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死ななき駒は打ち砕く!  作者: 中西かえで
本編
30/43

特訓場

更に奥の部屋。エングラン立ちサカツキが椅子に座るその舞台の後ろに扉はなかった。アマサカはまだ震えが残っており、立てば震えてバランスも安定せず、座っていた


「フィリアさん……ちょっと耳を貸してください」


「どうしたの?」


フィリアの耳元で、小声で話す


「漏らしたの?」


アマサカは顔を赤くした


なんで言うの……男性の方には聞かれたくなかったのに……


「漏らしたのか?なら俺が賞味してやろうか?それともパンツを替えてやろうか」


「こらアンリ!変なことしたらエングランの被り物の中に追放するから!」


「それは遠慮しておこう」


フィリアはサカツキを呼んできた


「アマサカか。お前が実戦不足なのは見てれば分かるが、それでエングランの意地悪い試験を超えたなら見込みが高い」


サカツキはフィリアのパンツに手を当てると、すぐに漏らし跡が消えた


「あ、ありがとうございました!」


そしてエングランは話す


「試験は終わりだ。ここからは特訓をする。最低条件、バリアとヒールの取得」


フィリアは訊く


「ねえ、ヒールはエングランの能力じゃダメなの?」


「ダメだ。あれを全員に掛けると、何十人と怪我なんてすれば、それを治癒する力が俺から持っていかれる。主戦力となる俺の弱化は避けたい」


エングランは話を続ける


「最低条件、バリアとヒールの取得。それも実戦で使えるレベルのな。それから、瞬間移動。速度が上がれば勢いがつき、火力も大きく上がる。そして回避にも使える。その三つが既にできるのなら、身体能力と能力の向上を目的にする。三種の技ができるやつは俺の方に、それ以外はサカツキの方へ行け。解散」


アンリもルティーナも瞬間移動までできる。私だけができない……


「フィリア、早くこっちに來いよ」


「分かってる。任せて」


アンリ、ルティーナとフィリア、アマサカは別れた。その日から特訓がはじまる。エングランの方へ行けたのは、十四人。サカツキの方は十四人と、きれいに分かれた


「サカツキお姉ちゃんの方が良かったのに!こんな変なハゲの相手をどうして私がしなきゃダメなの!!」


「サカツキに妹がいたのか。長く共に旅をしてきたが、全く知らなかったな、これは。とりあえず、全員で俺に向かってこい。全員の実力を測る。能力は無しだ」


「いくらエングランでも、強くなった私たちを相手に難しいだろ。それに、人数も物凄く多い」


「ルティーナ……お前、能力なしで戦えるのか?」


「……そうだな。少し厳しい」


アンリは呆れた様子を見せる。エングランが堂々と立つ中、最初に瞬間移動を使い向かっていったのはサカツキの妹だった


「たったと始末するから!」


エングランの目の前へ現れると、その拳を顔に思い切りぶつけた。その勢いで地は少し割れていた


「いい強さだ。しかし、軽い。身体能力が欠けてるな。昔のサカツキと同じだ」


「昔のお姉ちゃんと同じ?!」


「喜ぶな。今のサカツキを目指せ」


「はい!」


アンリは飛び蹴りをする。ルティーナは正面から背を低く走り向かい、例の六人組は見ているだけ。メラアは瞬間移動で消えた。アンリとメラアの蹴りが左右から向かい来る中、エングランは両腕で止めた。二人は距離を取る


「メラア、元気してたか?それとも結婚するか?」


「相変わらずね。だからモテないのよ」


ルティーナはその間五メートルで瞬間移動をし、横蹴りをすると同時に、サカツキの妹が天井におり、天井を蹴ると同時に足を下側にし、エングランへ蹴りをする。ルティーナは足首で、サカツキ妹は片足で足首を掴み、軽く止めた


「そっちの六人もきてくれ」


その中で一人前に出たのは、赤いバラを持った赤アフロの男。なんともセンスのない格好をしていたが、体格と筋肉は人並を余裕に超えていた


「ようし!俺がすぐに始末してやる!」


思い切り殴りかかると、巨大な拳がエングランを襲う。エングランは片手で受け止めると、地に再びヒビが入る


「いい力だ。瞬間移動は見せてくれないのか?本気の一撃を受け取りたいんだが」


「おいおい、死ぬなよ?」


男は消えると同時に、既にエングランの腹部を殴っていた。しかしエングランは少しとも動かない


「俺の一撃だぞ?どうなってやがる」


サカツキは特訓をつけていた


「バリアは守る意識、ヒールは再生の意識、そして瞬間移動は力技だ。瞬間移動は足を強くしろ」


全員の足には十キロの重りがついていた。それと同時に自分の熟せない物をしていた。そうして日々が過ぎていく。その中で、既に五人はキツイ特訓に耐えられず脱落していた。脱落者はサカツキの方だった。そちらの方が地道であり、果ての見えない精神的つかれがあった


「アマサカ、大丈夫?」


「は、はい……なんとか生きてます」

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