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022 『〈災厄〉あるいは〈禁忌〉へ謳う鎮魂歌 』下


「【構築(ビルド)】」


 私がそう呟くと同時に、ブラスターや誘導弾頭と言った数々の兵器が魔法陣(失われた技術)から次々と生み出されていく。


(私が自在に操れるのは、今は精々50が限界)


「《思考強化》起動」


 先ほどから溢れていたアドレナリンを打ち切り、更に冷たくなっていく思考で状況を分析する。


「でも、撃つだけならいくらでもいけるのだよ」


 アリスはおもむろに(ヤツ)に向かって自分の周りに展開された鋼鉄の腕を竜に向けさせる。


「景気付けに一発ドカンと行こうか―――《全弾発射(フルショット)》」


 鋼鉄の腕が虚空を握りしめた直後、アリスの周りから兵器の数々が消え去る。


 刹那、閃光が辺りを埋め尽した。


 そして僅かに遅れて、その衝撃が森を襲う。


 大地が抉れ、森は焼けるどころが蒸発し、爆音と爆風が森全体を包んだ。


 一瞬で焦土となった地上には目もくれず、アリスは空の一点に向けて視線を向けていた。


「まあ、流石にこんな()()()じゃ落ちないよね―――」


―――まさかかすり傷すらないとは考えてなかったけど


 立ちのぼたったキノコ雲を突き抜け、全くの無傷で空中を旋回し始めた竜を見て、アリスは少しの驚きを覚えた。


「あいつも本気出しやがった……これ戦い終わる頃には森消えてそうだね……」


 どうやら今のが相当頭に来たらしく、風の竜の本領を発揮し、辺りを複数の竜巻が破壊し始めた。そしてたまに極太レーザーが落ちてきている。風の竜なんだからブレス吐きなよ?


 というかあのまま放置してるとそのまま突っ込んできそうである。流石に音速を超えたあの巨体に激突されたらお陀仏間違いなしだ。


(それはそうと旧時代の核弾頭くらいの威力あったはずなんだけど?)


「つくづく化け物だね……でも」


―――是非素体に欲しい!!


「《構築(ビルド)》」


 破壊されてしまった兵器たちを再度生み出しながらしながら、アリスは次の一手を考える。


(生半可な火力じゃダメなら)


「最高火力で行こうか……《想起(コール)》」


 心の中で唱えられたその言葉を皮切りに、握りしめられていた刃のない剣が自らの姿を変えるべく粒子となり散っていく。


「さて、トドメは決まったとして……ラジー、あと何秒?」


 荒れ狂う風竜の暴威を鋼鉄の腕たちで防ぎながら、そう問いかける。


『残り32秒です♪』

「合図したら出して!」

『了解です♪』

「これ以上暴れられると森が消えそうだし、《形態変化(トランス)》」


 そういいながら展開された四腕の1つがバイクの形に変わり、アリスはその背に飛び乗る。


 アリスの乗ったことを確認すると、キィーンと甲高い音を立てながらバイクが宙に浮かび、機体を導くように天空へと道が作られていく。


「畳みかけるよ!!」

『了』

 

 構築された道が急カーブを描き、大空を舞う竜を追うため更なる速度で構築され、


『バッレドマーダ、発進します』

 

 音を置き去りにし、鉄腕の一柱は空を駆け始めた。


 まるで流星のように空を駆け、同じく音速を超えている竜へ急激に迫っていく。


 だが相手が大人しくそれを見守るわけもなく、妨害するためか先ほどまでより魔力が明らかに込められている風刃がアリスを襲う。


「芸がないなあ!!」

『プロテクター展開』


 負荷を軽減するため展開されたシールドがより厚くなり、アリスを襲う暴風が難なく防がれる。


「ラジー!!」

『残り15秒です』

「ぐぅっ!!」


 既に音速はとうに超え、既に生身なら死んでいるであろう機体の速度に体が悲鳴を上げ、思わずうめき声あげてしまう。


(流石に負荷がやばい……けどっ!!)


 大空を旋回していた竜の上へとたどり着くと、アリスは残った魔力を使いありったけインカムに注ぎ込み、大量の兵器を召喚する。


 アリスは機体に乗ったまま召喚した兵器の一つを構え、


「プラズマ弾頭入りの特製兵器だ。ありがたく喰らって」


―――墜ちろ


「《全弾発射(フルショット)》!!」


 刹那、かつて見た閃光と爆風が視界を埋め尽くす。


『10』


 墜ちていく巨体。だが伝説(ヤツ)は倒れなかった。


『9』


 神話の存在の意地なのか、突如急激に加速したかと思うとこちらに向かって突撃してくる。


『8』


「《形態変化(トランス)》』


 (ヤツ)を食い止めるため、鋼鉄の腕を変形させる。


『7』


「《防御障壁(プロテクター)》っ!」


 凄まじい衝撃がアリスの体を突き抜ける。


『6』


「ガアアアアアアアア!!!!!」

「このおおおおおおおおおお」


 バキバキとあちこちの骨が折れていく感覚を感じながらも、歯を食いしばって必死に耐える。


『5』


(今だあ!!!!!)


「《衝撃吸収(コンパート)》っっ!!」


 竜が纏っていた魔力が吸収されていく。


『4』


「制限解放―――!」


 陽光が辺りを照らす。


『3』


「《序説(ガルタ)銃腕ノ機人(バレッドマーダ)》ぁ!!!」


 世界の法則がその身を表す。


『2』


「第Ⅳ定格出力ぅ」


 闇が、払われる。


『1』


『アンヘル、全力展開します♪』


「解放ぉおおおおお!!」


 



「『《偉大なる極星(プロメテウス)》』!!」





 科学と魔法によって生み出された星光が、全てを飲み込んだ。


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