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36  作者: 川之一
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63. 旧五野八(ダラメット編9)


 スールイティ団のアジトには大量の財宝があるのだろう。500万ゴルドをあっさり渡せるとは……。

『あんた凄いっすね。色々と……何で、こんな番号カードを当てるイベントに参加していたのかも謎なんすけど』

『いやぁ、小遣いに500万ゴルドも欲しかったからさぁ〜。色々も気になるけど、まぁ、いーや。さぁ、行こう!』

机上に顔を伏せて眠っている男性の側に500万ゴルドが入った封筒を置き、ライメゼは事務所の出口へと向かった。

『だ、大丈夫すかなぁ……』

とても不安だ。今はもうライメゼを信じるしかない。


 ──ガチャ


 『動くな‼︎ 保安雇人(キャプチャー)だ‼︎ この建物内からヘルプ通知が出ているが貴様ら何かしたのか⁉︎』

外に出ると銃を構えた数人の保安雇人(キャプチャー)達があっという間に自分達を取り囲んでいた。もし、嘘をついているのがバレたら、スールイティ団のリーダーであるライメゼも捕まるだろう。自分も捕まるわけにはいかないのでライメゼのフォローをしなければ。ライメゼはすぐに両手を挙げると自分も慌てて両手を挙げた。

『何もしてないんですよ〜! イベントの当たり金を渡そうと思ったら彼が急に眠ってしまって、俺達も困っていたんです。彼を助けてあげてください!』

さすが、盗賊団のリーダーと言うべきか……演技が上手く本当に困っているように見える。


 保安雇人(キャプチャー)達は顔を見合わせていた。どうやら信じ切ってはいないようだ。銃を構えたまま、こちらに近付いて来る。

『どこの会社が主催しているか答えろ‼︎』

言ってしまったら、雇われていた会社に行かれて不正がバレてしまうかもしれない……焦りで目が泳ぎ始める。


 ライメゼは小さく肩を叩いてきた。


 『なっ……⁉︎』

『俺が社長だよな! ブラッストロ社が主催しているんだよねー!』

ライメゼが言っているのは、きっと架空の会社名だ。どうやら自分は社員を装えばいいらしい。

『そ、そうすっねぇ、社長! お客様と一緒に当たったことを喜んでいたっすもんね!』

保安雇人(キャプチャー)達は再びお互いの顔を見合わせる。ライメゼがスーツを着ていて良かったと安堵していた。少しは社長らしく見えるからだ。


 『なら、会社証明書を見せろ。社長なら持っている筈だろう』


 ライメゼの目つきが鋭くなっていた。まさか、会社証明書を要求されるとは……架空の会社なので有るわけがない。さすがにもうダメだろう……持っていないと言えば、会社までついていくと言ってくる筈だ。


 ゆっくりと目を瞑る。

『牢獄の中へ……とうとう行くんすね。スールイティ団のリーダーも道連れとは面白いっす』


 ライメゼはスーツの内側ポケットに手を入れていた。

『えーと、あっ! あったあった!』

嘘だろ、と言わんばかりの表情でライメゼを睨んだ。


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