度も、何個も何個もの世界を見てきた。この地から出られず、退屈は増すばかり。ある日から、和夜らを殺せる可能性のある個体を作るようになった。これはゲームだ。人類を支配する和夜らと、その最悪を打ち砕く人間との」


「ゲームって……私たち人間をなんだと思ってるの!」


「運命により行動をプログラムされた人形かな」


「最低!」


「わ、私の空間移動、上手く使ってください」


神……怖い


「なら、フィリアと……あいつを空間移動で上手く使え。俺は移動なしに戦う」


アマサカが能力を使うと、黒炎を構えたフィリアが目の前へ現れる。神が避けようとした瞬間、その後ろでルティーナが刀を振っていた


「貫通の暴力か」


神はその場から消え、別場にいた。しかしすぐ、元の位置へと戻っていた


なるほど、アマサカの能力か


神は黒炎と刀の二つを同時に喰らう。黒炎が顔を覆い、身体は二つに切れた。アマサカは下半身の方を空間移動で遠くへと飛ばした


私の飛ばせる範囲は一キロに満たない……これで復活とかしないといいけど


「アマサカ……よくやった」


アンリはアマサカの頭を撫でた


「ちょ、アンリ、だだだ、大丈夫ですか?」


「大丈夫だ。ヒールで治している。それより、生きてるんだろ?神は」


「正解。和夜は簡単には死なないさ」


足が見る見ると再生していく


「嘘だろ?」


「今すぐやる!」


ルティーナはその刀を高く上げ、振り下ろした。その瞬間、刀が地へと落ちる。ルティーナの両手が無くなっていた


「なぜ……?」


「この世の全ての能力が使えるからね。上手く組み合わせれば、造作もない芸当。これでも手を抜いて遊んでるんだ。そして、和夜らはその遊びレベルに勝てればゲームクリアと言っている」


アンリは氷剣を構えた


俺のすべきことは時間稼ぎか。この俺を時間稼ぎ役に使うなど、なんと贅沢な奴だ


アンリはほんのりと笑っていた


「フィリア、百の世界を超えろ。今のままでは、この化け物に負けるのも時間の問題だ。アマサカ、俺ごと連れてけ!」


「え……分かりました!」


アマサカは神とアンリを遠く、終焉の端へと飛ばした


「アンリ!!」


私が百の能力を……あの日から、一度も使えなかった能力。なんで使えない?なんで?こんなに頑張ってるのにどうして使えない?なんであの時は使えた?時間はないよね。アンリは時間を稼ぐって言ったけど、あんなボロボロの身体で無理に決まってる。早く私が使えるようにならないと。なんで使えないの?何がダメなの?あの日使えた理由──王様に会う目的があった。でも叶ったから、目的を達成して能力たちは成仏しちゃったんだ……じゃあ、私は……私は何をすればいいの?

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