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死ななき駒は打ち砕く!  作者: 中西かえで
本編
17/43

八月下

フィリアは再び苦しそうに歩く,階段を上り切ると,デルタの部屋から出るルティーナとベタ,更に後ろからは,長く黒い美しい髪をした女がいた,両目は黒く,生気のない,黒い和服であり,背は低く,まさに姫だった,


「フィリア!どうしたの?」


「ルティ……,」


フィリアは意識が残っていた,


「何人かの人間がいるふうに見える,いやだけど,アルファ探そ?」


「でも,アルファは協力してくれる?」


「分からない,」


姫はフィリアの元へと歩み寄る,


「ちょ,今のフィリアたぶん危険だと思う,」


和夜(わよ)に託せ,」


「ダメ!制御でき……,」


姫がフィリアの胸に手を触れさせた,


「命の音,百の声がする,王という一致する百の心が重なった,」


していくと,フィリアの様子が少しずつ収まっていく,息を荒く,その場に膝をついた,


「助かった……,私じゃない何かがいた,」


フィリアが周りを見ると,円に沿うように十二の扉があった,八の扉が開いた,


「どっしたんですか?」


カチューシャで前髪を上げた,長い金髪の女が中からは出てきた,その目は金に光っており,服は普通の女の子の着てるような服だった,背は低く,しかし背には巨大な翼をつけていた,


「大天使?そっか……ここが四階なんだ,」


「フィリア,大丈夫?」


「大丈夫,とりあえず,ピンチを乗り越えるよ,」


「あれはシータ,悪い人じゃない,」


「ベタが大天使相手に悪い人じゃないなんて言うんだね,」


「私はアルファが嫌い,それと,この環境も嫌い,」


シータはベタへと素早く近づくと,その頬をつまんだ,


「しーちゃんって呼んでください!」


「でも紹介は本名が……,」


「うるさいうるさいうるさい!シータなんてのは男っぽくてイヤです!しーちゃんと呼んでくださいと言ってるじゃないですかっ!」


ルティーナは驚いた様子だった,


「大天使?この人,」


「イエス!と言っても自覚はそんな無くて,普段家族と会わない自立した子供でも,年末の家族の集まりとかは來るじゃん?あれみたいな?」


「ごめん……わからない,」


「シータは人間に友好的,他の大天使と敵対はしないけど,人間とも敵対しない,」


「こらベタ!しーちゃんって呼びやがれください!」


シータ面倒,


「なら,シータ……に問う,和夜の聞いた百の声,百の意思はなんだ?こいつの身体に宿っておった,」


「もう名前はいいですよ,百の?なんかよく分かりませんがっ,世界が関係してるとか?ここは百世界ですし,いや,大天使と言っても私,詳しくないんですよ,こういうの,」


「百世界って何?教えて!しーちゃん!」


「君大好きです!名前はなんですかっ?」


「フィリア!」


「頂きました!教えます教えさせてください!世界とは,何度も何度も新しく作られてるんですよ,それを一からカウントして,現在は百二十個まであるらしいです,ここは百個目の世界でして,一度死ねば一つ数字が上の世界で生き返るんですね,私たち大天使も死ねば生まれ変わりますが,一つ例外がいるのなら神々です,もしそこに百の声があったなら,前世,前前世,前前前世,前前前前前前……のフィリアちゃん全ての意思が集結!みたいな……ですが,それの前列はありませんね,なのでこれが正しいのかも,」


「正しいと思う,私,あの苦しいとき,知らない記憶が沢山あったんだ,けど,全ての記憶は一つの同じ想いを抱いてた,王様,エングランに対しての,」


「うーん,アルファならもっと分かりそうですが,彼女は最も神と近い存在ですからね!会ってみましょう,会議の日は,ずっと会議室で待機をしています,朝から,暇なんですかね?あの人は,」


「よし!アルファとの対面!」


「気をつけないと死ぬよね,」


「気をつけてても死ぬ,アルファ恐ろしいよ,」


「ひえっ……,」


「大丈夫!私がいる!」


「和夜は御免する,このまま下り帰らせてもらう,」


フィリアは言う,


「なら,地下に向かって進んでって,そこに仲間がいるから,」


「承知,」


姫は下へ下っていく,対してフィリア,ルティーナ,ベタ,しーちゃんは更に上への階段,その会議室への階段を上っていた,全く終わりは見えず,既に五分は上っていた,


「ベタ!そろそろギブ!」


フィリアは背負っていたベタを下ろした,


「なら私が交代です!」


「ありがとシータ,」


しーちゃんは背に乗せた,


「フィリア!私ももう無理,運んで,」


「ルティーナは重いから無理!」


「え……,」

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