神之地
重力のようなオーラ,心が押しつぶされる,さてと,自分より強いやつは初月以来か,勝てる試合じゃない,情報が訊けないような相手なら,すぐに退く,
ヒカリノは登り切る,そこに立っていたのは,長い桃髪をした女だった,大きく赤い目に,美しく,それはヒカリノの知る顔,サカツキだった,
「ようサカツキ,久しぶり,」
偽物だ,こんな強いオーラを放つわけがない,
「おー!ヒカリノちゃん!ここに辿り着いた初の人間,ナイス!」
女は嬉しそうに話していた,
サカツキはこんな明るくない,静かな奴で,何か口を開けば不気味に笑うやつだ,
「サカツキを返してくれ,それと,シフェリエとシラユキもだ,それと,お前が神なのかって話も訊きたい,」
女は笑った,
「神だよ!この身体は気に入ってるから返せない,他二人は別の神のお気に入りだから,私に訊いても答えは出ないかな,」
「なら,ある答えだけ貰って帰ろう,」
厄介だ,神相手にやるしかないか,ここでサカツキを取り戻せば,今後の戦いは大きく楽になる,そもそも初月にやられたのは初見殺しみたいなもんだ,本來負けはあり得ない,
「えええ?私に勝つつもり?最高に楽しくなってきた!いいよ,遊ぼっか,」
ヒカリノは思い切り踏み込み木刀を大きく振り女の顔へ打ち込む,巨大な音と共に当たるが,木刀の起こす風により壁に小傷がつく程度,女は顔が横に向くも,足は動いていなかった,
本気なんだけどな,
「よし,私のターン,」
ヒカリノが気がつくと,腹を拳で殴られていた,血を吐きながら壁際まで吹き飛ぶ,
一撃でこれか,エングラン,ルミア,例の件は託した,こいつは始末する,
壁から棘が生える,木刀を壁に刺し,ブレーキした,
「神は何人いる?」
「五つ,私含めて,」
素直に答えてくれるか,余裕があるな,そろそろリミッターを外すか,
ヒカリノは高く飛び上がる,着地をすると童子に,消えていた,その瞬間に女を思い切り素手で殴っていた,
素手のが強いんだ,
着地の勢いを利用したが,これでも無傷……いや,無傷はありえない,
女の口からは少量の血が流れていた,
このダメージは当然,なんなら少なすぎる,
「血!初めて流した!人間とは思えないね」
「神も血が流れてるんだな,」
女は笑った,
「私たちが人間に与えた物だからね,ヒカリノ気に入った!よし,次はヒカリノをコレクションにする,」
「可能ならな,」
女は両手に光を纏う,
「襲え,」
光は線になり,全ての光がヒカリノ目掛け襲いかかる,ヒカリノは無駄ない動きで全てを避けた,
「そうだよね,フェアじゃない,こっからは私も能力を使わず行くよ,」
「そうか,負けて泣くなよ,」
ヒカリノは思い切り木刀を投げた,女は片手でそれを受け止めようとすると,その手が凹んだ,
「強っ,」
「当たり前だ,棒一本だと威力は集中する,」
木刀は縦に潰れた,
「その木刀は様子見用だ,素手のが強いぞ?」
ヒカリノは楽しそうだった,
「行くよ!」
エングランは初月と睨み合っていた,
「初月,足止めってわけじゃなくてな,もちろん,ここで殺す予定だ,」
「面白い,」
エングランは片手に力を込めた,
「デストロイ!!」
思い切り空を殴ると同時に初月は上へ飛ぶ,初月のいた位置は何もかも全て消えていた,
「破壊だ,全てを貫通し破壊する,」
「エングランか,」
「正解だ,」
エングランは連続し空を殴る,それを避けるよう,初月は翼で空を飛ぶ,そしてエングランをじっと見ていた,
初月の能力は初月殺しだ,しかし,完全に固まる前に視界外へ逃げれば解除される,それで前は逃げたんだ,
エングランは階段を下りる,
「下りた?」
初月は走り跡を追おうとした瞬間,階段の向こうから破壊の風が向かってきたていた,
細道に逃げ場はない,
一旦下がるしかないか,
初月は後ろへ下がる,
初月,終わりだ,
エングランは初月に向け,建物の外からその能力を思い切り構えていた,エングランが思い切り殴ると,建物を貫き初月へ向かう,
「下りたはず,」
「デッドだ,」
初月は咄嗟に横へ避けるが,左手が全て消えていた,
階段を下りた,そして階段の壁を破壊し,高く飛び部屋へ再び戻った,不意打ちだ,
「ふざけてくれたな,」
「あの日は隠れる場のない終焉の入り口だった,しかし今は隠れる場所もあり,室内で視界も狭い,天使は視界の開けてる方が嬉しいんだよな?」
「有利とでも言いたそうだな,」
「遠距離攻撃はできない,近距離攻撃をしようものなら,俺のフィールドだ,詰みだ,」
「我が詰むわけ……,」
初月の身体は少しずつ砂のような何かに変わっていく,
「何が起きてる?」
「我々天使が消える……つまり,天使を作り出した神に何かがあったということ,何れにせよここまでか,」
「神に通用したか,世界最強は!」
エングランの心は笑っていた,




