光之道
フィリアを運び近くの公園まで向かった,そしてベンチで寝かせる,メラアが一息つき横を向くと,ヒカリノが隣のベンチに座っていた,
「ヒカリノ!」
「また会ったな,ちょっと懐かしくなって,こっちまで歩いてきてしまってな,」
「誰?この人,」
「ルティーナは知らないか,酔っ払い女だ,」
「ちょ!アンリ!ちゃんと紹介しなさいよ!」
メラアに言われるまま,しっかりと紹介をした,
「というわけだ,よろしくな,」
「はい……,」
そう説明していると,フィリアの傷は全て癒えていた,メラア,アンリは驚いた様子をしていた,
「どうなってる?こんな簡単に傷が癒えるか?」
「ええ……おかしいわ,こんな治癒力,エングランでしか見たことないわ,けれど,使ってないわよね?」
「ああ,エングランは使ってない,新しい能力か?」
フィリアは起き上がる,
「よし!復活!」
メラアはヒカリノの方へ行く,
「ヒカリノ,お願いがあるわ,」
「どうした?」
「あの三人に特訓をつけてあげてほしい,たぶん,私なんかの指導じゃ会議に間に合わない,」
「っと,構わないが,するならお前もだ,何をしようとしてるかは問わないが,その程度だと中堅止まり,」
「私も……,」
久々のヒカリノさんとの特訓,
再び闘技場へと訪れた,殆ど貸し切り状態になっている,四人は並んで立ち,ヒカリノと向き合う形だった,
「全員,明らかに筋力が足りてない,」
私って,そんな弱かったのね,フュテュールは全員が強くて,自分も強くなった気でいた,
「私は無能力者だ,」
「「「え?」」」
メラア以外は全員声を出した,
「言い換えれば,無能力者であっても筋力,バリア,ヒール,瞬間移動さえ極めれば大天使だって倒せる,難易度で言うと,言った順で,バリア,ヒール,瞬間移動の順に高くなる,最も必要なのはバリアだが,生半可なバリアなんてあっても然程変わらん,それをするなら,他を極めたほうが効率がいい,」
え!無能力者?私なんて能力あっても弱いのに,
すごい……,能力持ってたらどうなってたんだろう?
この女,思ってたよりぶっ飛んでるな,
「まず,それぞれ能力を話せ,」
「私は三秒先の未來が見える,それと黒炎!」
「私は知っての通りドラゴンを出せるわ,」
メラアはドラゴンを出し,優しく撫でた,
俺も撫でられたい,
「私は……刀,なんでも切れる,」
ヒカリノは頷いた,
「フィリアは黒炎を出す練習だ,他三人は身体を鍛える,この四人は,超攻撃パーティーだ,特に黒炎と刀の二つは,大天使のバリアさえも貫く攻撃になるはずだ,」
フィリアは話す,
「ヒカリノ,その,ちょっとした知人からのアドバイスで,身体が黒炎に耐えれないって言われて,それって……,」
「だろうな,黒炎が本当に存在するなら,ルティーナも同じだが,能力は既に完成している,三秒先を見る能力も,既に完成してる物だ,フィリアの場合,完成されてる物に身体が追いついてない,だから本能がストッパーを掛け,使えない,今から行うのは,無理やり引き出して即戦力にする,もちろん身体の限界を考えるなら,一分保つかも怪しい,見てないからなんとも言えんが,」
「即戦力!よし,燃えてきた!」
「まだ燃えてない,」
そしてヒカリノは三人の方を向く,
「ルティーナは本体が弱すぎて完成された能力を使いこなせていない,そしてアンリもメラアも,中途半端に実力があるせいで,何を教えるべきか分からん,二人で戦ってみろ,私が悪い点を探す,じゃっ,開始だ,」
ヒカリノはフィリアをじっと見ていた,
よし!黒炎を出す!
「黒炎よ!出て!!」
全く出る気配はない,
「なら,これで出してみろ,」
ヒカリノはフィリアを軽く蹴った,二十メートルは軽く吹っ飛ぶ,
「なにするの!急に……,」
ヒカリノは既にいなかった,
「痛みで感覚を麻痺させる,」
「え──,」
フィリアは再び蹴られる,
「いった!」
飛ばされ,地へと転がる,
「それで使ってみろ,」
フィリアは力を集中させた,その間,ヒカリノはルティーナを見ていた,渡したトレーニングメニューを熟すだけでもルティーナにとってはハードであり,最初の難関腕立て伏せはできてすらいなかった,
「ルティーナ!膝をつけてやってみろ,するとやりやすい,」
「は,はい!」
「返事は不要だ,無駄な体力を使う,」
そんな理不尽な,
アンリは氷の雨を降らせた,
「さて,断罪だ,」
「やりなさい!」
全ての氷を炎で溶かした,
「ほんといかれた火力だ,」
アンリは右手に氷剣を作り出した,
「行くぞ,」
「私相手に近接戦は悪手よ,私はこっちも行けるからね,」
ヒカリノがフィリアを見ると,身体中が黒い炎で包まれていた,フィリアの心は研ぎ澄まされており,その炎は物凄い熱を放っていた,
「神の封じた能力か,」
私に投げてみろ!
「分かった,」
フィリアは黒炎をヒカリノへ放つ,速度は速くなく,炎の量も少なかった,
「どれ,」
ヒカリノが触れると,その手が黒く燃え上がる,
「熱い,これは大天使にも通よ……熱いな,」
ヒカリノは黒炎を振り払った,そして大きく足を踏み込んだ風で,フィリアの黒炎を消した,
「フィリア!できたの?おめでとう!」
「出た,できたよ!」
フィリアは焦げていた,しかし,少しずつ回復していく,
「実在するとは,よし,もう一度出してみろ,」
しかしすぐには出なかった,
「アンリ,一撃が軽い,奴らは数打てば勝てるような相手じゃない,数を減らし威力に集中しろ,メラアは自分も戦え,それだけで数の有利が作れる,」
昔も言われたわね,ドラゴンだけで勝てる相手ばかりで忘れていたわ,
「ルティーナ,こっからは走り込みだ,一歩一歩を強く踏み込んで走れ,剣士に踏み込みは必須な技術だ,」
「は,はい……,」
ルティーナは今にも倒れそうだった,
一歩一歩……,
思い切り踏み込むと,何かよくない痛みを感じ,その場に足を抑え倒れる,
まずい,これは折れた,
ヒカリノは一瞬で駆けつける,
「少し触らせろ,」
靴を脱がせ,靴下をも剥ぎ取り,その足首を優しく掴んだ,
「捻ってるな,さすがに焦りすぎた,私のミスだ,ルティーナは膝をついて腕立てだな,切る力は必要ないが,振る速度に影響する,」
「はい……,」




