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020 『ジンクス』


 実戦訓練は特に問題が起こるようなこともなく順調に進んでいた。


「アリス!こいつの足止め!カーラはバフ!」

「勿論ですわ!」

「了解!」


 ラインハルトからの指示を受け取ると、私は即座に体内の魔力を操り、手で地面に触れ魔力を流すようなイメージで魔術を発動させる。


「《エアリアル》!」

「《ストーンニードル》」


 私たちが同時に魔術を発動させると、ラインハルトの目の前にいた魔獣の下から針のように地面が隆起し魔獣の体を貫いた。


 魔獣の動きが止まるとの見るや否や、カーラから強化を受けたラインハルトが跳躍し、魔獣の首を落とした。


 私は剣についている血を払うように振って鞘に戻しているラインハルトに話しかける。


「一応聞いとくけど、怪我してたりする?」

「流石に君たち二人に援護して貰っておいて怪我をするなんてヘマはしないかな」

「次期侯爵様にそんなに評価してもらってるなんて光栄だねぇ」


 といいわざとらしく肩をすくめて見せると、ラインハルトは不機嫌そうな顔で睨んでくるがそんなのはどこ吹く風だ。そんな風にラインハルトをからかっているとカーラから苦情が飛んでくる。


「アリスがラインハルト様とイチャイチャしていますわ!私ともイチャイチャしてくださいまし~!」


 そういいながら私に向かって飛びかかってくるカーラをひらりとかわしながら異議を申し立てる。


「こんなのはイチャイチャに含まれるわけないでしょ。というかカーラのそれはただ襲ってるだけだからね!?」

「そんなことはありませんわ!」


 私が文句を言うと即座にそれを否定するカーラ。


「だからあるんだっ……ぐほぉ!?」


 そのことに対して文句を言おうとするが、それに気を取られてしまい避けるのが遅れカーラに捕まってしまった。


「やっと捕まえましたわ~!」


 そういいながら私の胸に顔を埋めながら深呼吸する彼女。


 私は即座に抵抗し抜け出そうとするが、そこはバルバトス伯爵家クオリティ。中々に力が強く抜け出せ気配はない。即座に自力での脱出は諦め、この変態の侍女に助けてもらうことにする。


「リーファ、この変態引き取って」

「分かりました。ほらお嬢様、アリス様が嫌がっておりますよ」


 そういいながらカーラを素早く引き剥がし、カーラを羽交い締めにするリーファ。カーラはそれに抵抗するように手足をじたばたと動かしている。


「離しなさいリーファ!私はアリスを堪能したいだけなのよー!?」

「それがダメだと何回言えば…」


 リーファは今にも頭を抱えそうな雰囲気を醸し出しながらため息をついている。


(なんかごめん)


 と心の中で謝っておく。一部私にも責任があるからね!


 私たちが騒いでいると、ずっと黙っていたアルが口を開いた。


「あの、さっきから静かすぎませんか?」

「そういえば……」


 アルにそういわれて気づく、森が異常に静かになっていることに。


「何が起きてるんですの……?」


 そうカーラ呟く。


 すると突然、森全体を覆うような形でドーム状の何かが展開されていく。


(嫌な予感的中だね)


 そう思っていると、左耳ひつけてるインカムから報告が入る。


『マスター。大規模結界が展開されました。どうやら外界との干渉を拒む結界のようです」

「どう考えても放置してもいい類のものじゃないね。ラジーは破壊できる?」

『可能ですが、確実に私の存在がバレます」

「なら無理だね。でも第2の魔術師団も来てるはずだから大丈夫だと思うけど……」


 小声で相談する私。


(とりあえず、同行してる騎士に判断を仰ごう。)


 緊急時には騎士に従えとも言われていたハズなので、どうすればいいのか確認しようと騎士に話しかけようと後ろを振り返る。


 騎士の頭がなくなっていた。


「まずいね、これは」


_(┐「ε:)_(……弾丸装填中……)

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