表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不老不死と契る  作者: 雪平
1/1

プロローグ

始めての執筆です。

拙作ですがよろしくお願いします。

『人間』であるための条件とは何だろうか

そんな質問をすると彼女はただ一言「死ぬこと」と答えた。

その答には彼女自身が今まで老いることも死ぬこともないが故に、≪人非ざる者≫として扱われてきた経験からのものであることは想像に難くない。

僕がそんな風に思っていると彼女は同じ質問を聞き返してきた。

その問いに対して僕は「感情かな」と答えた。

無論、他の動物にも感情はある。

しかし、人間の感情ほど複雑で奇妙なものは他にないだろう。


「そもそもどうして私にこんな質問をした」

「いや、大した理由じゃないんだけどさ。フレアは自分自身は人間ではないというけど、僕から見たら普通の女の子にしか見えないから」

「その理由はなんだ」

「フレアはいつだって誰かのために動いているからかな」


僕はこれまで他人の悪意をこの身で感じてきた。

自分の勝手な物差しで人を蔑む者、それに同調する者、他人事だと見て見ぬふりをする者。

皆、自分の利益だけを考えて他人を鑑みない。

今まで見てきたのはそんなものばかりだった。

僕から見れば彼らこそが≪人非ざる者≫であり、逆に言えば他人のために動けるフレアは強い人間だと言える。


「長い間生きてきたが、そんなことを言われたのは初めてだよ」

理由を聞いた彼女は少し間をおいてはにかみながらそう答えた。


これは人に成りたいと願う不老不死と、人を信用できない男子高校生の話。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ