其之日
ヒカリノは二人を抱え,向こう側まで瞬間移動をした,少し遅れエングランたちも到達する,
「洞窟から入れるんだろ?二人はそっちだ,」
「任せて!メラアを見つけたらすぐに退く,そして外で瞬間移動を使える人が來るまで待機,」
「そうだ,もし天使と出くわしたら戦闘をしてもいいが,逃げを優先に考えろ,」
解散した,エングランが扉を開くと,中は静かだった,中天使が何人か残っており,掃除をしていた,
「誰だ?って侵入者か,」
「おい、あいつ……ヒカリノじゃね?」
「まじか!誰か大天使さまを──,」
その瞬間,中天使の首が飛んだ,ネラーが飛ばした首だった,中天使たちは向かってくる中,ヒカリノとエングランは悠々と進む,降りかかる火の粉はネラー,ティア,オッドが払う,
「雑魚じゃん,中天使って,」
「ネラー,油断は禁物ですよ,」
巨漢は一人の中天使に能力を掛けた,
動けない?
「俺の能力,コネクト,互いの動きをリンクさせる,力の強い方に動かす権利は与えられる,」
ネラーはその中天使の首を手で跳ねる,
「オッドが動きを封じて,僕が落とす,最も最高のコンビだ,」
「思ったより少なかったですね,私はエングランさまの援護に向かいます,」
「おーけ,ここは任せてけ,」
三人は二階へと上がる,さまざまな施設の集まる部屋,そこは静まった仄暗い場所だった,
「よしエングラン,風呂入ってくか?」
「余裕があったらな,」
次の階へ進むと,大天使の部屋が集う場所,しかし物音の一つとなかった,
「会議を終え帰宅したのでしょうね,」
「だろうな,私たちからすれば,動きやすくてありがたいけどな,」
長い階段を上がっていく,
「ティア,お前は俺の援護だ,終焉には足を入れるな,いいな?」
「承知致しました,」
最上階へ到達する,そこには初月が一人座っていた,
「アルファ,お前だけか?残念だな,ほんとならガンマも消したかったが,」
初月は立ち上がる,
「ヒカリノ,それに,隣の男は不思議な被り物だ,似たのが神の地に住まう生物にもいたな,」
俺のこれは神の地の生物か,人しか食えなくなった理由もそれか,
「初月,行くぞ!」
ヒカリノは消えた,
この速度は健在,
「──?」
初月が上を向くと,ヒカリノはその天井よりも上に飛んでいた,それと同時にヒカリノは何かに吸い込まれるよう,消えた,
「一人で乗り込むとはバカか,そして,お前如きに我の足場を崩せると?」
「さて,初月しかいないんなら話は変わる,ティアは帰っていろ,」
「かしこまりました,」
ティアは階段を降りていく,ヒカリノは終焉へと到達した,神の住まう地の玄関,ヒカリノは瞬間移動を使い続け,進む,薄黄色の光が差しており,街には沢山の中天使が暮らしていた,
久しいな,終焉,サカツキがいるのは,街のどこか,今でも固まっているはず,処分はされないはずだ,神は性格が悪いからな,
ヒカリノは一つの家へ入る,
「なんだ?」
「人間が終焉に?」
中天使が二人住んでいた,ヒカリノは木刀を前へ構えた,
「答えろ,サカツキについて知ってることを全て,」
男の天使だった,
「お前,ヒカリノか,仲間か?あいつらは神の間にいるはずだ,神がコレクションと持ち帰られた,」
「助かる,それと口封じだ,」
ヒカリノは全員を人斬りに殺した,外へ出ると,神の間が何処かは簡単だった,この広い広い国の奥に巨大な壁があり,それを越えた先だと,高さに果てのない壁であり,正門からしか入れはしない,
サカツキを助けたら帰る,それまでは何があろうと帰らない,ここで私が退いたらダメだ,もう歳だし,私の身体が動かなくなる前に……あの頃と等しい力が出せる今が最後のチャンス,何も神と戦う必要はない,サカツキを助けて帰るだけ,
ヒカリノは思い切り地を踏むと,門の方へ止まらず瞬間移動し続ける,そしてすぐ,その門へ本気の蹴りを入れた,門は蹴ってから少し経つと,すぐにヒビが入り壊れた,
「よう,神々,邪魔する,」
少し派手すぎる登場だったか?
ヒカリノが一歩足をいれると,その身体に寒気が走る,
「っ……,」
ヒカリノの身体からは汗が流れていた,
化け物か,汗なんて何年ぶりだ?
門の奥には一つ巨大な建物が建っており,十階あるにも関わらず,横幅は人間の家では考えられない,まるで街のようなサイズだった,
「さて,これが終わったら……,」
サカツキと久々に話すか,私は苦手なんだけどな,あいつ,
ヒカリノは建物へ近づくと,扉を開き中へ入る,
サカツキはどこか,さすがに情報なしにこの広さは骨が折れる,しかし,こういうのは普通,神は上階の方にいるはずだ,と言え,下階にはいないなんて割り切れないか,
ヒカリノは瞬間移動をしながら,一つ部屋の襖を開いた,中にはエングランの被り物のような,目を線に怒ったような顔をした,人型の白い『何か』が何人もいた,
「神の地で暮らす生物か,」
ヒカリノは扉を閉じ,瞬間移動で先に進む,
構ってる暇はない,と言っても,一つ一つ開けてくとリスクが大きい,割り切って上階に行くしかないか,
ヒカリノが振り向くと,すぐそこに何人もの『何か』が迫っていた,ヒカリノの瞬間移動にピッタリとくっついてきていた,
気配が全くなかった,神の地に居るだけはある,この人数相手に戦うのはアホだ,本気を出し振り切って隠れるか,
ヒカリノが大きく地を踏む素振りを見せた,その瞬間,その化け物ですら追えない速度で場から消える,ヒカリノは長い廊下を越え,既に階段が見えていた,そこで立ち止まった,
「なんだ?これ,」
階段の向こうに何かいる,これは神か?それとも,さっきとは別の『何か』か,
ヒカリノは階段を上がっていく,




