あやふやなメロディー。
まるですぐ傍で戯れるような気配。
控えめな空気の流れを弄ぶような。
漂う眠気を追い払う私の弱みを唆して。
固い床に体を預けたら、不安の抜け道教えてあげる。
冷たい机に悩みを預けたら、悦びの近道教えてあげる。
目蓋の終演、閃きの暗転。
気高い群衆、際立つ国境。
深い緑の遠景、四角い縁の絶景。
雑踏に潜む初恋、残像に怪しむ失恋。
反射光で合図する不安、後ろ姿でしらを切る望み。
響く会話にあやふやなメロディー付けてみて。
どうでもいいやと呟く心は抱きしめたい。
どうでもいいやと喚く心は隠したい。
行方不明のあやふやなメロディーに指先を差し出して。
どうでもいいやと嘆く心は吐き出したい。
どうでもいいやと囁く心は狂わせたい。
焼けた壁に指を滑らし、教えたくない悲鳴を育んで。
横たわる隣人、原始の疼き。
娯楽の正論、真摯な暴論。
柔らかい部屋に着いたなら、週末の約束忘れてあげる。
凍える部屋が見えたなら、週末の結末教えてあげる。
あやふやなメロディーに笑顔を添えて。