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死ななき駒は打ち砕く!  作者: 中西かえで
本編
19/43

終了日

ルティーナは思い切り刀を振り上げた,


「ベタ!」


フィリアと刀の位置を──,


「え……,」


ベタは酷く震えており,頭も真っ白になっていた,


「ルティーナちゃん!ベタちゃんも任せましたよ,」


その瞬間,シータは消えた,アルファの目の前へ來ると,思い切り拳をその焦げた顔へ当てた,アルファは少し後ろへ下がると同時にフィリアを離した,そのフィリアをシータはルティーナの方へ投げた,


「ルティーナちゃん!私に任せちゃってください!アルファは,」


ルティーナは受け取る,


「必ず落ち着いて,もうここにいたら殺されるよね?」


「分かってますよ,」


ルティーナは片手にフィリア,片手にベタを抱え,部屋を出ていく,その瞬間,シータは固まっていく,


ルティーナは下へ必死に下るが,恐怖で意識が保たないベタとフィリアを持ちながらでは,速度は遅いものだった,


このままだとまずい,しーちゃんがいるから,簡単に追いつかれないと思うけど,


その頃,姫は地下一階へと下りた,


「久々だな,マヨネーズ姫,」


和夜がマヨネーズ?


「ネヨマだ,そんな無礼な呼称をするのは……まさか,あ奴らの仲間とはお前か,アンリ,」


俺の幻想,諦めた過去,


『アンリ!見てください!沢山のお花が咲いてますよ!』


『そうだね,でも,お前の方が美しいぜ!』


『アンリ!見てください!沢山の鳥さんが──,』


ネヨマが姫になった日,俺は離された,それからは孤独に一人生き,ネヨマを常に考え,陰ながら見続けていた,


「随分偉そうな口調になったな,俺の前なら崩した言葉遣いでもいいぞ?」


「何を言うか,姫である和夜が一国民相手に崩せと?」


寂しいな,幻想とは儚いもの,


「そうか,」


「それより,何故(なにゆえ)に倒れておる?」


アンリは立ち上がる,


「能力を使いすぎた,」


ネヨマ……好きだった,最後に告げるべきか,いや,強がりはするが値は強くない,今は余計な不安要素を与えない方がいい,いつもなら口癖のように結婚するか?とか出るんだけどな,俺も落ちたか,


「それよりアンリ,和夜は逃げても良いのか分からない,四月の怒りの矛先は国民へ行く,そうは思わないか……,」


問題ない,国民より自分の命を大切にしろ,


「なんて言えない,」


「?」


「いや,それより,俺は仲間を探しに先へ進む,お前も着いてこい,俺といたほうが安全なはずだ,」


「アンリ……,」


ルティーナは階段を降りきる,


「ほよほよ,アルファにやられちゃったのかな?」


ガンマと出くわした,ルティーナの警戒した顔を見ると,ガンマは笑顔で首を横に振る,


「大丈夫だぞ,構ってたら会議に間に合わないから,スルーするー,」


ガンマは横を通っていく,


これは運がいい,早く下に行かないと,


更に三階へ降りると,四月(デルタ)の死体が転がっていた,


デルタが……死んだ?生きてないよね?横通ったら急に起き上がったりしないよね?


ルティーナは小走りにデルタの横を通る,その細道を抜けると,広い部屋に出た,ルティーナはそれを見ると,ベタとフィリアを床に落とした,


「メラア……,」


メラアの顔が血の上に置いてあった,首の切れ跡から出たであろう血で,メラアの顔を筆のよう使い,大きくByeと三文字書かれていた,


「メラア!」


ガンマ……,ガンマ……,


ルティーナが絶望していると,その近くでルミアが座り,それを見ていた,


「ルミア,」


その声を聞くと,涙を拭く素振りを見せ,ルティーナと顔を合わせた,顔に全く出ておらずとも,その涙の跡でルティーナは理解した,


「フィリアは……そうですか,初月に,ベタを連れて逃げてください,私が出口まで案内します,」


「ルミア,」


ルティーナは大きく息を吐く,


「ルミアは何者なの?」


「……私は元フュテュールの一人,今は天使として潜入しています,今は時間に余裕があります,なにせ,今から会議が開始しますから,」


「フュテュールって……メラアも……,いや,」


「仲間でしたよ,メラア,ヒカリノ,エングラン,そして……,仲間たちは終焉にいます,しかし,初月により固められた,初月が終焉から地球へ降りたのも,終焉への入口を固くする為……つまりあの戦いの後です,」


「終焉って?」


「神の住む地への……簡単に言いますと,庭です,庭を超えると神の住まう地に辿り着けます,」


「そう……なんだ,」


その後,ルティーナ,フィリア,ベタ,アンリ,ネヨマの五人は海を越え,地上を歩いていた,逃げ切れたものの,失ったものの量は互いに多く終わる,

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