64. 旧五野八(ダラメット編10)
『あるんかい!!!!』
心の中で思いきりツッコんだ。
まさか、会社証明書を持っているとは思わなかったので驚いてしまった。何故ライメゼは会社証明書を持っているのだろう。
『大丈夫すか? それ……』
『大丈夫、大丈夫! とりあえず保安雇人達に見せよーう!』
ライメゼは満面の笑みで保安雇人達に会社証明書を見せていた。偽物だとバレない自信でもあるのだろうか。
保安雇人達は会社証明書が本物かどうかスキャンをして確認する小型機器"チェックデバイス"を取り出した。
『チェックデバイスに"本物"と表示されたら、行っていい。だが、"偽物"と表示されればお前達を連行する』
慌ててライメゼの元へ駆け寄り小声で話しかける。チェックデバイスを出してくるとは思わず自分は焦っていた。
『やばいんじゃないんすか? あれ、本物かどうかすぐに分かる機械っすよね?』
『チェックデバイスかぁ。面倒くさいなぁ〜まっ、いっか』
ライメゼは面倒くさそうにため息をついているが焦っている様子はない。何故焦らないのか自分には理解できなかった。
『さぁ、チェックデバイスの中にその会社証明書を通せ』
チェックデバイスは片仮名の"コ"のような形状をしており、開いている中心部に紙を通せば上下のセンサーが勝手にスキャンを始める。
ライメゼは会社証明書を持ち直すとチェックデバイスの中に通した。これで偽物と表示されれば……もう何を言っても捕まるだろう。自分の顔は焦りで表情が歪んでいた。さすがにライメゼの顔にも焦りが出始めているのではないだろうか。
『ハハ……マジっすか……?』
ライメゼはずっと笑みを浮かべたままチェックデバイスを見ていた。
表示されていたのは"本物"という文字。
『やっばいすなぁ……この人。マジなリーダーなんすね……いやぁ、参ったす』
保安雇人達は驚きながらお互いの顔を再び見合わせると、小さく頭を下げた。
『どうやら、我々の思い違いだったようだ……申し訳ない。行っていいぞ』
自分とライメゼは満面の笑みで大きく頷いた。
『どうもー!』
『失礼するっすー!』
『スールイティ団のリーダーを馬鹿にはできないっすね……。助かったっす』
最初からチェックデバイスを出してくるかもしれないとライメゼは予想していたのだろう。
『その証明書、本物なんすか?』
『もちろん。ブラッストロ社は一人の団員が昔勤めていた会社で、今もまだ使われなくなった廃ビルが残っているんだ。まぁ、昔の会社証明書ってこと』
確かに、よく見ると会社証明書の登録日付は今から二十年前の日付になっていた。




