八月下
フィリアは再び苦しそうに歩く,階段を上り切ると,デルタの部屋から出るルティーナとベタ,更に後ろからは,長く黒い美しい髪をした女がいた,両目は黒く,生気のない,黒い和服であり,背は低く,まさに姫だった,
「フィリア!どうしたの?」
「ルティ……,」
フィリアは意識が残っていた,
「何人かの人間がいるふうに見える,いやだけど,アルファ探そ?」
「でも,アルファは協力してくれる?」
「分からない,」
姫はフィリアの元へと歩み寄る,
「ちょ,今のフィリアたぶん危険だと思う,」
「和夜に託せ,」
「ダメ!制御でき……,」
姫がフィリアの胸に手を触れさせた,
「命の音,百の声がする,王という一致する百の心が重なった,」
していくと,フィリアの様子が少しずつ収まっていく,息を荒く,その場に膝をついた,
「助かった……,私じゃない何かがいた,」
フィリアが周りを見ると,円に沿うように十二の扉があった,八の扉が開いた,
「どっしたんですか?」
カチューシャで前髪を上げた,長い金髪の女が中からは出てきた,その目は金に光っており,服は普通の女の子の着てるような服だった,背は低く,しかし背には巨大な翼をつけていた,
「大天使?そっか……ここが四階なんだ,」
「フィリア,大丈夫?」
「大丈夫,とりあえず,ピンチを乗り越えるよ,」
「あれはシータ,悪い人じゃない,」
「ベタが大天使相手に悪い人じゃないなんて言うんだね,」
「私はアルファが嫌い,それと,この環境も嫌い,」
シータはベタへと素早く近づくと,その頬をつまんだ,
「しーちゃんって呼んでください!」
「でも紹介は本名が……,」
「うるさいうるさいうるさい!シータなんてのは男っぽくてイヤです!しーちゃんと呼んでくださいと言ってるじゃないですかっ!」
ルティーナは驚いた様子だった,
「大天使?この人,」
「イエス!と言っても自覚はそんな無くて,普段家族と会わない自立した子供でも,年末の家族の集まりとかは來るじゃん?あれみたいな?」
「ごめん……わからない,」
「シータは人間に友好的,他の大天使と敵対はしないけど,人間とも敵対しない,」
「こらベタ!しーちゃんって呼びやがれください!」
シータ面倒,
「なら,シータ……に問う,和夜の聞いた百の声,百の意思はなんだ?こいつの身体に宿っておった,」
「もう名前はいいですよ,百の?なんかよく分かりませんがっ,世界が関係してるとか?ここは百世界ですし,いや,大天使と言っても私,詳しくないんですよ,こういうの,」
「百世界って何?教えて!しーちゃん!」
「君大好きです!名前はなんですかっ?」
「フィリア!」
「頂きました!教えます教えさせてください!世界とは,何度も何度も新しく作られてるんですよ,それを一からカウントして,現在は百二十個まであるらしいです,ここは百個目の世界でして,一度死ねば一つ数字が上の世界で生き返るんですね,私たち大天使も死ねば生まれ変わりますが,一つ例外がいるのなら神々です,もしそこに百の声があったなら,前世,前前世,前前前世,前前前前前前……のフィリアちゃん全ての意思が集結!みたいな……ですが,それの前列はありませんね,なのでこれが正しいのかも,」
「正しいと思う,私,あの苦しいとき,知らない記憶が沢山あったんだ,けど,全ての記憶は一つの同じ想いを抱いてた,王様,エングランに対しての,」
「うーん,アルファならもっと分かりそうですが,彼女は最も神と近い存在ですからね!会ってみましょう,会議の日は,ずっと会議室で待機をしています,朝から,暇なんですかね?あの人は,」
「よし!アルファとの対面!」
「気をつけないと死ぬよね,」
「気をつけてても死ぬ,アルファ恐ろしいよ,」
「ひえっ……,」
「大丈夫!私がいる!」
「和夜は御免する,このまま下り帰らせてもらう,」
フィリアは言う,
「なら,地下に向かって進んでって,そこに仲間がいるから,」
「承知,」
姫は下へ下っていく,対してフィリア,ルティーナ,ベタ,しーちゃんは更に上への階段,その会議室への階段を上っていた,全く終わりは見えず,既に五分は上っていた,
「ベタ!そろそろギブ!」
フィリアは背負っていたベタを下ろした,
「なら私が交代です!」
「ありがとシータ,」
しーちゃんは背に乗せた,
「フィリア!私ももう無理,運んで,」
「ルティーナは重いから無理!」
「え……,」




