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第7話 謎

「空席の神と同等の存在………メアリー、そう思った理由は?」


「単純にそう考えると全文辻褄があるから。というか、どう考えてもそういう結論にたどり着くと思いますけど?」


「ま、まぁ一理あるな………うむ、わからないものについて悩んでもしょうがない。ここは1つ、課題としてみよう。」


「課題………ですか?」


「そうだ。クルガは一体何なのか………これが命題だな。これについて解いていくことを今期の課題とする。いいな。」


「「「はい!」」」


 ということがあり………かくして僕は調査対象としてEXクラスの一員となったのであった。


 さて………そうして1週間が経った。


「何も………わからない。」


 メアリーがそう呟く。この一週間、僕は権能について調べられたり、メアリーにここの言語を教えてもらったりしていた。だが目立った成果はなく、強いて言えば僕の権能が何がを断絶させる権能であるということだけ。


「まぁ、クルガはこれまでもわからないことだらけだったし。」


「だとしても謎すぎるだろ………。」


 3人は各々の意見を交わす。


「もとより、一週間でわかる程度の謎など課題にはせんよ。まぁ、もとが人と言われたときは流石に驚いたが………。しかし、ここまで難航するとはな。ノアよ、クルガと出会ったときなにか変わったことはなかった?」


「クルガと出会ったとき………そう言えば、クルガはマルコシアスに狙われていましたね。」


「何?あの悪魔にか?」


「ええ。」


「基本的にはマルコシアスは同族を襲うなどせんはずだが………。」


 マルコシアス………僕を襲ったあの狼達………あぁ、こういうときにもどかしいな。喋ることができないというのは。


「あぁ、それについては私が。」


 そう声を上げたのはメアリーだった。


「どうにも、マルコシアスのリーダーに恐れられてたみたいだね。将来的に自分の席を脅かす存在になるからって。」


 そう言えば、メアリーは僕の記憶を見ていた。やはり、現状意思疎通の頼みの綱はメアリーだな。


「マルコシアスのリーダーが………だと?」


「少なくとも、クルガはそう記憶してるね。」


「マルコシアスのリーダーがそこまで怯えるのなら………それはもう厄災級の存在じゃないか?」


「うむ、そのとおりだなテオ。もとよりマルコシアスというのは19柱に仇をなす悪魔の名。ここ10年ほど動きが活発化しておるのは知っておったが、リーダーまで出てきおるとはな………そして、そのリーダーさえ怯える存在ともなれば………それはまさしく神にも等しい存在と言える。」


「それは少し早計ではないですか、アステリカ先生?らしくないですよ。」


「そ、そうであったな………ありがとう、ノア。だが………本当、これは人の手に追えるような存在ではないぞ………?流石は………万能のノアといったところか。」


「先生、その二つ名やめてください?先生のように厨二病ではありませんから。」


「な!?」


「それにしても………クルガ、あなたは本当に誰なの?」


 その問いに僕は何も返せなかった。自分ですら、自分が何者かわからない。なぜ狼なのか、僕のすべきことは何なのか。そして何より、僕は何を救うと言うのか。


「まぁ、なんにせよ時間はある。ゆっくりでも近づいていければそれでいい。」


「珍しくやる気ね。テオ?もしかしてその呪いが解けるかもとか思ってる?」


「うるさいな………そりゃあ期待くらいはするさ。もしかしたらってな………。」


「呪いと一緒に冷たい性格も直ればいいのに。」


「これはもともとの俺の性格だ!ったく………からかうのはよしてくれよ………。」


 なんだかんだ仲の良さそうなメアリーとテオ。ここに来る前も認識があったのだろうか。普通、あんなにラフには触れることはできないはずだが………。


「そもそも、『呪いだ』なんて言ってるけどテオはもうほとんど自分の力にしてるじゃない?」


「それはそうかも知れないが………それとこれとは別だ。気を抜けばここいら一帯を氷漬けにすることになる。」


「なるほどね………このまま内包しておくっていうのも無理なのか………流石はフェンリル。」


 なかなか、とんでもない呪いを背負っているようだ………それなのにどうしてそんなところまで踏み込めるのだろう?もしかしてメアリーってあまりデリカシーない………?


「ほれ、そこまでにせんか。結果的に謎しかわからんかったわけだ。手探りだが進めていくしかあるまい。」


「そうですね………謎といえば。」


 そう言ってノアは続ける。


「先生この長期休暇中にガルハに行ってたんですよね?あの石のモニュメントの謎わかりました?」


 ガルハ………何処かの地名だろうか?


「おう、そうだったな。すっかり忘れておったが………結論から言おう。何もわからなかった。文献には古代の賢者が残した異物。救世主を呼ぶ要としか………つまりは、わかっていることの復習だけして帰ってきたわけだよ。」


「やっぱりそうですか………。」


「私も400年は生きておるが………それより前からあるからの………何なのだろうか?」


 そうか………アステリカ先生は400年生きてるのか………400年!?

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