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ホームステイにやってきた金髪碧眼美少女が双子だった  作者: ゆめいげつ
第二章 水着、青春、双子留学生
18/24

第16話 『ナオツグダケ』

 ついに来てしまった。

 今日から俺は、いや俺たちは高校二年生になる。

 フローラとフレイアがホームステイにやってきてから怒涛の日々が終わりを告げて、四月の始業式当日になった。

 今日の主役は留学生の二人なのに、何故か俺の方が緊張してしまっている。


 何故かと言えば、それは――。


「ナオツグ~ッ!!」

「うおわぁっ!?」


 今日も元気に、出会いがしらの俺に抱きついてくるフローラがいるからだった。

 カナダからやってきた、スウェーデン人とのハーフな金髪碧眼の完璧美少女。

 ドジで抜けているところはあるけれど、そのふわふわな金色の髪と間延びした口調からは想像できないレベルの体力お化けである。


「学校ですよ学校~! ナオツグと~、ジャパニーズハイスクール!!」

「わ、分かったから離れてくれぇ!?」


 そんなフィジカルの塊な美少女が、服の上からでも分かるレベルで巨乳なスタイル抜群の美少女が、俺に突っ込んでくるともなればドキドキや心配もするだろう。

 今日が始業式でテンションぶち上ってるとかは抜きにしても、彼女の距離感はとても近いんだ。ていうか、バグってる。


「い、良いかフローラ……。何度も言ってるけど、日本人は普通挨拶でハグをしないんだ。同性ならともかく、男にしたら絶対に駄目なんだぞ?」


 その距離感の近さが一番の悩みだった。

 俺としては嬉しい、めっちゃ嬉しい、ドキドキする。

 でもいつも家にいるノリでフローラが色々な人にハグをしたら大変な事になるのは明らかだった。

 ていうか、俺が嫌だし。


「ん~? ナオツグだけですよ?」

「っ!?」


 するとフローラは可愛く首を傾げながら、嬉しい言葉を言ってくる。

 本人は特に意識していないんだろうけど、異性として意識しまくっている俺はとんでもなくドキドキしてしまった。


「ネエサンとナオツグ、朝から熱いわねー。っていうか、本当に日本の春は暑いわね……」

「れ、レイアぁっ!?」


 そして二番目の悩みが遅れてリビングに入って来た。

 フローラとそっくりな顔、そっくりな身体、そっくりな双子の妹は、レイアことフレイア。

 強いて姉と違うところを上げるとすれば、ふわふわ髪のフローラに対してフレイアは髪質がサラサラでストレートな所と、綺麗な碧眼がややつり目な所。……そして、太ももの内側にほくろがある所だ。


 どうして俺が今そんな事を言ったかといえば、フレイアが暑そうに学生服のスカートをヒラヒラとめくり涼みながら部屋に入って来たからである。

 少し大人っぽいデザインの白い下着が、彼女の白い肌と一緒にガッツリと見えてしまっていた。


「い、いつも言ってるだろ!? 下着は見せるものじゃないって!!」

「え? いつもは裸でうろつかないでくれ、じゃなかった?」

「同じだよ同じ! いや裸の方がヤバいけどさ!?」

「でも、ナオツグだけよ?」

「うぐっ!?」


 注意しようとして、俺はまたカウンターを食らってしまった。

 姉のフローラ同様、いやそれ以上にフレイアは警戒心が無くて、普通に家の中を裸当然の恰好でうろついている。

 フローラと比べるとボディランゲージは少ないにしろ、違う方向から俺の理性を襲ってきていたんだ。


 朝から好きな女の子に抱きつかれて、好きな女の子にパンツを見せてもらうのを許してもらっているとか……俺は近い内にトラックにはねられてしまうんじゃないだろうか?


「と、とにかくっ! 学校では俺にもハグしたり下着を見せるのは禁止!!」

「は~いっ!」

「ナオツグ、今自分が結構すごい事言ってるの気づいてる?」


 素直に頷きながらも俺に抱きつくことは止めない姉のフローラ。

 呆れた顔で正論を言いながら俺をからかってくる妹のフレイア。


 そんな魅力的すぎる双子二人を同時に好きになってしまった俺の、いや俺たちの新しい学校生活が……もう二時間後ぐらいには迫ってきていたんだ。

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