終了日
ルティーナは思い切り刀を振り上げた,
「ベタ!」
フィリアと刀の位置を──,
「え……,」
ベタは酷く震えており,頭も真っ白になっていた,
「ルティーナちゃん!ベタちゃんも任せましたよ,」
その瞬間,シータは消えた,アルファの目の前へ來ると,思い切り拳をその焦げた顔へ当てた,アルファは少し後ろへ下がると同時にフィリアを離した,そのフィリアをシータはルティーナの方へ投げた,
「ルティーナちゃん!私に任せちゃってください!アルファは,」
ルティーナは受け取る,
「必ず落ち着いて,もうここにいたら殺されるよね?」
「分かってますよ,」
ルティーナは片手にフィリア,片手にベタを抱え,部屋を出ていく,その瞬間,シータは固まっていく,
ルティーナは下へ必死に下るが,恐怖で意識が保たないベタとフィリアを持ちながらでは,速度は遅いものだった,
このままだとまずい,しーちゃんがいるから,簡単に追いつかれないと思うけど,
その頃,姫は地下一階へと下りた,
「久々だな,マヨネーズ姫,」
和夜がマヨネーズ?
「ネヨマだ,そんな無礼な呼称をするのは……まさか,あ奴らの仲間とはお前か,アンリ,」
俺の幻想,諦めた過去,
『アンリ!見てください!沢山のお花が咲いてますよ!』
『そうだね,でも,お前の方が美しいぜ!』
『アンリ!見てください!沢山の鳥さんが──,』
ネヨマが姫になった日,俺は離された,それからは孤独に一人生き,ネヨマを常に考え,陰ながら見続けていた,
「随分偉そうな口調になったな,俺の前なら崩した言葉遣いでもいいぞ?」
「何を言うか,姫である和夜が一国民相手に崩せと?」
寂しいな,幻想とは儚いもの,
「そうか,」
「それより,何故に倒れておる?」
アンリは立ち上がる,
「能力を使いすぎた,」
ネヨマ……好きだった,最後に告げるべきか,いや,強がりはするが値は強くない,今は余計な不安要素を与えない方がいい,いつもなら口癖のように結婚するか?とか出るんだけどな,俺も落ちたか,
「それよりアンリ,和夜は逃げても良いのか分からない,四月の怒りの矛先は国民へ行く,そうは思わないか……,」
問題ない,国民より自分の命を大切にしろ,
「なんて言えない,」
「?」
「いや,それより,俺は仲間を探しに先へ進む,お前も着いてこい,俺といたほうが安全なはずだ,」
「アンリ……,」
ルティーナは階段を降りきる,
「ほよほよ,アルファにやられちゃったのかな?」
ガンマと出くわした,ルティーナの警戒した顔を見ると,ガンマは笑顔で首を横に振る,
「大丈夫だぞ,構ってたら会議に間に合わないから,スルーするー,」
ガンマは横を通っていく,
これは運がいい,早く下に行かないと,
更に三階へ降りると,四月の死体が転がっていた,
デルタが……死んだ?生きてないよね?横通ったら急に起き上がったりしないよね?
ルティーナは小走りにデルタの横を通る,その細道を抜けると,広い部屋に出た,ルティーナはそれを見ると,ベタとフィリアを床に落とした,
「メラア……,」
メラアの顔が血の上に置いてあった,首の切れ跡から出たであろう血で,メラアの顔を筆のよう使い,大きくByeと三文字書かれていた,
「メラア!」
ガンマ……,ガンマ……,
ルティーナが絶望していると,その近くでルミアが座り,それを見ていた,
「ルミア,」
その声を聞くと,涙を拭く素振りを見せ,ルティーナと顔を合わせた,顔に全く出ておらずとも,その涙の跡でルティーナは理解した,
「フィリアは……そうですか,初月に,ベタを連れて逃げてください,私が出口まで案内します,」
「ルミア,」
ルティーナは大きく息を吐く,
「ルミアは何者なの?」
「……私は元フュテュールの一人,今は天使として潜入しています,今は時間に余裕があります,なにせ,今から会議が開始しますから,」
「フュテュールって……メラアも……,いや,」
「仲間でしたよ,メラア,ヒカリノ,エングラン,そして……,仲間たちは終焉にいます,しかし,初月により固められた,初月が終焉から地球へ降りたのも,終焉への入口を固くする為……つまりあの戦いの後です,」
「終焉って?」
「神の住む地への……簡単に言いますと,庭です,庭を超えると神の住まう地に辿り着けます,」
「そう……なんだ,」
その後,ルティーナ,フィリア,ベタ,アンリ,ネヨマの五人は海を越え,地上を歩いていた,逃げ切れたものの,失ったものの量は互いに多く終わる,




