試験場
四人でその地下を下っていく。整備もされてない仄暗い通路、作りも自然の物で、まるで鍾乳洞の入り口だった。悲鳴が響いてきており、風もまた不気味に音を上げる
「ぶ……不気味ですね……」
「大丈夫!アンリが盾になるから!」
「任せろ。子猫ちゃんは守護するぜ」
「た……頼もしいですね」
かなり引いた顔だった。そう話してる間に、階段を抜けた。十個ほどの分かれ道があり、どこも血に染まる床だった。ルティーナは言った
「既に何人も死んでるな」
「でも警戒して行けば大丈夫だよ。アンリ先頭ね!」
「よし、なら着いて來い。死なせはしない」
アンリはその通路を氷で固め、全方向からの罠に対応していた。アンリが進むと、後ろから三人も歩く
「す、すごいです!」
「正直これくらい突き破られる。ちょっとした気休めだ」
先へ進んでいく。氷越しに血は見えるが、死体は一つも転がっていなかった。洞窟は寒く、薄着のフィリアは少し震えていた
「フィリア、走るぞ。早く抜ける。」
「ありがとう!」
「行くぞ。そう、お前も走れるか?」
「わ、私はアマサカです、えっと、私の名前は。もちろん走れますよ!百メートル二十秒ですから!」
「オーケー。ルティーナ、運んでってやれ」
「構わないぞ」
ルティーナはアマサカを抱え、三人は走る。その瞬間、正面から幾つも針が飛んできた。明らかに速度が速く、軽く人の肌を貫く
「反らしてやればいい」
アンリは針と自分たちの中央に坂道を作った。坂は針の來る方向だけにあり、針は坂道へぶつかると滑り上へと行く。そして坂道を消した
「アンリさん凄いです!」
「結婚してやろうか?」
「アンリ!あんまり言ってると罠に蹴り込むから!」
「それも一つ素晴らしい道」
「ほんとにやるからね!」
その後も罠を避けながら、先へ先へと進んでいく。その道を抜けると、その小さな地下広場に、人が大量に集っていた。そして正面の舞台にはサカツキが立っていた。マイクを手に話す
「これで全員だ」
「え、あれ、みなさん、私たちより後にスタートした人もいましたよね?あの人たちはもしかして……」
「全員死んだと思う」
「とは限らない。降りたやつもいるはずだ」
「全員そうだといいんですけれどね……」
サカツキは話を続ける
「神々へ挑む。それの勝利が意味するのは、ヒカリノを超えるって話だ。私はエングランやヒカリノ程に強くないし、そのエングランもヒカリノには勝てない。つまりヒカリノを超えるのは不可能に等しい。だから可能な限り近づけるよう、試験後に訓練はする。この試験は見込みの有無を見定める物だ。ヒカリノは私を救い死んだ。理由は私の能力にある」
サカツキの後ろには十個の扉があった。鉄で作られた扉であり、かなり新しいものだった
「余談はここまで。この先には戦闘用ロボットが待ってる。一部屋二人ずつ、ペアで入れ。もちろん単独でいいってやつは構わない。しかし、想定……つまり合格基準より、少し強く設定しているってことを忘れるなよ。それじゃ、スタート」
既にペアの決まってる者、そして自信ある単独の者など、次々に入っていく。サカツキの近くには一つ大きなモニターがあり、そこに百五十人と書かれていた
「このモニターは、生き残ってる人数に沿って減ってく。前に入ったやつが突破するか脱落するかしたら、扉上にある光が消える」
「私はルティーナと行きたいけど、アマサカを置いてくなんて無理だから……どうする?」
「俺はおにゃの子なら誰でもいい」
「丁度四人。私とアマサカで行こう。フィリアはアンリと組むのがいいだろ?」
「そんなわけないから!もう……でもいいよ、アンリで。仕方ないから」
「素直になれフィリア。俺のことが好きなんだろ?結婚したいんだろ?」
「ロボットに放り投げるから!」
「それは投げられたいな」




